
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2026年7月31日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼30日(木)の為替相場
(1):米軍 イランへの報復攻撃開始
(2):独GDP 予想を上回る
(3):BOE 予想通り金利据え置き
(4):独CPI 伸びが加速
(5):米GDP 予想を下回る
(6):円が不自然に急伸
▼外為注文情報/ ▼本日の予想レンジ/ ▼ドル/円の見通し:不安定な値動き/ ▼注目の経済指標・イベント
30日(木)の為替相場

期間:30日(木)午前6時10分~31日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):米軍 イランへの報復攻撃開始
米中央軍は、イランがヨルダンの米軍基地に対する弾道ミサイル攻撃を試みたことへの報復として、イランに「大規模な」攻撃を開始したと発表した。
(2):独GDP 予想を上回る
独4-6月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比+0.2%と市場予想(+0.1%)を上回った。中東紛争を受けた物価上昇にもかかわらず、輸出が成長をけん引した。また、1-3月期GDPは+0.3%から+0.4%へ上方修正された。その後に発表されたユーロ圏4-6月期GDP・速報値も前期比+0.4%と市場予想(+0.2%)を上回り、1-3月期は-0.2%から±0.0%へ上方修正された。
(3):BOE 予想通り金利据え置き
英中銀(BOE)は予想通りに政策金利を3.75%に据え置いた。同時に発表した金融政策委員会(MPC)議事録で9人の委員のうち3人が4.00%への利上げを主張して反対票を投じたことが判明。「高止まりするインフレを抑えるため、MPCは必要に応じて行動する」とあらためて表明した。ベイリー総裁はその後の会見で「(エネルギーコスト上昇の)二次的な波及効果を示す証拠は現時点でほとんどないが、それで安心するには時期尚早だ」とした上で「世界的な環境がより不透明でインフレ的に見える一方、国内の環境はインフレ見通しに関して概ね穏やかで、政策金利の据え置きが適切だ」と述べた。
(4):独CPI 伸びが加速
独7月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+2.8%と予想(+2.7%)を上回る伸びとなり、前月(+2.3%)から加速した。欧州連合(EU)基準の7月CPIは前年比+2.8%で予想通りに伸びが加速した(前月+2.4%)。
(5):米GDP 予想を下回る
米4-6月期GDP・速報値は前期比年率+1.5%と市場予想(+2.0%)を下回った。GDPの7割を占める個人消費は前期比年率+3.2%と堅調だったが、設備投資の減速や政府支出及び純輸出の減少が押し下げ要因となった。同時に発表された米6月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+3.7%と予想に一致。食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターも予想通りの+3.3%だった。いずれも前月(+4.1%、+3.4%)から伸びが鈍化した。また、米新規失業保険申請件数は19.7万件と市場予想(20.0万件)より少なかったが、前週の18.8万件からやや増加した。4週平均の申請件数は20.3万件で前週時点の20.8万件から減少した。
(6):円が不自然に急伸
ロンドンタイムに続いてNYタイムでも円が不自然に急伸。東京タイムに163円台で推移していたドル/円が157.94円まで6円近く下落したほか、クロス円も大幅に下落した。その後、日本経済新聞は「政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に動いたほか、米通貨当局(NY連銀)が介入の前段階である『レートチェック』をしたことが市場関係者の話で分かった」と報じた。また「ドル高が進んでいた4月(から5月にかけて)とは異なり、すでに始まっていたドル安を増幅する形なら、介入効果を高められると判断した可能性がある」と伝えた。
30日(木)の株・債券・商品市場
日経平均: 61867.43 △433.24
豪ASX: 8967.712 ▼70.911
上海総合: 3804.693 ▼23.776
英FT: 10897.27 ▼11.14
独DAX: 25612.03 △151.55
NYダウ: 52208.06 △613.92
日10年債: 2.813 △0.045
豪10年債: 4.9954 △0.0770
英10年債: 4.984 ▼0.052
独10年債: 3.155 ▼0.005
米2年債: 4.2459 ▼0.0267
米10年債: 4.6733 ▼0.0040
NY原油: 83.59 ▼0.87
NY金: 4160.60 △63.60
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円: 158.000 ~ 161.000
ユーロ/円: 182.500 ~ 185.300
ポンド/円: 213.000 ~ 216.500
豪ドル/円: 111.200 ~ 113.000
ドル/円の見通し:不安定な値動き
昨日のドル/円は終値ベースで約2.4%下落。アジア時間は中東情勢の再緊迫化を背景に163円台で底堅く推移したが、欧米時間に入ると、ロンドン市場で1円あまり、NY市場で5円近く急落し5月中旬以来の157.94円前後を付けた。その後、160円近くまで戻す場面も見られたが、再び158円台半ばへ急落した。日本政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を実施し、NY連銀がレートチェックを行ったとの観測が広がった。なお、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標である、米6月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は市場予想通り前年比+3.7%と前月から伸びが鈍化した。 本日は日銀が金融政策決定会合後に政策金利を発表する。前回会合で25bp(0.25%ポイント)の利上げを実施したこともあり、今回は政策金利は1.00%に据え置かれることが確実視されている。そのため、焦点は政策金利と同時に公表される展望レポートと、その後の植田日銀総裁の記者会見となる。物価見通しや景気見通しに変化があるか、追加利上げに前向きな姿勢を維持できるかがポイントとなろう。市場がタカ派的な内容と受け止めれば円買い圧力がかかる一方、慎重な姿勢が示されれば円売り圧力が強まることになる。もっとも、昨日160円手前で再び急落したことを考えると、160円台に乗せれば追加の円買い介入の可能性も排除できないため、不安定な値動きとなりそうだ。
注目の経済指標・イベント
07/31 (金)
- ◎ (日) 日銀金融政策決定会合
- ◎ (日) 日銀展望レポート
10:30 〇 (中) 7月製造業PMI
10:30 〇 (中) 7月非製造業PMI
10:30 (豪) 4-6月期生産者物価指数
15:30 ◎ (日) 植田日銀総裁講演
16:55 (独) 7月失業者数
16:55 (独) 7月失業率
18:00 〇 (ユーロ圏) 7月消費者物価指数・速報値
20:15 (英) ピルMPC委員講演
21:30 (米) 4-6月期雇用コスト指数
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
