
豪ドル円は112円台後半まで上昇し、8月初旬の安値からの反発が続いている。RBAは11日の理事会で政策金利を4.35%に据え置いたものの、追加利上げの可能性を残したことが豪ドルの支えとなっている。目先は112.50〜112.60円を上抜けられるかが焦点で、12日夜の米7月消費者物価指数(CPI)が次の方向を決めそうだ。
⚫️予想レンジ:111.30〜113.80円
豪ドル円は109円台から急反発

7月末から8月初旬にかけての急落は、日米当局による円買い介入が引き金だった。ドル/円が急落する過程で豪ドル円も売られ、109.24円まで水準を切り下げた。
ただ、その後は安値を切り上げる展開となり、110円台、111円台と回復。12日には112円台後半まで上昇した。
ここから重要になるのが112.50〜112.60円だ。足元ではこの水準で上昇がいったん止まっており、明確に上抜ければ113円台へ戻す余地が広がる。
反発が一服した場合は、直近の上昇過程で下値を支えた111.40〜111.50円が最初の目安となる。ここを割り込めば、111.00円前後まで調整が広がりやすい。
109.24円を起点とした上昇基調は崩れていない。豪ドル円は「急落後の戻り」から「もう一段上昇できるか」を試す段階へ移りつつある。
RBAは2会合連続で据え置き|追加利上げの可能性は残る
RBAは8月10〜11日の理事会で、政策金利を4.35%に据え置くことを決めた。据え置きは6月会合に続き2会合連続となる。
背景にあるのは物価上昇の鈍化だ。6月の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.8%と5月の+4.0%から伸びが縮小し、基調的な動きを示すトリム平均は+3.6%と横ばいだった。

インフレ率は依然としてRBAの目標を上回るものの、追加利上げを急ぐほどの上振れは確認されなかった。住宅市場の調整や景気の減速など、これまでの引き締めの影響も実体経済に広がっている。
それでも声明のトーンは緩まなかった。RBAはインフレが依然高すぎるとの認識を維持し、上振れリスクが現実化すれば政策金利をさらに引き上げる方針を示した。
ブロック総裁も会見で、理事会では利下げを議論しなかったと述べ、必要であれば追加利上げに動く姿勢を明らかにした。金融緩和への転換を急いでいないことが、改めて確認された形だ。
市場が警戒していた「利上げ打ち止め」のサインが示されなかったことは、豪ドルの下支え材料となる。
最大の注目材料は米7月CPI
RBA会合を通過し、豪ドル円の焦点は米金利とドル/円へ移りつつある。12日21時30分に発表される米7月消費者物価指数(CPI)が、目先の注目材料となる。
市場予想は総合CPIが前年比+3.4%、コアCPIが+2.5%で、いずれも前月の+3.5%、+2.6%から鈍化する見込みだ。結果次第で、FRBが9月会合で利上げに動くとの見方は大きく振れやすい。
上振れした場合
追加利上げ観測が強まり、米長期金利の上昇とドル高が進みやすい。豪ドルは対米ドルで上値を抑えられる一方、ドル/円の上昇はクロス円の追い風となる。
ドル/円の上昇が豪ドル/米ドルの下落を上回れば、豪ドル円は112.50〜112.60円を上抜け、113円台へ進む展開が想定される。
下振れした場合
米利上げ観測が後退し、ドル売りが優勢となる。豪ドルには対米ドルで追い風となる半面、ドル/円の下落によりクロス円は上値の重い展開となりやすい。
豪ドル円の見通し|米CPI次第で113円台突入も

RBAが追加利上げの可能性を残すなか、日本と豪州の政策金利差は依然として大きい。豪10年債利回りも5%前後で推移しており、金利差を背景としたキャリートレード需要は豪ドル円の支えとなりやすい。
上値のポイント
まず注目したいのは112.50〜112.60円だ。
終値ベースで明確に上抜ければ、次は113.00円台が視野に入る。上昇が続けば113円台後半、さらに7月高値の114.66円が中期的な上値目標となる。
ただし114円台まではまだ距離がある。まずは112.60円を突破し、113円台へ乗せられるかを確認したい。
下値のポイント
112.50円前後で上値を抑えられた場合は、111.40〜111.50円が最初の下値メドとなる。
ここを割り込めば111.00円前後まで調整が広がり、109.24円から続く安値切り上げの勢いも鈍る。
さらに警戒したいのが、円安が再び加速した場合の追加介入だ。7月末から8月初旬のように当局が動けば、豪州側の材料に関係なく豪ドル円は急落しかねない。
中国の景気悪化や、原油をはじめとするコモディティ価格の下落にも注意が必要だ。資源国通貨である豪ドルの上値を抑える要因となる。
総じて、RBAが利下げを急がず追加利上げの可能性を残していることは、豪ドル円のサポート材料といえる。
ただし現在値はすでに112.50円前後まで戻しており、押し目買いが入りやすい局面とは言いにくい。むしろ112.50〜112.60円の壁を突破できるかを見極める局面だ。突破できれば113円台へ、失速して111.40円を割り込めば111円前後への調整へ。目先の方向は、この2つの水準で見極めたい。
