
作成日時:2026年7月14日11時20分
トルコリラ/円は3.44~3.45円付近で推移しています。ドル/円が162円台まで上昇する一方、ドル/トルコリラも47リラ前後へ上昇しており、円安による押し上げ効果をリラ安が打ち消す構図です。
7月14日~7月21日のトルコリラ/円は、トルコの高い政策金利が下値を支える一方、30%を超えるインフレや景気減速、原油高が上値を抑える可能性があります。また、米国の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けた米金利と円相場も焦点です。
本稿では、これらの材料がトルコリラ/円に与える影響を整理し、テクニカル面や市場センチメントを踏まえて今週の展開を考えます。
今後1週間の予想レンジ:3.40~3.48円
トルコリラ/円の週間見通し|予想レンジと今週の方向感
メインシナリオは、3.43円前後で下値を支えられ、3.46~3.48円を試す場面があっても、戻り売りに押されて3.43~3.45円付近へ押し戻されやすい展開と見ています。
短期的な分岐点は、下方向が3.42円、上方向が3.46円です。3.46円を上回っても定着できなければ、上値の重さが改めて意識される可能性はあります。
3.50円を日足終値で上回り、その後も3.48円を維持した場合は、やや上向きの見通しが有力となりますが、反対に、3.40円を日足終値で割り、戻り局面でも回復できなければ、レンジ下限の切り下げを警戒したほうがよさそうです。
トルコリラ相場の注目材料|政策金利・インフレ・米CPI・原油価格
トルコ中銀の高金利政策とインフレ率30%超の影響
トルコ中央銀行(トルコ中銀)は6月11日の会合で、1週間物レポ金利を37.0%に据え置きました。翌日物貸出金利は40.0%、翌日物借入金利は35.5%です。物価安定が確認されるまで引き締め姿勢を維持し、インフレ見通しが持続的に悪化した場合は追加引き締めも辞さない方針を示しています。
また、トルコの6月CPIは前年同月比+32.11%、前月比+0.99%でした。12カ月先のインフレ期待は、市場参加者が23.81%と、前月からほぼ横ばいでした。
37%の政策金利はリラ保有の需要を支えますが、高いインフレ率を背景に通貨の購買力低下への警戒は残ります。高金利は下支え材料であるものの、持続的なトルコリラ高を単独で促す材料とは言いにくい状況です。
トルコ景気は製造業が減速、個人消費は底堅さを維持
トルコの6月製造業購買担当者景気指数(PMI)は47.1と、景況判断の境目となる50を27カ月連続で下回っています。5月の鉱工業生産も前年同月比0.0%となり、製造業には弱さが見られます。
一方、5月の小売売上高は前月比+2.4%、前年比+13.7%と堅調でした。失業率は8.2%で前月から横ばい、経常収支は14.59億ドルの赤字でしたが、赤字幅は前月から縮小しています。
個人消費が景気を支える半面、製造業の縮小や鉱工業生産の停滞はトルコリラ買いを促しにくい材料です。景気指標は強弱が混在し、トルコリラ/円を一方向へ動かす力は限られそうです。
米CPIと米金利上昇|円安とトルコリラ安が相反する構図
ドル/円は162円台、ドル/トルコリラは47リラ前後で推移しています。米10年債利回りは4.6%前後にあり、米金利の高止まりがドルを支えています。
米CPIやPPIが市場予想を上回り、米金利が上昇した場合、ドル/円では円安が進みやすくなる一方、ドル/トルコリラではドル高・リラ安が進む可能性があり、米金利上昇を一方向の材料と捉えず、ドル円とドル/トルコリラのどちらが大きく動くかを確認する必要があります。
原油高と中東情勢|エネルギー輸入国トルコへの逆風
ブレント原油は83~85ドル付近へ上昇し、中東情勢への警戒が続いています。エネルギーの輸入依存度が高いトルコにとって、原油高は輸入物価や企業コスト、経常収支の悪化につながりやすい材料です。
円安が進めばトルコリラ/円を一時的に支える可能性はありますが、原油高はトルコ経済やトルコリラ自体には逆風となるため、上昇の持続性は限られます。
トルコリラ/円のテクニカル分析|移動平均線・上値抵抗・下値支持

トルコリラ/円の50日移動平均線は3.46円付近、100日移動平均線は3.50円付近、200日移動平均線は3.56円付近に位置しています。現在値はすべての移動平均線を下回り、反発しても戻り売りが出やすい配置です。
目先は、50日移動平均線が位置する3.46円を回復できるかが焦点です。その先の上値抵抗は3.48円で、明確に上回れば100日移動平均線が位置する3.50円を試しやすくなります。
下方向では3.42円が短期的な分岐点となり、下値支持は3.40円です。3.40円を日足終値で割り、その後も回復できなければ、レンジ下限が切り下がる可能性があります。
