読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

豪ドル円見通し|112円台で上値は重い?米CPI・中東情勢・中国GDPが焦点に

豪ドル円は、112円台前半から半ばを中心に方向感を探る展開となっている。7月上旬は、日本の財政悪化懸念を背景とした円売りを支えに112.8円前後まで上昇したが、その後は中東情勢の緊迫化による米ドル高や、円買い戻しの動きが重しとなり、112円台後半では上値の重さも確認された。

足元の豪ドル円は、豪ドル独自の買い材料で上昇しているというより、円安によって下値が支えられている面が大きい。ただし、米ドル高局面では豪ドル/米ドルが下落しやすく、豪ドル円の上値も抑えられやすい。つまり、円安は豪ドル円の支援材料である一方、ドル高は豪ドルにとって逆風になりやすい。

豪ドル円は112円台で一進一退

先週の豪ドル円は、一時112.81円前後まで上昇した。背景には、高市政権が示した「骨太の方針」をめぐり、財政健全化への姿勢が後退したとの見方が広がったことがある。財政悪化懸念から日本国債が売られ、長期金利が上昇するなかで、円売りが強まった。

もっとも、112円台後半では上値が重かった。米国とイランをめぐる緊張が再び高まったことで「有事のドル買い」が強まり、豪ドルは対米ドルで売られやすくなった。また、片山財務相の発言をきっかけに円が買い戻される場面もあり、豪ドル円は112円台半ばを挟んだ推移となった。

中東情勢の緊迫化は豪ドルの重し

今週の最大の焦点は、中東情勢と米国のインフレ指標である。

米国とイランの攻撃の応酬が続き、原油価格が急伸したことが指摘されている。原油価格の上昇はインフレ再燃への警戒感を高め、米長期金利や米ドルの上昇につながりやすい。

豪ドルはリスク選好通貨として見られやすい。中東情勢が悪化し、市場がリスク回避に傾けば、豪ドルには売り圧力がかかりやすい。一方で、米ドル円は有事のドル買いや米金利上昇を背景に上昇しやすいため、豪ドル円では「豪ドル安」と「円安」が同時に進む構図になりやすい。

そのため、豪ドル円は大きく崩れにくい一方、上値も伸ばしにくい。112円台で方向感が出にくいのは、この相反する材料がぶつかっているためである。

www.gaitame.com

米CPIとFRB議長証言がドル高を左右

14日には米6月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場では、米国のインフレ圧力が再び強まるかどうかに注目が集まっている。CPIが強い結果となれば、FRBの追加利上げ観測が強まり、米長期金利と米ドルが上昇しやすい。

この場合、豪ドル/米ドルには下押し圧力がかかる。一方で、ドル円が上昇すれば、豪ドル円の下値は円安によって支えられる可能性がある。つまり、米CPIが強い場合、豪ドル円は一方向に上昇するというより、豪ドル売りと円売りの綱引きになりやすい。

反対に、米CPIが市場予想を下回れば、米金利低下とドル安が進み、豪ドル/米ドルには買い戻しが入りやすい。ただし、その場合はドル円も下落しやすいため、豪ドル円の上昇は限定的になる可能性がある。

www.gaitame.com

中国GDPは豪ドルの重要材料

豪ドルを見るうえで、中国経済の動向も欠かせない。中国は豪州にとって最大の輸出先であり、主力輸出品である鉄鉱石の多くが中国向けである。7月15日には中国の4-6月期GDPや6月小売売上高、6月鉱工業生産が発表される。

市場予想では、中国の4-6月期GDPは前年比+4.5%と、1-3月期の+5.0%から伸びが鈍化する見込みである。仮に中国景気の減速感が強まれば、資源需要の鈍化が意識され、豪ドルの重しとなる。

一方で、GDPや小売売上高、鉱工業生産が市場予想を上回れば、中国景気への過度な不安が後退し、豪ドルには買い戻しが入りやすい。特に鉄鉱石需要の回復期待が高まれば、豪ドル円にも上昇圧力がかかる可能性がある。

日本のインフレ再燃リスクは豪ドル円の上値を抑えるか

豪ドル円を考えるうえでは、日本のインフレ事情も無視できない。円安が進めば、輸入物価の上昇を通じて国内物価に上昇圧力がかかりやすくなるためである。

 

6月企業物価指数は前年比+7.1%の伸びに

※日銀のデータをもとに弊社作成

足元では、企業部門でコスト上昇圧力が強まっている。2026年6月の企業物価指数は前年比+7.1%、輸入物価指数は前年比+29.7%となり、企業の仕入れコストは大きく上昇している。円安に加え、中東情勢の緊迫化による原油高が重なれば、輸入コストはさらに押し上げられやすい。

特に注意したいのは、輸入物価と企業物価の上昇が、時間差を伴って消費者物価に波及する点である。現時点では価格転嫁が抑えられていたとしても、コスト上昇が長引けば、製品価格やサービス価格に転嫁される可能性が高まる。

日本のインフレが再加速すれば、日銀の追加利上げ観測が高まりやすい。日銀が利上げに前向きな姿勢を強めれば、円買い材料となり、豪ドル円の上値を抑える可能性がある。

もっとも、足元の円安は日本側の要因だけで進んでいるわけではない。中東情勢の緊迫化による有事のドル買い、原油高による米インフレ再燃リスク、米金利上昇観測が重なっている面も大きい。

そのため、日本のインフレ再燃だけで円高方向に大きく反転するとは限らない。豪ドル円では、「日本のインフレ再加速による日銀利上げ観測」と「円安圧力」の綱引きが続きやすい。

円買い介入リスクは残るが、発動は簡単ではない

円安が進むほど、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感は高まりやすい。ドル円は162円台を回復し、再び163円台が視野に入っている。ドル円が急伸すれば、豪ドル円を含むクロス円にも介入警戒が広がるだろう。

ただし、今回の円安は単純な投機的円売りだけではない。中東情勢の緊迫化による有事のドル買い、原油高によるインフレ再燃リスク、米金利上昇観測が重なっている。仮にドル円が163円台に乗せたとしても、ドル高主導の展開であれば、日本政府・日銀が円買い介入を発動するのは困難な可能性がある。

そのため、介入リスクは豪ドル円の上値を抑える材料ではあるが、すぐに相場を反転させる決定打になるとは限らない。むしろ、米CPIや中東情勢を受けてドル高・円安が続くかどうかを見極める局面である。

豪ドル円の見通し:111円台前半〜113円台半ばのレンジを想定

豪ドル円日足チャート 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

目先の豪ドル円は、111円台前半から113円台半ばのレンジを想定する。

下値では、111.15円前後が重要なサポートとなる。ここを明確に割り込むと、110円台半ばへの下落が意識されやすい。特に、中東情勢の悪化、中国指標の下振れ、米ドル高による豪ドル/米ドルの下落が重なれば、豪ドル円には下押し圧力がかかる。

一方、上値では112円台後半から113円台前半が最初の壁となる。円売りが続けば113円台を試す可能性はあるが、豪ドル独自の買い材料が乏しいなかでは、113円台半ばを明確に上抜けるには力不足とみる。

中国指標が市場予想を上回り、かつ中東情勢が落ち着けば、豪ドル買いが入りやすくなる。ただし、日本のインフレ再燃による日銀追加利上げ観測や、円買い介入への警戒感が残るため、豪ドル円の上値追いには慎重さも必要である。