
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年8月20日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田 卓也
目次
▼19日(水)の為替相場
(1):RBA副総裁「インフレは高すぎる」
(2):英CPI 伸びが加速
(3):米財務省 バイバック上限拡大を発表
(4):FOMC議事録公表
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開を予想/ ▼注目の経済指標・イベント
19日(水)の為替相場

期間:19日(水)午前6時10分~20日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA副総裁「インフレは高すぎる」
豪中銀(RBA)のハウザー副総裁は「インフレは高すぎる」として、「インフレ率が低下しなければ、追加利上げが必要になるだろう」との見解を示した。
(2):英CPI 伸びが加速
英7月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.9%と市場予想通りに、前月(+2.6%)から伸びが加速した。食品やエネルギーなどを除いたコアCPIは+2.6%と予想(+2.5%)を上回り、前月と同じ伸び率だった。英中銀(BOE)が重視するサービスCPIは+3.4%と予想通りに、前月(+3.6%)から伸びが鈍化した。ヒーリー英財務相はこの結果を受けて、「イラン戦争に起因するインフレが引き続き国内の物価に影響を及ぼしているが、英経済は底堅い」と述べた。
(3):米財務省 バイバック上限拡大を発表
米財務省は10-30年物の米国債の買い入れ消却(バイバック)について「流動性支援のため、9月9日から1回あたりの上限額を現行の20億ドルの2倍となる40億ドルに引き上げる」と発表した。発表を受けて、米国債利回りが急低下すると、ドルが全般的に売られ、ドル/円は急落した。クロス円は発表直後にはドル/円の下落に連れたものの、その後はストレートドルが上昇したことで下げ幅を縮小した。
(4):FOMC議事録公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は7月28-29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表。「参加者の大多数は、関税や年前半のエネルギー価格上昇の影響が薄れるにつれて、年内はインフレが鈍化するだろうと予想した」としたうえで、「多くの参加者が、インフレ率が低下しなければ、政策の引き締めが必要になる可能性が高いと評価した」と記した。またウォーシュFRB議長が現在、年間8回の会合を「約2カ月ごとの年間6回にすることで、現在の慣行よりも会合間の情報蓄積が進み、政策立案者とスタッフが戦略的な金融政策問題を検討する時間が増えるだろう」と述べたことが明らかになった。ただ、「会合スケジュールの変更に関する決定はなされず、議長は、いかなる変更も2026年残りの期間のスケジュールには影響しないだろうと述べた」と記されていた。
19日(水)の株・債券・商品市場
日経平均: 65326.42 ▼2,134.31
豪ASX: 9053.774 ▼16.261
上海総合: 3894.422 ▼95.882
英FT: 10743.35 △15.31
独DAX: 26091.33 ▼37.03
NYダウ: 53463.05 △119.65
日10年債: 2.902 ▼0.058
豪10年債: 5.0570 ▼0.0405
英10年債: 5.044 ▼0.036
独10年債: 3.262 △0.003
米2年債: 4.1623 ▼0.0086
米10年債: 4.6466 ▼0.0575
NY原油: 85.83 △0.89
NY金: 4545.30 △124.70
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 157.100 ~ 158.900
ユーロ/円: 183.800 ~ 185.400
ポンド/円: 214.200 ~ 216.100
豪ドル/円: 112.200 ~ 113.100
ドル/円の見通し:上値の重い展開を予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.9%下落。米財務省が長期国債の買い入れ消却(バイバック)の上限を少なくとも2倍に引き上げると発表したことで、長めの米国債利回りが急低下するとともにドルが急落した。本日早朝には、先週10日以来の158.03円前後までドル安・円高に振れる場面もあった。米財務省によるバイバックについては、取引量が減少した古い米国債を買い入れることで国債市場全体の流動性を支えるのが本来の目的だが、今回の増額はこのところ上昇が鮮明だった超長期金利の押し下げを狙ったものと見られる。もっとも、バイバックの増額はあくまでも「対症療法」であり、これまで米債利回りを押し上げてきたイラン戦争に伴うエネルギー価格の上昇や財政拡張をめぐる不透明感などの改善につながる「原因療法」ではない。その意味では、為替介入と同様に時間稼ぎの措置に過ぎないとも言えるだろう。ドル/円は当面、上値の重い展開が予想されるが、157円台に差し込んで下値を探る動きとなるかは、米債利回りの低下が続くかどうか次第であろう。米債利回りへの影響という観点からは、イラン情勢を睨んだ原油価格の動向にも注目だ。
注目の経済指標・イベント
08/20 (木)
10:30 〇 (豪) 7月新規雇用者数
10:30 〇 (豪) 7月失業率
21:30 〇 (米) 新規失業保険申請件数
21:30 (米) デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
24:10 (米) ムサレム・セントルイス連銀総裁講演
08/20 (木)
08:30 〇 (日) 7月全国消費者物価指数
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。
