
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人
執筆日時 2026年8月21日 14時00分
来週のユーロ円は184.00〜187.50円、ポンド円は214.50〜218.70円のレンジを予想します。ただし、ユーロはECBの追加利上げ観測という独自の支援材料がある一方、ポンドは英国の雇用悪化が重しとなっており、ユーロ円の方が上値を試しやすいとみています。
予想レンジ:ユーロ円 184.00〜187.50円
予想レンジ:ポンド円 214.50〜218.70円
ユーロ円の来週予想|185円台後半へ上昇、次の上値は187.47円
ECB利上げ観測とドル安が重なるユーロ相場
ファンダメンタルズ面では、欧州中央銀行(ECB)の追加利上げ観測がユーロを支えています。次週はドイツのGDP改定値やIFO企業景況感指数、フランスGDPなどが予定されており、欧州景気が大きく崩れていないことが確認されれば、インフレへの警戒を背景としたECBの利上げ観測も維持されやすいでしょう。
一方、日本では日銀の追加利上げ観測が残っており、円高によってユーロ円が押される場面には注意が必要です。ただ、現状はECBの利上げ観測を背景としたユーロ買いが続いており、日銀への警戒だけで上昇基調が崩れる状況にはなっていません。高値を追うより、円高で下押しした場面を待ちながら上方向を見るのが基本になりそうです。
ユーロ円のテクニカル分析と上値めど
テクニカルでは、25日移動平均線が184.48円、100日線が185.15円、200日線が184.12円付近です。足元ではこれまで上値を抑えていた100日線を上抜け、7月末の急落から戻り基調を強めています。14日RSIは60.3で、上昇しているものの過熱感が強すぎる水準ではありません。
185円台を維持できれば、186.00〜186.50円を経て、7月高値の187.47円付近を試す余地があります。一方、下値では25日線と200日線が位置する184.00〜184.50円が重要な支持帯です。このゾーンを維持する間は押し目を拾いやすく、184円を明確に割り込む場合が強気シナリオを見直す目安になりそうです。
【ユーロ円チャート 日足】

ポンド円の来週予想|216円台回復、218円台を試せるか
英雇用の弱さとインフレ警戒が同居する構図
英国では雇用悪化を受けてポンドの上値が重くなるとみていましたが、実際にはポンド売りは続かず、対ドルでも高値圏まで上昇しました。雇用の弱さよりも、インフレの粘着性や英国の高い金利水準を意識したポンド買いが勝っている形です。
とはいえ、労働市場の弱さを考えると、ユーロ円ほど積極的に高値を追いやすい状況ではありません。また、日銀の追加利上げ観測を背景に円高が強まれば、ポンド円も下押しする可能性があります。そのため、216円台から上値を追うより、押し目を待ちながら上方向を見るのが基本になりそうです。
ポンド円のテクニカル分析と上下の分岐点
テクニカルでは、25日移動平均線が215.66円、100日線が214.88円、200日線が212.55円付近です。足元では上値を抑えていた25日線を回復し、216円台後半まで上昇しています。14日RSIは57.7で、過熱感もまだ強くありません。
25日線を上回っている間は上方向を見やすく、217.00円を突破すれば218.00〜218.70円まで上値を伸ばす余地があります。その先には7月高値の219円台も控えています。
一方、下値では25日線と100日線が位置する214.88〜215.66円が重要な支持帯です。このゾーンを維持する間は押し目買いが入りやすく、214.50円を明確に割り込む場合が戻り基調を見直す目安になりそうです。
【ポンド円チャート 日足】

重要イベント・経済指標(2026年8月24日〜8月28日)
- 8月25日(火)
- 14:00 日本 日銀・消費者物価のコア指標
- 15:00 ドイツ 4-6月期国内総生産(GDP、改定値)
- 15:45 フランス 8月消費者信頼感指数
- 17:00 ドイツ 8月IFO企業景況感指数
- 22:00 アメリカ 6月住宅価格指数
- 22:00 アメリカ 4-6月期四半期住宅価格指数
- 23:00 アメリカ 7月新築住宅販売件数
- 23:00 アメリカ 8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
- 8月26日(水)
- 08:50 日本 7月企業向けサービス価格指数
- 21:30 アメリカ 7月個人所得
- 21:30 アメリカ 7月個人消費支出(PCE)
- 21:30 アメリカ 7月個人消費支出(PCEデフレーター)
- 21:30 アメリカ 7月耐久財受注(前月比)
- 21:30 アメリカ 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
- 8月27日(木)
- 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
- 10:30 日本 氷見野副総裁、発言
- 21:30 アメリカ 新規失業保険申請件数
- 8月28日(金)
- 08:30 日本 8月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
- 08:30 日本 7月失業率
- 15:45 フランス 4-6月期国内総生産(GDP、改定値)
- 18:00 ユーロ 8月経済信頼感
- 18:00 ユーロ 8月消費者信頼感(確定値)
- 19:00 日本 外国為替平衡操作の実施状況
- 23:00 アメリカ ウォーシュFRB議長、発言
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