現在値の上に複数の抵抗帯が並んでいるため、テクニカル面では上値の重い一方、下方向も限定され、上値の重さを感じながらのレンジ相場という状況です。
トルコリラ/円の市場センチメント|外貨準備・原油高
トルコの外貨準備高は7月3日時点でグロス約1,600億ドル、スワップ控除後のネット準備は約400億ドルです。外貨準備高がこの水準を確保している点は、トルコリラ相場が不安定になった際の対応余力として意識されます。
一方、株式市場が原油高や金利上昇を警戒して不安定な状況となりつつある点は懸念されます。リスク回避が強まれば、資本流出への警戒が高まり、トルコリラには下落圧力がかかりやすくなります。
国内需給と外貨準備は下値を支えていますが、ドル買いの偏りや原油高、リスク回避への警戒を踏まえると、市場センチメントは総合的に上値を抑える状況です。
プロの視点|トルコリラ/円の週間シナリオを組み立てる方法
メインシナリオは、3.42~3.48円の範囲で推移し、3.43円前後では高金利と円安に支えられる一方、3.46円を超える場面では対ドルでのリラ安と移動平均線が上値を抑える展開を見ています。
これは一つのシナリオです。高金利、円相場、ドル/トルコリラ、原油のどれを重視するかで、ご自身の見通しやシナリオは変わってきます。ご自身の見通しを組み立てる際の参考にしてください。
【あなたの見通しは?】トルコリラ/円の3つの週間シナリオ
A:メインシナリオ
3.42~3.48円を想定し、高金利と円安が下値を支える一方、3.46~3.48円ではトルコリラ安と移動平均線に上値を抑えられる。
B:上振れシナリオ
3.48~3.50円を想定し、円安の継続、原油価格の安定、ドル/トルコリラの上昇一服を背景に3.48円を上抜ける。
C:下振れシナリオ
3.40~3.42円を想定し、円の反発、原油高、リスク回避によるトルコリラ売りが重なり3.42円を下回る。
トルコリラ/円の注文情報
| Sell | Rate | Buy |
|---|---|---|
| ■■■■■■ | 4.40 | □ |
| ■■■ | 4.30 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 4.20 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 4.10 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 4.00 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.90 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.80 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.70 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.60 | □ |
| ■■■■■■■■■■ | 3.50 | □ |
| 3.40 | ||
| □□□□□□□□□□ | 3.30 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 3.20 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 3.10 | ■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 3.00 | ■■■■■■■ |
| □□□□□□□□□□ | 2.90 | ■■■■■■■■ |
| □□□□□□□□ | 2.80 | ■■ |
| □□ | 2.70 | ■■ |
| □□ | 2.60 | ■■ |
| □□□□□□□□□□ | 2.50 | ■■ |
| □□ | 2.40 | ■ |
本データは10分おきに再集計され、その約5分後に表示されます。
背景が水色の行は現在レートの位置を表しています。
トルコリラ/円の今後の重要イベント|米CPI・米PPI・トルコ中銀
- 7月14日(火)21:30 米国 6月消費者物価指数
- 7月14日(火) 23:00 米国 ウォーシュFRB議長議会証言
- 7月15日(水)21:30 米国 6月生産者物価指数
- 7月15日(水) 27:00 米国 地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 7月16日(木) 21:30 米国 6月小売売上高
- 7月16日(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
- 7月20日(月) 16:00 トルコ 今後12カ月のインフレ予想(市場参加者調査)
- 7月23日(木) 20:00 トルコ トルコ中央銀行政策金利発表
