米軍は3夜連続でイランへの空爆を実施し、トランプ大統領は14日からイランに対する海上封鎖を再開すると発表した。イランの全港湾・石油ターミナル・沿岸地域が対象で、ホルムズ海峡を通過する全貨物への20%の手数料課税も表明。さらに未攻撃だった地下核施設「ピッケル山」への攻撃も宣言した。
ホルムズ海峡ではUAEのタンカー2隻がイランの巡航ミサイルで攻撃を受けてインド人船員1人が死亡し、英国海事貿易機関(UKMTO)もオマーン沖で別のタンカーへの攻撃を確認した。独仏英3カ国外相が共同でイランを非難する声明を発表するなど、欧州を巻き込む展開となっている。
原油先物相場は本日の時間外でも買いが先行し、先週末の終値水準から12%超高まで大きく上げ幅を広げた。紛争が長引けばエネルギー価格の高止まりを通じてユーロ圏の輸入コストが上昇し、インフレの長期化と景気の下押しという二重の打撃が意識されやすい。
米格付け会社ムーディーズも米国のNATO関与縮小が欧州各国の防衛費負担増を通じてソブリン格付けにネガティブと警告しており、欧州財政への圧力も加わる。有事のドル買いとユーロ圏の景気・財政への懸念が重なり、ユーロドルの上値は引き続き重い展開が予想される。
ポンドドルは、ロンドン午前に始まるベイリー総裁らの財務委員会(TSC)証言が焦点となる。ベイリー総裁は先月、「イラン戦争がなければ英国はすでにインフレ2%目標を達成していた」と述べていた。エネルギー価格の一段の上昇を受けてBOEの政策判断がより複雑になっているとの認識を示すか注目される。
7日公表の金融安定報告書(FSR)では中東情勢が世界的な供給ショックをもたらし、株式市場のレバレッジ増大と合わさって金融安定リスクが高まっていると警告していた。本日の議会証言では、その後の情勢悪化への見解も問われよう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1474ドル
・ポンドドル、13日高値1.3412ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、6月24日安値(年初来安値)の1.1325ドル
・ポンドドル、2日安値1.3268ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
