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S&P500 来週の見通し|アルファベットでも7%安、7,300台守れるか 2026年7月24日

 

S&P500(SP500) 見通し、7,300台を守れるか 2026年7月24日

作成日時 2026年7月24日 12時30分

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

7月24日〜31日の米国株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)、4〜6月期の米国内総生産(GDP)速報値、6月の個人消費支出(PCE)デフレーター、そしてマイクロソフトとアマゾンの決算が、わずか2日間に集中する週を迎えます。

見通しを左右する判断軸は、FOMCとPCEを受けた米長期金利の反応、中東情勢と原油価格、大手IT企業が示すAI投資の回収力、そしてSP500が7,300ポイント台を維持できるかです。ご自身がどの材料を最も重視するかを意識しながら、次週のシナリオを組み立ててみてください。

予想レンジ:7,200〜7,600ポイント

直近のSP500|AI投資と原油高、二つの逆風が強まる

7月23日のSP500は前日比1.21%安の7,408.30ポイントで取引を終え、約1カ月ぶりの大幅な下落となりました。逆風は二つで、しかも同時に強まりました。

一つは、アルファベットテスラの決算です。アルファベットは業績自体が市場予想を上回ったにもかかわらず、AI関連の設備投資計画を引き上げたことが警戒され、株価は7月23日に約7%下落しました。テスラは利益とキャッシュフローへの懸念から14%超下げています。

両社の株価下落を受け、AIへの巨額投資が実際の収益やキャッシュフローに結びつくまでには時間がかかることが、改めて意識されました。

もう一つは原油価格です。中東情勢の緊迫化を受けてブレント原油が一時1バレル=100ドルを超え、インフレ再燃と米長期金利上昇への警戒が強まりました。

こうした二つの逆風が続くかどうかを判断するうえで、金融政策と経済指標の内容が重要になります。

FOMCとPCE|原油高が米金融政策の判断を難しくする

ウォーシュFRB議長は原油高をどう評価するか

最初の焦点は、原油高と通商政策による物価上昇圧力を、米連邦準備制度理事会(FRB)がどのように評価するかです。

FOMCは7月28〜29日に開催され、結果は日本時間7月29日27時、ケビン・ウォーシュFRB議長の記者会見は同27時30分に予定されています。

政策金利は据え置きが中心シナリオです。今回は経済見通しや政策金利見通しを示すドットチャートの公表がないため、市場は声明文と議長会見を手掛かりに、9月以降の金融政策を読み取ることになります。

その判断を難しくしているのが原油価格です。イエメンのフーシ派がサウジアラビアのタンカーを攻撃したと主張し、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡を巡る輸送リスクが高まりました。エネルギー価格の上昇は、いったん落ち着きかけていた物価を再び押し上げる要因として意識されています。

原油高の影響を一時的とする姿勢が示されれば、米長期金利の上昇が一服し、米国株相場の支えになります。一方、ウォーシュ議長が物価への警戒を強め、追加利上げの可能性を残した場合は、金利上昇を通じて相対的に割高感のあるハイテク株に売りが出やすくなります。

また、米国と中国の間では関税引き下げに向けた協議が進んでいるものの、米国の通商政策全体を巡る不透明感は残っています。米中関係の緊張緩和は株価の支えになりますが、関税と原油高が重なって物価上昇圧力が長引く可能性も、FRBの金融政策を考えるうえでは無視できません。

GDPとPCE|強い経済指標なら株高とは限らない

加えて、日本時間7月30日21時30分には、4〜6月期GDP速報値と6月のPCEデフレーターが同時に発表されます。

PCEの鈍化と景気の底堅さが確認されれば、インフレへの警戒が和らぐと同時に、企業業績を支える経済成長が続いていると判断できます。

PCEが上振れれば利上げ観測が強まり、GDPが大きく下振れした場合は企業業績への不安が広がります。今回は「強い経済指標なら株高」と単純には判断できず、物価と景気の組み合わせに加え、米長期金利がどのように反応するかまで確認する必要があります。

