市場では、米財務長官のベッセント氏が「米国は日本の円相場安定化を全面的に支援する」との姿勢を改めて示し、日米協調による円買い介入への警戒感が根強く残っていまする。また、日銀の植田総裁についても「必要な対応を講じると確信している」と発言しており、早期の追加利上げへの思惑も払しょくされていない。こうした発言を受け、ドル円の上値では円買い・ドル売りが入りやすい。
一方で、高市首相が日銀に対し国債買い入れの拡大を要請したことは、長期金利の上昇抑制や景気下支えを意識したものと受け止められている。市場では日銀の追加利上げ観測をやや後退させる材料との見方もあり、円買い圧力を一定程度和らげる可能性がある。ただ、政府による円安是正姿勢と金融緩和を求める政治的な動きが交錯しており、日本の金融政策を巡る見方は依然として定まりにくい。
米国とイランの協議進展への期待から中東の地政学リスクがやや後退し、原油価格は落ち着きを取り戻している。これを受けて米長期金利には低下圧力がかかり、ドルの上値を抑える要因となっている。一方で、リスク選好の改善は円の安全資産としての買い需要を弱める可能性もあり、ドル円への影響は一方向に傾きにくい。
本日の注目材料は、7月ADP雇用統計と7月ISM非製造業景況指数である。ADP雇用者数が市場予想を上回り、ISM非製造業指数でも雇用指数や価格指数が堅調な内容となれば、米景気の底堅さが改めて意識されそうだ。反対に、両指標とも弱い結果となれば、週末の米雇用統計への警戒感が一段と強まり、米長期金利の低下とともにドル売り・円買いが強まる展開も考えられる。
もっとも、市場の最大の焦点は依然として週末の米雇用統計であり、本日の経済指標で一時的にドル円が上下に振れても、積極的なポジション構築は限られやすく、NY市場では介入警戒感と米雇用関連指標をにらみながら、方向感を探る展開が続くと予想される。
・想定レンジ上限
ドル円、200日移動平均線158.04円近辺や日足一目均衡表・雲の下限158.94円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、4日安値157.18円や節目の155.00円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
