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来週の為替予想(米ドル/円)協調介入後の160円台、許すも拒むもG20と米雇用次第 ハロンズFX 2026/8/29

 

ドル円予想 2026年8月31日週

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人

執筆日時 2026年8月28日 16時20分

【この記事でわかること】

  • 来週のドル円予想レンジ:157.50〜160.80円
  • 今週のドル円が159円台で膠着した背景(米金利上昇でも反応鈍化、日銀要人発言)
  • G20での日米協調介入・円安けん制発言の可能性
  • 日銀9月利上げ観測と高田審議委員の発言が焦点
  • 米雇用統計が160円方向か158円割れかを左右する分岐点

今週のドル円は159円台で膠着、米金利高でも160円届かず

2026年8月24〜28日のドル円は、159円台を中心に方向感の乏しい展開となりました。米7月PCEデフレーターがインフレの粘着性を示し、米金利が上昇する場面でも、ドル円は159円台半ばで上値を抑えられ、160円には届きませんでした。

前回の記事では、米物価が強ければ160円方向を試すとみていましたが、実際には「米金利高=ドル高・円安」の反応が以前ほど強くありませんでした。 一方、27日の氷見野日銀副総裁は物価の上振れリスクへの警戒を示したものの、9月利上げを明確に示さなかったことで円売りが優勢となりました。ただ、28日の東京都区部CPIはコアが前年比1.8%へ3カ月連続で伸びを拡大し、日銀の9月利上げ観測自体は維持されています。

なお、28日23時にはウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演が予定されています。執筆時点では未通過のため、来週の出発点は講演後の米金利とドル円の反応を改めて確認する必要があります。

来週のドル円予想|G20と米雇用統計が焦点

来週のドル円予想レンジは157.50〜160.80円で、G20と米雇用統計が最大の焦点となります。まず注目したいのが、8月31日〜9月1日のG20財務相・中央銀行総裁会議です。7月末の日米協調介入後、片山財務相とベッセント米財務長官が直接接触する可能性がある初めての大きな機会となるだけに、新たな円安対応策や日米の連携を巡る思惑が広がりやすいでしょう。

ドル円は協調介入後の155円台から再び159円台まで戻しています。160円に近づくほど介入警戒も強まりやすく、G20で円安を強くけん制する発言や新たな対応を示唆するメッセージが出れば、円買いが先行する可能性があります。逆に具体的なメッセージがなければ、介入警戒がやや後退することも考えられます。

日本では9月の日銀利上げもかなり意識されており、2日の高田日銀審議委員の発言も重要です。物価上振れへの警戒や今後の利上げペースに踏み込めば円買いにつながる一方、慎重な内容なら円高圧力はいったん後退しそうです。

そのうえで、週後半の最大材料が4日の米8月雇用統計です。7月雇用統計が弱かっただけに、今回は労働市場の減速が一時的だったのかを確認する重要なデータになります。雇用者数や失業率、賃金が底堅ければ、インフレの粘着性と合わせてFRBの利上げ観測が強まり、160円方向を試す可能性があります。逆に雇用の弱さが続けば、米金利低下を通じて158円割れに注意が必要です。JOLTS求人件数やADP雇用統計、ISM景況指数も前哨戦として意識されそうです。

来週は、週前半に日銀・介入警戒が上値を抑えるのかを確認し、週後半に米雇用がその膠着を破れるかを見る流れとなりそうです。

ドル円テクニカル分析

日足では、7月末の急落後に159円台まで値を戻しましたが、足元では上昇が一服しています。

上値のポイント

上値では、現在値付近に位置する25日移動平均線159.43円を上回り、100日移動平均線160.00円を明確に突破できるかがポイントです。160円を超えれば予想レンジ上限の160.80円方向が視野に入りますが、同時に介入警戒も強まりやすくなります。

下値のポイント

一方、下値では200日移動平均線158.42円が重要な支持となります。ここを割り込めば157円台への調整が強まり、予想レンジ下限の157.50円が意識されそうです。

RSIと来週の分岐点

RSIは47.7と中立圏にあり、テクニカル面でも一方向への強いトレンドは確認できません。来週は、159.43〜160.00円を上抜けて160.80円方向へ進むのか、それとも158.42円を割り込み157円台へ調整するのかがテクニカル上の分岐点になります。

(各レート水準は執筆時点のもの)

【ドル円チャート 日足】

ドル円 日足テクニカル分析 移動平均線/14日RSI 2026年8月28日

ドル円 日足/25・100・200日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

重要イベント・経済指標(2026年8月31日〜9月4日)

来週のドル円で特に重要となるのは、G20、日銀要人発言、米雇用統計の3点です。

  • 8月31日(月)〜9月1日(火)
    • G20財務相・中央銀行総裁会議
    • G7財務相・中央銀行総裁会議
  • 8月31日(月)
    • 21:00 ドイツ 8月消費者物価指数(CPI、速報値)
  • 9月1日(火)
    • 08:50 日本 4-6月期四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
    • 18:00 ユーロ 8月消費者物価指数(HICP、速報値)
    • 23:00 アメリカ 8月ISM製造業景況指数
    • 23:00 アメリカ 7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
  • 9月2日(水)
    • 10:30 日本 高田日銀審議委員、発言
    • 21:15 アメリカ 8月ADP雇用統計
    • 27:00 アメリカ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 9月3日(木)
    • 18:00 ユーロ 7月卸売物価指数(PPI)
    • 21:30 アメリカ ウォラーFRB理事、発言
    • 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
    • 23:00 アメリカ 8月ISM非製造業景況指数
  • 9月4日(金)
    • 15:00 ドイツ 7月製造業新規受注
    • 17:30 イギリス 8月建設業購買担当者景気指数(PMI)
    • 18:00 ユーロ 7月小売売上高
    • 21:30 アメリカ 8月雇用統計

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。