本日の東京市場のドル円は、週後半に予定されている日米のインフレ指標の発表や要人発言を控え、昨日に続き方向感を模索する動きが見込まれる。
今週のドル円は、月曜こそ早朝に158円台半ばまで下押す場面が見られたものの、その後は158円台後半では底堅さを見せる一方、159円台半ばでは上値が重いなど、こう着した展開が継続している。前述の各種イベントを見極めたいとのムードが市場に漂っていることもあるが、先月末の日米の協調介入による警戒感が残っていることが上値を抑える反面、本邦政府の積極財政への懸念を背景とする円売り圧力が底強さを与えていることが、こう着の背景にあるもよう。本日も相場を動かす決定打に欠ける中、ドル円は引き続き159円前後で方向感を模索する動きが見込まれる。
ただし、相場を動かしそうな潜在的な材料に事欠かない点に注意したい。本邦要因では、高市政権による積極財政への懸念が目立つものの、金利先物市場では日銀の9月利上げが8割近く織り込まれている。明日の氷見野日銀副総裁のあいさつや明後日の8月東京都区部CPIを控え、日銀の利上げが意識されると円が買われる展開もあり得る。
米国では、ベッセント財務長官が前週に「財政健全化に焦点を当てたイニシアチブ」を発表するとしたことから、踏み込んだ財政再建策への期待がかかる。そのほか、今晩の7月米PCEデフレーターや28日にはウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演が予定されており、これらイベントを前に積極的な売買が手控えられている面もあるようだ。
米・イランの戦争状態について、開始からすでに5カ月以上経過した現在でも、解決への糸口が見つからない状況となっている。もっとも、市場はそのことを織り込んでいるのか、今週に入りベッセント米財務長官がイラン制裁強化を発表したほか、昨日は原油価格が軟調に推移したものの、いずれも為替相場の反応は限定的であった。事態が新展開を迎えた場合は動き出しのきっかけとなり得るので引き続き関連報道には注意したい。
その他、豪州では7月消費者物価指数(CPI)が発表予定。豪準備銀行が重視する四半期CPIではないものの、速報性があるため、インフレの基調的な趨勢や次回会合に向けた方向性を探る上で注目したい。市場予想は前年比+3.3%と前回+3.8%を下回ると見られている。本日のCPIが予想を下回る伸びにとどまる場合、月次ベースでは3月の+4.6%をピークとして伸び鈍化傾向が続くこととなり、RBAのインフレ目標の上限である3%に一段と接近する。20日の7月豪雇用統計が弱い内容となり追加利上げ期待が後退したことを踏まえると、伸びの鈍化が続く場合は利上げ期待が一段と後退して豪ドル売りで反応することも考えられる。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
