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金(ゴールド)週間見通し|主役交代? ディベースメントが追い風、4,700ドル攻防へ 2026年8月27日

 

金相場見通し、なぜ想定よりも上昇した(2026年8月27日)

作成日時:2026年8月27日 11:20

予想期間:2026年8月27日〜9月3日

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

【この記事でわかること】

  • 今後1週間の金(ゴールド)/XAUUSDの予想レンジ:4,400〜4,750ドル
  • 上昇要因:ドル希薄化(ディベースメント)、ETF資金流入、米金利以外の買い材料
  • 下落リスク:インフレ上振れによる利上げ観測、ドル高、投機筋ネットロングの解消
  • 重要な分岐点:4,700ドル・4,530ドル・4,430〜4,400ドルの攻防

本記事では、金(ゴールド)/XAUUSDの最新見通しを、今週の材料整理とテクニカル節目を踏まえて解説します。

今後1週間の金(XAU/USD)は 4,400〜4,750ドル を見込んでいます。金価格は前回予想の上限である4,630ドルを上抜け、一時4,700ドル目前まで上昇しましたが、インフレ警戒の場面では反落するなど値動きは荒くなっています。今後の判断材料はジャクソンホール会議から米雇用統計までの一連のイベントで、焦点は FRBの利上げ観測とドルの方向がどう示されるかという点にあります。米金利、ドル、ポジションのどれを重視するかを意識しながら読み進めていただければと思います。

金価格が想定より上昇した理由|米金利低下だけでは説明できない要因

前回は、米財務省による長期国債の買い戻しを受けた米金利低下が続くかをポイントに置き、4,350ドル前後を維持すれば4,550ドル、さらに4,630ドルを試すとみていました。実際には4,630ドルを突破し、8月25日には4,696ドル付近まで上昇しています。方向感は想定どおりでしたが、上昇力は予想を上回りました。

背景には米金利低下だけでなく、米財務省の対応を受けた国債市場への警戒やドルの希薄化(ディベースメント)への意識、ドル安、金ETF(上場投資信託)への資金流入などがあったとみられます。

CFTC(米商品先物取引委員会)の投機筋ポジションでも、ネットポジションは7月31日の18万2,070枚から8月18日には22万2,189枚へ増加しました。米金利が再び上昇する場面でもゴールドが大きく崩れなかった点をみると、今週は米金利以外の買い材料が価格を押し上げたと考えられます。

裏を返せば、来週も米国債利回りだけを追っていては値動きの説明がつかない可能性があり、ドル相場と投資家の資金フローを併せて確認しておきたいところです。その資金フローの向きを大きく動かしうるのが、次の一連のイベントです。

CFTC金先物 投機筋(Non-Commercial)のネットポジション 2026年8月27日

CFTC金先物 投機筋(Non-Commercial)のネットポジション 公表データを基に外為どっとコム作成

今後の金価格を左右する材料|FRBの金融政策観測に影響するジャクソンホール会議と米雇用統計

焦点は、米景気とFRBの金融政策。8月27〜29日のジャクソンホール会議に続き、来週はISM(米供給管理協会)景況指数、ADP雇用統計、ベージュブック、9月4日の米雇用統計が予定されています。

足元ではインフレの粘着性からFRBの利上げ観測が残っていますが、景気減速や雇用市場の弱さが確認されれば、追加利上げへの警戒が後退する可能性があります。米金利やドルの上昇が一服すれば、金価格には追い風になりやすいところです。

なかでも米雇用統計は、ジャクソンホールで示されるFRBの政策姿勢を市場が評価する重要材料になります。弱い雇用指標が続けば、今週高値の4,696〜4,700ドルを再び試す展開も想定されます。一方、景況感や雇用が想定以上に強ければ、利上げ観測が高まり、金の上値を抑える可能性があります。指標そのものの強弱よりも、一連の米経済指標を受けて政策金利の見通しがどう変わるかを見るほうが、値動きの理解には近道かもしれません。

金価格の下落リスク要因|インフレと投機筋のポジション

強気材料がそろっているようにみえても、上昇が一本調子に続くとは限りません。

26日は米インフレ指標を受けて利上げ観測が強まり、ドルが上昇すると、金は4,600ドル付近まで反落しました。インフレ上振れ→FRBの利上げ観測→ドル高→金安という従来の関係は、依然として残っています。