大手IT企業の決算|AI設備投資の回収力が問われる

金融政策と経済指標に続いて、SP500の方向性を左右するのが大手IT企業の決算です。

焦点は、AIへの巨額投資が収益やキャッシュフローに結びつき始めているかです。現在の市場では、好決算でも、AIへの投資負担に見合う収益が確認できなければ売られるとの見方が強まっています。

マイクロソフト|Azure(アジュール)の成長率と利益率

マイクロソフトでは、Azureを中心とするクラウド事業の成長率に加え、AI向け設備投資と利益率のバランスが焦点です。

アマゾン|AWSとデータセンター投資

アマゾンでは、Amazon Web Services(AWS)がAI需要を取り込み、成長を加速できているかが注目されます。今後のデータセンター投資の規模も、AI事業の収益性を判断する材料になります。

両社のクラウド事業が堅調で、AI投資の回収に対する不安が後退するかどうかが、決算後のSP500を考えるうえで重要です。

SP500テクニカル分析|75日線の7,388ポイントで調整は止まるか

SP500テクニカル分析 日足/移動平均線/14日RSI 2026年7月24日

SP500 日足/25日・75日・100日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「CFDネクスト」

SP500は、25日移動平均線が位置する7,471ポイント付近を下回る一方、75日移動平均線の7,388ポイント付近と、100日移動平均線の7,197ポイント付近は上回っています。

移動平均線は25日線、75日線、100日線の順に並んでおり、中期的な上昇基調は維持されています。ただ、株価は25日線を下回り、同線も横ばいからやや下向きです。RSI(14日)も39.4と50を下回っているため、短期的には下落圧力が優勢で、戻り売りが入りやすい状態といえます。

最初の重要な下値支持は、75日線と心理的節目が重なる7,380〜7,400ポイントです。この水準で下げ止まれば、中期上昇トレンドの中の調整と判断できます。

反発した場合は、25日線が位置する7,470〜7,500ポイントが最初の抵抗帯です。ここを終値ベースで明確に上回れば、7,500〜7,600ポイントが視野に入ります。

一方、調整が深まれば、100日線が位置する7,197ポイント付近が次の重要な下値支持になります。

プロの視点と、ご自身のシナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、中東情勢や原油価格、米長期金利への警戒が上値を抑え、7,300〜7,500ポイントを中心に推移する展開です。多少下振れしても移動平均線の並びは崩れず、短期調整の範囲内との見方から、7,300ポイント台では下値が支えられるとみています。

ただし、これは前提が崩れれば変わります。

すべてのイベント結果を事前に当てる必要もありません。大切なのは、FOMC、原油価格、大手IT企業の決算、75日線のうち、どの材料を重視するのかを整理しておくことで、相場がご自身の想定とは逆の方向に動いた時のイメージを作っておくことです。

【あなたの見通しは?】SP500の3つのシナリオ

A.7,300ポイント台で調整が一服する

75日線付近で下値が支えられ、7,300〜7,500ポイントを中心に推移する。

B.7,500ポイントを上回る

FOMC、PCE、大手IT企業の決算が追い風となり、7,500〜7,600ポイントへ上昇する。

C.7,300ポイントを割り込む

原油高や利上げへの警戒、決算への失望が重なり、7,200〜7,300ポイントまで下値を広げる。

今後の重要イベント

7月24日(金)22:45 7月製造業/サービス業PMI(速報値)

7月28日(火)23:00 7月消費者信頼感指数

7月29日(水)27:00 FOMC政策金利発表

7月29日(水)27:30 ウォーシュFRB議長記者会見

7月30日(木)6:30 マイクロソフト決算(決算説明会)

7月30日(木)21:30 4〜6月期GDP速報値

7月30日(木)21:30 6月個人所得・個人支出

7月30日(木)21:30 6月PCEデフレーター

7月31日(金)6:00 アマゾン決算(決算説明会)

7月31日(金)21:30 4〜6月期雇用コスト指数

※リアルタイムの価格はこちらから確認できます。
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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。