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金(ゴールド)週間見通し|4,198ドル突破でトレンド転換なのか...4,310ドルの攻防と米雇用統計・CPI 2026年8月6日

 

金相場見通し、4,198ドルの壁を突破、原油安が変えた景色(2026年8月6日)

作成日時:2026年8月6日 12:00

予想期間:2026年8月6日〜8月13日

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

8月6日から8月13日の金スポット(XAU/USD)は、直近の急騰を下降トレンドからの転換の初動とみるか、原油安に伴う一時的な買い戻しとみるかで、プロの間でも評価が割れています。前週に上方向へ修正する条件として挙げていた50日移動平均線4,198ドルの上抜けは、実際に達成されました。それでも「これで上昇トレンド入り」と言い切れないのは、上昇のきっかけが金そのものの需給ではなく、原油安を経由した米インフレ懸念の後退にあるためです。

ベースシナリオは、4,200ドル台を中心に、上値の重さと下値の堅さを両方確認していく展開とみています。判断軸は2つ。原油安によるインフレ懸念の後退が続くか、ご自身がどれを最も重く見るかを確かめながら読み進めてみてください。

今後1週間の予想レンジ:4,100~4,400ドル

金相場の振り返り|原油急落がインフレ懸念を後退させ、金を押し上げた

ホルムズ海峡の再開期待が原油を崩し、米金利低下が金を支えた

今週の値動きは、中東情勢の緩和期待が起点となりました。8月3日には対イラン攻撃見送りの観測から原油が急落したものの、米雇用統計を控えた様子見も重なり、金は4,090ドル台で小動きにとどまっています。流れが変わったのは8月4日です。米国やカタールの当局者による発言を受け、米・イラン間の緊張緩和とホルムズ海峡の通航改善への期待が高まりました。原油は5%を超えて下落し、インフレ懸念の後退を通じて米金利も低下。金スポットは4,100ドル付近まで値を戻しました。

その後、上昇は加速しました。5日には米長期金利とドルの低下を受けて4%を超えて急騰し、一時4,264ドル台へ上昇。6日の東京時間には4,300ドル付近まで水準を切り上げています。前週のレポートでは「原油高に米長期金利とドルがどう反応するか」を分岐点として挙げましたが、今回はこの構図が逆回転で効いた格好です。原油安がインフレ期待を押し下げ、追加利上げ観測の後退を通じて、利息を生まない金の相対的な魅力を高めたとみられます。

「地政学リスクの後退で金高」という一見ねじれた動き

有事の緩和は本来、安全資産である金にとって逆風のはずです。それでも金が上昇したのは、現在の相場が地政学リスクそのものより、そこから派生する米金利の動きに反応しているためと考えられます。この視点は、協議が頓挫した局面でも同じように使えます。原油が反発すればインフレ懸念が再燃し、米金利上昇を通じて金の上値を抑える可能性がある——という具合です。

8月7日の米雇用統計と8月12日の米CPIの金への影響をどう読むか

その4,310ドルの攻防を左右するのが、今週の米経済指標です。8月7日発表の7月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が8万人程度、失業率は4.2%前後が市場予想の中心となっています。

ここで押さえておきたいのは、金にとっての強弱が数字の強弱と一致しないことです。雇用が弱ければ追加利上げ観測が後退して金の支援材料となる一方、景気後退懸念からリスク資産全般が売られる局面では、金も換金売りに巻き込まれる可能性があります。逆に雇用が強くても、原油安によってインフレ懸念が抑えられていれば、米金利の上昇は限定的にとどまるかもしれません。結果そのものより、発表後の米長期金利とドルの向きを確認する姿勢が有効とみられます。

8月12日のCPIでは、直近の原油急落が直接反映されるわけではありません。発表されるのは7月分であり、今回の原油安が始まる前の物価圧力を確認する指標です。7月CPIが強ければ、足元の原油安だけではインフレ警戒を解消できないとの見方が強まり、米金利が反発する可能性があります。一方、CPIも落ち着けば、原油安による先行きのインフレ懸念後退が補強されます。

金スポットのテクニカル分析|移動平均線と14日RSIで見る4,310ドルの攻防

ここまでの材料が、チャート上のどこに表れるのかを確認します。

金スポットテクニカル分析 2026年6月 移動平均線/14日RSI

金スポット 日足/25日・75日・100日移動平均線/14日RSI14日 外為どっとコム「CFDネクスト」

日足の移動平均線は、25日線が4,085ドル付近、75日線が4,303ドル付近、100日線が4,393ドル付近に位置しています。価格は25日線を大きく上回り、過去最高値から続いてきた下降トレンドラインも上抜けた形です。短期的な地合いの改善は明らかですが、75日線と100日線がなお上値に控えており、中期の下降基調が完全に転換したとまでは判断しにくい状況とみられます。

14日相対力指数(RSI)は71.0と、一般に買われ過ぎとされる70を上抜けました。過熱感は否めないものの、トレンドが発生した局面ではRSIが高い水準に張り付くこともあり、これだけを理由に反落を織り込むのは早計でしょう。

分岐点は4,310ドル付近です。75日移動平均線4,303ドルに加え、52週移動平均線や年初の始値水準も近接しているとみられ、複数の節目が重なる帯にあたります。ここを日足終値で上抜けて定着できるかが、上側ゾーンへ進めるかどうかの試金石になりそうです。

プロの視点と、ご自身のシナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、4,200~4,310ドルを中心とした、急騰後の水準固めです。原油安によるインフレ懸念の後退という支援材料は当面続きやすい一方、RSIの過熱感と75日線の存在が上値を抑えやすいとみているためです。

上方向へ修正する条件は、4,310ドル付近を日足終値で上抜けて定着し、かつ欧米の金ETFへの資金流入再開が確認される場合です。この場合は100日移動平均線4,393ドルから4,400ドル台が視野に入ります。

下方向へ修正する条件は、米雇用統計やCPIの上振れで追加利上げ警戒が再燃する場合、あるいはホルムズ海峡をめぐる協議が頓挫して原油が反発し、米金利上昇を招く場合です。4,200ドルを終値で割り込むようなら、4,100ドル台への調整、さらに25日移動平均線4,085ドル付近までの押しを想定します。

すでにポジションをお持ちの方が確認したい水準

すでに買い持ちの方にとっては、4,310ドルを超えられるかが利益を伸ばせるかどうかの目安となり、超えられないまま日柄が経過するようなら、いったん様子を見る判断もあり得ます。売り持ちの方は、4,198ドルの壁が突破された事実は重く、まずは4,200ドル台を維持できなくなる場面を待つ形になりそうです。いずれの立場でも、原油と米長期金利の動きを先に確認してから金を判断するという順番を守れば、方針の切り替え時期は見極めやすくなるのではないでしょうか。

【あなたの見通しは?】金価格の3択シナリオ

A.4,310~4,400ドルを試す(上昇シナリオ)

B.4,200~4,310ドルで水準固め(メインシナリオ)

C.4,100~4,200ドルへ押し戻される(下落シナリオ)

今後の重要イベント|米雇用統計と米CPIが方向を決める

  • 8月7日(金) 21:30 米国 7月雇用統計
  • 8月10日(月) 08:50 日本 日銀会合の主な意見(7月会合)
  • 8月12日(水) 21:30 米国 7月消費者物価指数
  • 8月13日(木) 21:30 米国 7月生産者物価指数/新規失業保険申請件数

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