来週のISMや米雇用統計が強ければ、米金利とドルが上昇し、4,700ドルを前に利益確定売りが膨らむ可能性があります。また、投機筋のネットロング増加は上昇相場を支える半面、買いポジションが積み上がっていることも意味し、材料が逆方向へ傾いた場合、ポジション解消が下落幅を大きくする可能性があります。

基本的には上方向を優先する見立てですが、慎重にみるなら、急騰後の調整がどこまで深くなるかを見極めてから判断するという選択肢もありそうです。その見極めの目安になるのが、次のチャート上の節目です。

金(スポット)のテクニカルチャート分析|4,530ドル維持なら4,700ドル突破が視野に

金スポットテクニカル分析 日足移動平均線/14日RSI  2026年8月27日

金スポット 日足/25・75日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「CFDネクスト」

日足では、7月後半からの上昇トレンドが続いています。25日移動平均線は4,325ドル付近、75日移動平均線は4,268ドル付近です。14日RSI(相対力指数)は69.0と高水準ですが、直近の調整で過熱感はやや和らいでいます。

上値のレジスタンスは、今週高値の4,696ドル〜4,700ドルが最大のポイントになります。日足で明確に上抜ければ、予想レンジ上限の4,750ドルが次の目標として意識されやすくなります。

下値のサポートは、フィボナッチ23.6%にあたる4,531ドル付近が最初の節目です。さらに下では4,429ドル〜4,400ドルが重要になります。このゾーンを割り込むと、4,346ドル付近や25日移動平均線の4,325ドル付近まで調整が深まる可能性があります。

来週は、4,530ドルを維持して4,700ドルを突破できるかが第一の判断軸になりそうです。

金(XAU/USD)の視点とシナリオの組み立て方

メインシナリオは、4,530ドル前後を維持できる間は上方向を優先し、4,700ドル突破から4,750ドルを試す展開です。米金利以外の買い材料が今週の上昇を支えた点を重視しています。

上方向へ修正する条件は、ISMやADP雇用統計、米雇用統計で景気減速や雇用の弱さが確認され、米金利とドルの上昇が一服することです。4,700ドルを日足で明確に上抜ければ、4,750ドル方向を意識する場面が増えそうです。

下方向へ修正する条件は、米経済指標が想定以上に強く、利上げ観測とドル高が進むことです。4,430〜4,400ドルのゾーンを割り込むようなら、上昇シナリオはいったん弱めて考えたいところです。投機筋のネットロングが22万枚超まで積み上がっている以上、解消が始まった場合の下押しは想定より速くなる可能性があります。

すでに買いを持っている方にとっては、4,700ドル手前の利益確定売りをどう扱うかが悩みどころかもしれません。逆に売りから入っている方にとっては、4,530ドルが崩れるかどうかが最初の関門になります。いずれの立場でも、上と下で「どこまでなら想定内か」を先に決めておくと、指標発表後の値動きに振り回されにくくなります。あくまで一つの見方として、ご自身の見立てに合わせて戦略を組み立てていただければと思います。

【あなたの見通しは?】

A.4,530ドルを維持する限り上目線を継続し、4,700ドル突破から4,750ドルを意識する

B.急騰後の調整を優先し、4,530ドル割れや4,430〜4,400ドルゾーンまでの押しを待つ

C.米雇用統計までは方向を決めず、ISMやADP雇用統計に対する米金利とドルの反応を確認してから判断する

今後の重要イベント

  • 8月27日(木)〜29日(土) アメリカ ジャクソンホール会議
  • 8月28日(金)23:00 アメリカ ウォーシュFRB議長講演
  • 8月28日(金)28:30 アメリカ  CFTC建玉明細報告
  • 9月01日(火) 22:45 アメリカ 8月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
  • 9月01日(火) 23:00 アメリカ 8月ISM製造業景況指数
  • 9月02日(水) 21:15 アメリカ 8月ADP雇用統計
  • 9月02日(水) 27:00 アメリカ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 9月03日(木) 22:45 アメリカ 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
  • 9月03日(木) 23:00 アメリカ 8月ISM非製造業景況指数
  • 9月04日(金) 21:30 アメリカ 8月雇用統計

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