一方、ユーロ側ではECBの追加利上げ観測が強まっている。ユーロ圏7月消費者物価指数(HICP)は前年比2.9%とECBの2%目標を上回っており、エネルギー価格の上昇を背景に市場では9月会合で0.25%の利上げを予想する向きが多い。すでに織り込んでいる部分が大きいとは言え、ユーロの支えとなる。また、今週発表のドイツ8月ZEW景況感指数は34.2と市場予想の30.0を上回り、7月の26.3から大幅に上昇した。輸出受注やインフラ投資への期待が景況感を押し上げており、ユーロ圏景気に対する過度な悲観論を後退させる材料となった。
もっとも、ユーロの上値を追うには注意も必要である。中東情勢の緊迫化により原油価格が高止まりしており、エネルギー輸入への依存度が高いユーロ圏では、インフレ上昇と同時に企業や家計の負担増加を通じて景気を圧迫する可能性がある。ECBも中東情勢、ホルムズ海峡の閉鎖、原油価格の変動が成長とインフレ双方に与える影響を大きな不確実性としている。
目先は1.16ドル台を維持できるかが焦点となる。米国側で追加の弱い材料が出れば5月中旬以来の1.17ドル回復も想定されるが、中東情勢や米長期金利の動向次第では利益確定売りにも注意したい。
・想定レンジ上限
ユーロドルは5月14日高値1.1722ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.1598ドル。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
