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S&P500見通し(8/28〜9/4)|7,800ポイント目前、高値更新は雇用統計より「米金利」で読む

 

S&P500(SP500) 見通し、7,800ポイントへあと一歩 2026年8月28日

作成日時 2026年8月28日 12時00分

対象期間 2026年8月28~9月4日

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

【この記事でわかること】

  • 今後1週間のSP500(S&P500)の予想レンジ:7,550〜7,900ポイント
  • 上昇要因:企業業績の強さ、AI関連株の好決算、米長期金利の落ち着き
  • 下落リスク:インフレ警戒による利上げ観測、米長期金利の上昇、上昇が特定セクターに偏ること
  • 重要な分岐点:7,815ポイント・7,625〜7,650ポイント・7,530〜7,550ポイントの攻防

8月28〜9月4日のSP500は7,550〜7,900ポイントのレンジを想定します。ベースシナリオは、企業業績の強さを背景にSP500は底堅さを維持しつつ、一段高には米長期金利の落ち着きが必要というものです。見通しを左右する判断軸は、経済指標そのものの強弱ではなく、その結果が米連邦準備制度理事会(FRB)の政策観測を通じて米長期金利にどう波及するかです。来週は米雇用統計を含む重要指標が連日並びます。ここから先は、経済指標の結果を受けた市場がどのように反応するのかを考えながら、読み進めてください。

今週のSP500|最高値圏に接近も、上昇はAI関連株に集中

8月24日週の現物の米株式市場は、エヌビディアの好決算を受けてハイテク株が大きく持ち直しました。週初来ではダウ平均が約0.5%高、ナスダックが約1.4%高、SP500が約0.7%高となっています。

前回の記事では、SP500が7,600〜7,630ポイントの支持帯を維持できるか、米長期金利とエヌビディア決算を主な焦点としていました。結果として7,600ポイント台を守り、好決算をきっかけに再び最高値圏へ接近する動きとなっています。

ただ、中身を見ると評価は一様ではありません。27日はエヌビディアが8.7%上昇し、SP500の情報技術セクターが3.4%高となった一方、11セクターのうち上昇したのは情報技術だけでした。

指数の上昇ほど米株全体が強かったわけではなく、企業決算から、米景気・雇用→FRBの政策観測→米金利へ相場の焦点が移るなかで、そうした不足部分を補えるかどうかがポイントとなります。

来週のSP500見通しを左右する2材料|ベンチマーク改定とジャクソンホール

来週を迎える前に確認しておきたいのが、28日の雇用統計の年次ベンチマーク改定速報と、ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の講演です。いずれも日本時間23時に予定されています。

年次ベンチマーク速報では、これまで発表されてきた雇用者数が実態をどの程度正確に捉えていたのかを確認できます。一方、ウォーシュ議長がインフレや雇用、今後の金融政策についてどのような認識を示すかも、FRBの政策観測を左右する可能性があります。

二つの重要材料が同時刻に出るため、発表直後はどちらを受けた反応なのか判別しにくく、米金利の動きが大きくなる可能性があります。重要なのは、それぞれの結果だけでなく、最終的に米国債利回りがどちらへ動くかです。

雇用の基調が想定より弱く、ウォーシュ議長の発言も金利上昇を促さなければ、AI関連株の好業績を再評価しやすくなります。反対に、インフレ警戒などから長期金利が上昇すれば、最高値圏にあるSP500には重荷となります。

28日の2つの材料と、それを受けた米金利の動きが、来週の雇用統計ウィークの発射台になりそうです。

雇用統計ウィークのSP500見通し|指標より“米金利”の波及が焦点

来週は9月1日の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数と米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、同2日のADP雇用統計、同3日の新規失業保険申請件数やISM非製造業景況指数、そして同4日の8月雇用統計まで、米景気と労働市場を確認する材料が続きます。

雇用だけでなく、企業の採用意欲、製造業・サービス業の景況感など、米国の実体経済をさまざまな角度から確認する1週間になります。

経済指標を単純に「強かった」「弱かった」で判断するのではなく、その結果がFRBの政策観測を通じて米金利にどう影響するのかを考えながら、各イベントを確認したいところです。

