
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
IMF、USMCAを理由にメキシコ経済成長率予測を下方修正
先週8日、国際通貨基金(IMF)は今年のメキシコの成長率見通しを1.6%から1.2%に下方修正した。同日に発表した世界経済見通し(WEO)で世界経済の成長率見通しを引き下げた(3.1%から3.0%へ)が、メキシコの修正幅はそれ以上に大きかった。IMFは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しをめぐる不透明感をメキシコ経済の下振れ要因として挙げている。USMCAにおいて3国間の貿易関税をゼロにするための要件を引き上げるべきだと主張する米国と、現行の条件を維持したいメキシコおよびカナダとの協議は不調に終わり、最初の見直し期限である今月1日までに合意できなかった。今後も協議は続けられるが、2036年までに合意できなければ自動的に失効する。世界の自動車企業にとってメキシコは世界最大のマーケットである米国への輸出拠点に位置付けられている。自動車企業から見れば、輸出要件の見直し協議が毎年のように繰り返されること自体が経営上のリスクとなり得る。それだけに、USMCAの存在意義はメキシコ経済にとってもきわめて大きい。こうした中、メキシコのシェインバウム大統領はUSMCAについて「たとえ4年、5年かかっても更新されるだろう。過去30年で築かれた経済統合は重い」と述べ、トランプ政権だけでなく、米国の次期政権との交渉も視野に入れていることを示唆した。
メキシコペソ/円 週足チャート

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外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

