
作成日時:2026年8月18日11時30分
想定期間:2026年8月18日~8月25日
8月18〜25日のトルコリラ/円は、3.25〜3.36円のレンジで低位もみ合い、方向感は出にくい週と見ています。上抜け条件は3.36円。下抜けは3.25円が焦点。40%近い実効金利と外貨準備の回復を重く見れば下値は堅いと見ることができる一方、政策金利への「正常化」や原油価格の上昇、日銀の追加利上げ観測を重く見れば戻りは限られると、見方が割れやすい局面です。
判断を分けるのは、①トルコ中央銀行(TCMB)の資金供給オペがいつ変わるか、②原油高がインフレ見通しをどこまで押し上げるか、③8月21日の全国消費者物価指数(CPI)が円相場をどちらへ振らせるか、の3点とみています。ご自身がこの3つのどれを最も重く見るか、意識しながら読み進めていただければと思います。
今後1週間の予想レンジ:3.25〜3.36円
トルコリラの下値を支える実効金利と外貨準備
トルコリラが急落しにくい最大の理由は、40%近い実効金利にあります。TCMBの政策金利は37%ですが、1週間物レポ入札を停止し、より金利の高い翌日物で資金を供給しているため、市場の資金調達金利は40%近辺で推移しています。このように高金利通貨としての魅力を保つことで、トルコリラ売りや資金流出を抑え、通貨当局はトルコリラを支えています。
加えて、外貨準備の回復やトルコリラ建て預金への資金回帰も進んでいます。これらはトルコリラを大きく押し上げる材料というより、相場が不安定になった際の耐久力が以前より高まっていると捉えるのが実態に近いですが、急落を防ぐ支えとなっています。
トルコリラの上値を抑える二つの要因|政策正常化と原油高
40%から37%へ──政策金利「正常化」へ
しかし、その前提が一部変わりつつある点は注意が必要です。カラハン総裁は、8月13日、停止している「1週間物レポ入札への復帰を検討している」と説明しました。再開されれば、40%近辺にある実効的な資金調達金利は政策金利の37%方向へ低下します。政策金利そのものを引き下げる利下げではないものの、実質的には金融環境を緩める方向の変化です。総裁は具体的な時期を示していませんが、欧州系の金融機関も、従来は9月ごろとみていた正常化について、総裁発言を受けて8月中に実施される可能性が高まったとしています。
トルコの金融政策が「さらに引き締める段階」から「慎重に正常化を探る段階」へ移りつつあることは、リラの積極的な反発を期待しにくくする材料といえます。
原油価格の上昇はインフレと経常収支を通じて上値を抑える
金利面の支えが薄れる可能性に加え、もう一つの重しが原油価格の上昇です。ブレント原油は8月17日に1バレル=90.87ドルで取引を終え、18日には一時91ドル台へ上昇しました。米国とイランの協議停滞やホルムズ海峡の通航減少といった地政学リスクが相場を押し上げています。
エネルギー輸入国であるトルコにとって、原油高は輸入物価を押し上げ、インフレ率や経常収支の悪化要因となります。TCMBもエネルギー価格上昇を背景に、2026年末のインフレ見通しを26%から28%へ引き上げました。原油高は大幅な利下げを難しくするため、高金利が長く続くという意味ではトルコリラを支える面もあります。ただ、インフレと経常収支への負担まで含めれば、原油高そのものをトルコリラ買い材料と読むのは難しいところです。これらの要因が重なって、トルコリラの緩やかに水準を切り下げる微妙な動きを作っています。
日銀の利上げ観測と円高がトルコリラ/円に与える影響
ここまではトルコ側の話です。トルコリラ/円では、もう一方の通貨である円の動きが効いてきます。市場では日銀が9月にも追加利上げへ動くとの見方が強まっており、日本の10年国債利回りは8月18日に一時2.945%と約30年ぶりの高水準まで上昇しました。
注目したいのは8月21日の7月全国CPIです。生鮮食品を除くコアCPIは前年比+1.8%と、6月の+1.6%から伸びが加速すると予想されています。上振れれば日銀の9月利上げ観測を補強し、円高を通じてトルコリラ/円を押し下げる可能性があります。逆にCPIが弱く円高が一服すれば、自律反発の余地が出てくる場面とみられます。
トルコリラ/円のテクニカル分析|移動平均線とRSIが示すサポート・レジスタンス

日足のトルコリラ/円は、7月末に3.225円まで急落した後、3.30円台へ戻しています。ただ、現在値は25日移動平均線3.37円、50日移動平均線3.41円をともに下回り、トレンドは下向きのままです。14日RSIは33.1と売られ過ぎの目安30に近く自律反発の余地はありますが、上昇トレンドへの転換というより、急落後の下げがいったん落ち着いた段階と読むのが自然でしょう。
上値のレジスタンスは3.34円前後、その上が3.36〜3.37円です。3.37円付近は25日線とフィボナッチ61.8%戻しが重なる水準で、ここを突破できなければ戻りは限定的とみます。超えれば50日線の3.41円が次の目安。下値のサポートは3.30円、次いで3.25円で、3.25円を割り込むと直近安値3.225円が再び意識されそうです。テクニカル面からも、3.25〜3.36円を中心とした低位もみ合いのなかで、やや下方向を警戒する形といえます。
