
ドル円レポート:米インフレ鈍化とハト派発言で下落後、中東情勢緊迫化で買い戻し
ニューヨーク市場:PPI鈍化で米利上げ観測低下、ドル売りも
欧州時間、イラン情勢の緊迫化に伴うドル買い(地政学的リスクに伴う安全資産としてのドル買い)や、高市首相の発言を受けた円売りが交錯する中、ドル円は162.419円まで上昇した。
しかしNY時間に入ると、注目された米6月生産者物価指数(PPI)が前年比+5.5%と市場予想(+6.2%)を下回り、前月比でも-0.3%と14カ月ぶりの下げ幅を記録。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が一段と低下し、ドル売りが優勢となった。さらに、ウィリアムズ米NY連銀総裁のハト派的な発言を受けて米長期金利が低下するとドル売りが加速し、一時161.898円まで下落した。
その後、NY終盤に米軍が対イランへ本日2回目となる攻撃実施を発表すると、有事のドル買いが再燃。ドル円は162.279円まで買い戻されて取引を終えた。
本日16日のアジア時間:日経平均急落も、ドル買い・円買いが交錯し方向感模索
本日アジア時間、日経平均株価が下げ幅を一時2,200円超まで拡大する中、市場ではリスクオフに伴う「安全資産としての円買い」と、緊迫するイラン情勢を背景とした「有事のドル買い」の双方が交錯。売り買いの圧力が拮抗したことでドル円は明確な方向感を示せず、162.00円を挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いている。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
