
豪ドル円は7月下旬の114円台から急落し、8月4日朝は110.20円前後で推移している。
7月30日に日本政府・日銀が円買い介入を実施したとみられ、翌31日には米財務省も円買いに動いた。日米協調介入によって円高が進み、豪ドル円を含むクロス円には強い下押し圧力がかかっている。
その後は110円台を回復しているものの、追加介入への警戒感から上値の重い展開が続いている。
⚫️予想レンジ:108.80~112.00円
豪ドル円は114円台から109円台へ急落
前週の豪ドル円は114.55円前後で取引を開始し、一時114.66円前後まで上昇した。
しかし、ブロック豪準備銀行(RBA)総裁の発言が、追加利上げの前倒しに慎重な内容と受け止められたほか、豪4-6月期消費者物価指数(CPI)のトリム平均値も警戒されていたほど加速しなかった。
このため、RBAの早期追加利上げ観測が後退し、豪ドル円は113円台前半まで下落した。

その後、7月30日の円買い介入を受けて110.91円前後まで急落した。さらに、8月3日にも日本政府・日銀が介入した模様で、ドル円は157円台後半から155円台前半へ下落した。豪ドル円も円買い介入の影響を受け、一時109円台まで下落した。
日米協調介入でドル円相場の流れが一変
今回の相場で最大の焦点は、日本単独ではなく米国も円買いに参加した点である。
米国側では、ニューヨーク連銀が米財務省の代理としてユーロを売り、円を買ったと報じられた。ドル円だけでなく、円相場全体の下落を抑える姿勢が示されたことで、豪ドル円やユーロ円などのクロス円にも介入の影響が広がった。
米財務長官は、円相場が再び無秩序に動いた場合、日米協調介入を繰り返す用意があるとの姿勢を示している。
ドル円が158円から160円方向へ戻る場面では、追加介入への警戒が強まり、豪ドル円も上値を抑えられやすい。
一方、介入だけで相場の流れを長期的に変えるのは難しいとの見方もある。金利差や日本の低い実質金利が意識されれば、介入一巡後に豪ドル円が買い戻される可能性もある。
豪インフレ鈍化で早期利上げ観測は後退
豪4-6月期のインフレ率は、エネルギー価格の下落などを背景に鈍化した。6月の月次インフレ率も低下基調となり、RBAが早期に追加利上げへ動くとの見方は後退している。
ただし、医療や教育、住宅などのサービス価格には根強い上昇圧力が残っている。雇用環境も底堅く、RBAがインフレ警戒姿勢を緩める状況ではないと考えられる。
短期的には豪ドルの上値が重くなりやすいものの、今後の物価や雇用指標が強ければ、追加利上げ観測が再び高まる可能性がある。
輸入物価上昇は豪ドルの支援材料
2026年4-6月期の豪輸入物価指数は、石油関連製品などの値上がりを背景に前期比5.7%上昇した。

輸入コストの上昇が消費者物価へ波及すれば、インフレ率が再び高まる可能性がある。中長期的には、RBAの追加利上げ観測を高め、豪ドルの上昇要因となり得る。
豪家計消費支出と中国指標に注目
8月4日には豪6月家計消費支出が発表される。
個人消費の底堅さが確認されれば豪ドルのサポート材料となる一方、弱い結果となれば追加利上げ観測が後退し、豪ドルの上値を抑える可能性がある。
今週は豪6月貿易収支や中国7月貿易収支も予定されている。中国は豪州にとって最大の輸出相手国であるため、中国の景気や資源需要の動向は豪ドル相場を左右しやすい。
中国の経済指標が市場予想を上回れば豪ドルの買い材料となる一方、弱い結果となれば中国景気への懸念から豪ドル売りが強まる可能性がある。
豪ドル円の見通し:介入警戒で上値の重い展開
豪ドル円は、日米協調介入によって相場環境が大きく変化した。
豪州のインフレ鈍化を受け、短期的にはRBAの早期追加利上げ観測が後退している。また、日米当局による追加介入への警戒感も、豪ドル円の上値を抑えやすい。
一方、輸入物価の上昇が消費者物価へ波及すれば、中長期的に追加利上げ観測が高まり、豪ドルのサポート材料となる。豪家計消費支出や中国の経済指標が強ければ、110円台後半から111円台へ反発する可能性もある。
ただし、ドル円が再び急上昇し、日米当局が追加介入に動いた場合は、豪ドル円が109円割れから108円台へ下落するリスクがある。
当面は、豪州の経済指標に加え、ドル円の値動きと日米当局の発言を確認する必要がある。特に追加介入への警戒が残る間は、豪ドル円の急変動に注意したい。