トルコリラ/円のシナリオの組み立て方
メインシナリオは、3.25〜3.36円のレンジ内で低位もみ合いながら、じり安に傾く展開です。高金利と外貨準備が下値を支える一方、正常化・原油高・円高が上値を抑えるという綱引きで、どちらかに大きく振れる材料が今週中に出そろうとは見ていません。
すでにポジションをお持ちの場合、見るべき水準は立場によって変わってきます。スワップ狙いの買い持ちであれば、高金利そのものは維持されているものの、実効金利が40%から37%へ近づく局面では前提が変わりうる点をどう扱うか。3.25円割れを「押し目」と見るか「シナリオ変更の合図」と見るかを、先に決めておく整理の仕方もあります。
戻り売り目線であれば、RSI33.1という水準は自律反発の余地を示しており、3.34〜3.37円での戻りが想定より強く出た場合の対応を用意しておく、という考え方ができそうです。いずれも一つの見方であり、最終的にはご自身の相場観に合わせて組み立て行くことになります。
【あなたの見通しは?】
今後1週間のトルコリラ/円は、どのゾーンを中心に動くとお考えですか。
A:3.34〜3.36円(戻りを試す)──40%近い実効金利と外貨準備の回復という下支えを重く見る立場。14日RSI33.1が示す自律反発の余地に加え、21日の全国CPIが下振れて円高が一服すれば、25日移動平均線3.37円の手前までは戻りを試す余地があるとみる。
B:3.30〜3.34円(綱引きが続く)──高金利の支えと、政策金利への正常化・原油高・円高という重しが拮抗したまま、今週は決着がつかないとみる立場。TCMBの1週間物レポ入札の再開時期も明示されておらず、方向感の出にくい中心域で推移するという見方。
C:3.25〜3.30円(下値を探る)──実効金利が37%方向へ低下する見通しと原油高の重し、そしてCPI上振れによる円高リスクを重く見る立場。3.30円のサポートを割り込めば3.25円、さらに下抜ければ直近安値3.225円が意識されるとみる。
トルコリラ/円の注文情報
| Sell | Rate | Buy |
|---|---|---|
| ■■■ | 4.30 | □ |
| ■■■■■■■■■ | 4.20 | □ |
| ■■■■■■■ | 4.10 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 4.00 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.90 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.80 | □ |
| ■■■■■■■■■ | 3.70 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.60 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.50 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.40 | □ |
| 3.30 | ||
| □□□□□□□□□□ | 3.20 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 3.10 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 3.00 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 2.90 | ■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 2.80 | ■■■■ |
| □□□ | 2.70 | ■■ |
| □ | 2.60 | ■■ |
| □□□□□ | 2.50 | ■■ |
| □□ | 2.40 | ■ |
| □ | 2.30 | ■ |
本データは10分おきに再集計され、その約5分後に表示されます。
背景が水色の行は現在レートの位置を表しています。
今後の重要イベント
- 8月18日(火) 22:15 米国 7月鉱工業生産
- 8月19日(水) 27:00 米国 FOMC議事要旨(7月28〜29日会合)
- 8月21日(金) 08:30 日本 7月全国消費者物価指数(CPI)
- 8月24日(月) 16:00 トルコ 8月セクター別インフレ期待※
※セクター別インフレ期待は、トルコ中銀が市場参加者・企業・家計を対象に、12カ月先のインフレ率予想を調査したものです。インフレ心理が改善しているかを確認する材料になります。
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