※ライブ配信終了後は、録画動画に切り替わります。
<概況(8/7)>
・ドル円は昨日158円台へ上抜け、本日は158円40銭台で推移。7月末以降の下落局面からの戻りが加速
・焦点は今夜の米7月雇用統計と、追加の円買い介入警戒感の綱引き
・直近の介入(今週初)からちょうど1週間。GW前の介入は4月30日・5月4日・5月6日と約1週間のスパンで実施されており、「まだ警戒は残る」
<振り返り(前日の材料)>
・米新規失業保険申請:19.9万件(予想20.5万件)と3週連続で20万件割れ。4週平均も19.9万件と2022年9月以来の低水準
・チャレンジャー人員削減数(7月):3.34万人(前月4.58万人、約27%減)。→ 7月の米労働市場が急に悪化した可能性は低いとの見方
・中東情勢が再緊迫米7月ADP雇用者数イランメディアが、ホルムズ海峡の管理を巡るオマーン仲介の合意案で米・イスラエル船舶の通航を禁止し、敵対国には海峡利用を認める前に賠償を求める構えと報道。原油は77ドル台へ反発、米長期金利上昇、米株(ダウ)は下落
・FTのスクープ相次ぐ:①FRBが9月に利上げの可能性、ただし「今後数週間の指標でインフレ加速が確認されること」が条件(ウォーシュ議長の考えに近い関係者の話)。②ECBは米国のユーロ売り介入を事後に知った/ラガルドECB総裁とベッセント米財務長官が1日に介入について協議
<見通し(今日のポイント)>
・米雇用統計が強い結果→ FRBの9月利上げ観測が高まりドル買い加速、159円台トライも。 弱い結果→ 9月利上げ観測後退でドル売り、158円台割れの可能性
・弱い結果→ 9月利上げ観測後退でドル売り、158円台割れの可能性
・米9月利上げの織り込みが約6割、日銀9月利上げの織り込みも5〜6割とほぼ互角のガチンコ勝負。どちらにも動く余地があり、上下に振れやすい
・介入について:これまでの介入は「FOMC後にドルが下がった局面」で実施されており、イラン情勢でドル調達ニーズが強い今、雇用統計でドル買いが進んだところにあえて介入する可能性はやや微妙。逆に弱い数字なら157円台まで戻るため、そこで追撃するかも疑問。来週12日のCPIを見てからという展開もあり得る
<介入余力の話>
・日本の外貨準備は7月末で約1兆2,800億ドル(約180兆円)だが、金やIMFリザーブポジションを除く実際に使えるのは160兆円程度。GW以降で既に10数兆円を使用しており、「世界一」と言われた水準から目減りしつつある。全額はもちろん半分も現実的には使えない
・米国側の追加協調介入は困難。「強いドル政策」との整合性からドル売りはできず、保有するユーロもほぼない状態
・ベッセント長官が言及したFIMAレポ(米国債を担保にドルを融通する制度)は、外貨準備を増やすものではなく、期日(主に1週間)にはドルを買い戻して返す必要があるため、介入余力の強化にはならない。米金利上昇を避けたい米国側の都合、というのが実際のところ
<結論>
・今日の主役は米7月雇用統計。 米9月利上げ織り込み約6割、日銀9月利上げ織り込み5〜6割と互角で、上下どちらにも振れる余地がある「面白い勝負」
・数字は強めに出る可能性がやや高い。 新規失業保険申請の減少などから労働市場の悪化は考えにくく、「賭けるなら上」。ただし不透明なら見送りが無難
・注目は平均時給。 ここが上振れすればサービスインフレ加速→CPIを待たずに利上げ論が強まる展開もあり得る
・介入警戒は残るが、ドル買い局面での実施は考えにくい。 外貨準備の目減りと米国の協調余地の乏しさから、追加介入のハードルは上昇。市場では「160円超えが一つの目安」との見方
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
