今週に入り米長期金利は振幅の激しい動きを繰り返しているものの、ユーロドルは10日の値幅は27pips、昨日11日も19pipsと、実際の取引レンジは極めて狭い。米長期金利の動きに対する市場の反応が鈍い背景には、米経済指標の結果が不安定なことに加え、米連邦準備理事会(FRB)への信頼性が低下し、米国債が金融政策だけではなくFRBに対する評価を含めて売買されていることがある。
そうした中、本日は米国から7月の消費者物価指数(CPI)が発表されるため、結果次第では市場のこう着感が一気に崩れる可能性がある。先週末の米雇用統計が低調だったこともあり、CPIも市場予想を下回れば利上げ期待が後退し、米金利低下を通じてドル売り・ユーロ買いが強まりやすい。一方、CPIが予想を上回れば、米金利上昇を背景にドル買い・ユーロ売りが進む展開が想定される。
ただ、上述の通り、現在の米債市場は金融政策だけを材料に動いているわけではない。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のウォーシュFRB議長の会見に加え、その後のベッセント米財務長官による「Fedウォッチャー」批判などもあり、FRBに対する市場の信頼感は低下している。そのため、CPIが下振れして米金利が低下したとしても、先週の雇用統計後のように米債買い(金利低下)が長続きせず、早い段階で巻き戻される可能性もある。逆にCPIが上振れれば、金融政策への懸念とFRBへの信頼性低下が重なり、米債市場が不安定な反応を示す可能性にも注意が必要だ。
なお、本日はドイツからも7月のCPIが発表されるが、改定値であるため、ユーロ相場への影響は限定的となるだろう。
・想定レンジ上限
ユーロドル:7日高値1.1581ドル、上抜ければ200日移動平均線1.1630ドル
・想定レンジ下限
ユーロドル:3日安値1.1500ドル、割り込めば日足一目均衡表・雲下限1.1449ドル
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
