
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<今週の振り返り>
今週のメインイベントは米6月CPIでした。5月から6月にかけて伸びが鈍化し、総合指数は3.5%、コアは2.6%という結果。背景にあるのは原油価格の下落で、6月は1バレル90ドル台から60ドル台まで水準を切り下げており、エネルギー価格の低下が指数を押し下げました。ただし、これを受けた下落は一時的にとどまりました。7月に入って原油価格が再び上昇しており、「7月からインフレは再加速するのではないか」という見方が優勢なためです。結果として下値は限定的で、その後は切り返す動きとなりました。ドル円は161円60銭〜162円50銭と1円に満たないレンジで、方向感の定まらない展開が続いています。
<来週の注目ポイント>
・結論:月末のFOMC(29日)・日銀会合(31日)待ちで、方向感の出にくい展開が続く見通し。
来週(20日の週)は横綱級の指標が予定されていません。強いて挙げれば24日の日本6月CPI、米7月PMI・速報値で、翌週にビッグイベントを控えていることもあり、相場が大きく動く展開は考えにくい状況です。大きな材料が出なければ162円を挟んだ動きが継続しそうです。
・警戒材料①:イラン情勢
米国がイラン国内の複数の橋(インフラ)への攻撃を開始。トランプ大統領は、イランが交渉に復帰しない限り来週にも発電所を攻撃すると警告しています。イラン側は攻撃があった場合に紅海封鎖の準備をするよう指示しているとのことで、事態が激化すれば原油価格の上昇を通じてドル円を押し上げる可能性があります。
・警戒材料②:骨太方針・GPIF関連報道
日本政府が骨太方針に日銀の独立性の文言を追加するとの報道が出ましたが、マーケットの反応は限定的でした。片山財務相は日銀法第3条(独立性・透明性)の原則は揺るぎないと述べていますが、第4条で政府との意思疎通・経済政策との整合性が求められている以上、実際には政府・日銀の連携は続くとの見方が背景にあると考えられます。
反応が出やすいのはむしろGPIF関連です。金曜には高市首相がGPIFによる国内金融資産への投資後押しに言及し、20〜30銭程度の円高に振れる場面がありました。
ただし影響度は冷静に見るべきです。GPIFの運用資産額は2025年度末時点で約294兆円。国内債券は基本ポートフォリオ25%に対し現状27%程度、乖離許容幅6%を踏まえれば31%まで引き上げ可能で、単純計算で約10兆円の投資余力と考えられます。GW期間中の政府介入では11兆円程度が投じられ、初動で5円ほど下押ししたものの1ヶ月で全戻しとなりました。この前例を踏まえると、10兆円規模で中長期的に円安に歯止めをかけるのは難しいと考えられます。具体策が出るまでは大きな動きにはなりにくいでしょう。
<テクニカル分析>
チャートポイントは上値163円/下値160円50銭で、先週から変わらずです。
上値:約40年ぶり高値である162円83銭を突破すれば163円が意識される展開に。ただしこの水準では為替介入への警戒感が高まるため、163円近辺で一旦上値を抑えられる可能性が高いとみています。
下値:160円50銭(直近安値)を下抜けると安値切り下げとなり下押ししやすくなります。160円割れも視野に入り、次のサポートは159円50銭処。チャート形状では安値切り上げが継続する一方、上値は抑えられており、アセンディングトライアングルを形成しています。レジスタンスは162円80銭〜163円程度。ここを突破すれば上昇の勢いが一段と強まる展開が想定されます。上昇基調途中のもみ合いと捉えられるため、基本的に下値は堅く、上値をトライする動きが来週も続きやすいとみています。
<来週の注目イベント>
7/22◎日本6月貿易収支
7/22◎テスラ4-6月期決算
7/22◎アルファベット4-6月期決算
7/23☆米新規失業保険申請件数
7/24☆日本6月消費者物価指数
7/24☆米7月製造業PMI・速報値
7/24☆米7月サービス業PMI・速報値
7/24◎米6月新築住宅販売件数
☆特に重要 ◎重要
<ドル/円 日足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。