景気がほどよく減速し、景気後退懸念を強めないまま長期金利が低下すれば株価には追い風となる一方、景気の強さから利上げ観測が高まり金利が上昇すれば、ハイテク株を中心に重荷となります。逆に雇用が急速に悪化すれば、金利低下より景気後退への警戒が勝る可能性もあります。

SP500テクニカル分析|移動平均線とRSIで見る支持帯と7,815ポイントの壁

SP500テクニカル分析 移動平均線/14日RSI 2026年8月28日

SP500 日足/25・75・100日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「CFDネクスト」

SP500 CFDの日足では、25日移動平均線が7,652ポイント、75日移動平均線が7,534ポイント付近です。14日相対力指数(RSI)は46.9で、過熱感はありません。

下方向では、チャート上の節目である7,627ポイントと25日線が近い7,625〜7,650ポイントが最初の支持帯です。ここを明確に割り込むと、75日線と今回の予想レンジ下限が重なる7,530〜7,550ポイントが次の下値メドになります。

上方向では、SP500 CFDの直近高値7,815ポイント前後が焦点です。ここを明確に突破できれば、予想レンジ上限の7,900ポイントを試す余地が広がります。

SP500の視点と、シナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、企業業績の強さを背景にSP500は底堅さを維持し、7,815ポイントの高値突破を試すものの、一段高には米長期金利の落ち着きが必要というものです。

前回懸念した7,600ポイント割れは回避し、エヌビディアも市場の期待に応えました。このため予想レンジは前回の7,500〜7,850ポイントから、7,550〜7,900ポイントへ引き上げます。

ただし、7,900ポイントまで上値余地を広げるには、米長期金利が再び大きく上昇しないことが条件になります。SP500 CFDで7,815ポイントを突破できれば高値更新への期待が強まる一方、7,625〜7,650ポイントを割り込めば、7,530〜7,550ポイントまでの調整を警戒したいところです。

すでに買い持ちの方にとっては、7,815ポイントを試す動きに乗っていくのか、それとも上昇がAI関連株に偏っている点を重く見ていったん軽くするのかが分かれ目になりそうです。売り持ちの方にとっては、好決算という材料を通過したあとで7,625〜7,650ポイントの支持帯が崩れるかどうかが、シナリオの生死を分ける水準になるとみられます。

上記はあくまで一つの見方です。来週は好調な企業業績を支えに高値を更新できるのか、それとも米金利が再び上値を抑えるのかが焦点になりますが、どちらを重く見るかで組み立ては変わってきます。ご自身の見立てに合わせて戦略を組み立ててみてください。

【あなたの見通しは?】

A.強気シナリオ:米長期金利が落ち着き、企業業績への評価が続く。SP500 CFDで7,815ポイントを突破し、7,900ポイントを試す

B.中立シナリオ:7,625〜7,650ポイントの支持帯を維持しながら、雇用統計を見極める展開が続く

C.弱気シナリオ:米長期金利の上昇やAI関連株への資金集中の反動から、7,625〜7,650ポイントを割り込み、7,530〜7,550ポイントまで調整する

今後の重要イベント

  • 8月31日(月)〜9月1日(火) 米国 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議
  • 8月31日(月)〜9月1日(火) 米国 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議
  • 9月1日(火) 米国 23:00 8月ISM製造業景況指数
  • 9月1日(火) 米国 23:00 7月JOLTS求人件数
  • 9月2日(水) 米国 21:15 8月ADP雇用統計
  • 9月2日(水) 米国 23:00 7月製造業新規受注
  • 9月2日(水) 米国 27:00 地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 9月3日(木) 米国 18:30 8月チャレンジャー人員削減数
  • 9月3日(木) 米国 21:30 ウォラーFRB理事発言
  • 9月3日(木) 米国 21:30 7月貿易収支
  • 9月3日(木) 米国 21:30 4〜6月期非農業部門労働生産性・改定値
  • 9月3日(木) 米国 21:30 新規失業保険申請件数
  • 9月3日(木) 米国 23:00 8月ISM非製造業景況指数
  • 9月4日(金) 米国 21:30 8月雇用統計

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。