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【ドル円見通し】162円台後半という天井『円安バブル』が一服|CPIと議長証言で米金利どう動く FX分析 2026年7月13日

 

2026年7月13日 ドル円 今週の見通しと予想レンジ

作成日:2026年7月13日 11時00分

7月13日~17日のドル円相場は、ややドル安・円高寄りの推移を想定しています。ただし、相場の方向を一方に決めつけられる地合いではありません。焦点は、消費者物価指数(CPI)などの結果を受けて米国債利回りがどう反応するか、そしてドル円が支持線となる161.45円と、抵抗線となる162.80円のどちらを先に抜けるかです。

今週のドル円の予想レンジ:160.00~162.80円

ドル円週間見通し|米物価と議長証言が試す162.80円の壁

ドル円は162.03円付近で推移しています。6月以降は159円台から水準を切り上げ、直近では162.837円まで買われましたが、そこから高値を更新できず、161円台への下落と162円台への反発を繰り返しています。

今週最大の焦点は、7月14日の6月の米消費者物価指数(CPI)と7月15日の米生産者物価指数(PPI)に加え、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言です。物価指標の結果は、今後の金融政策や利上げ・利下げ観測を通じて、米長期金利とドル円の方向を左右する可能性があります。

物価指標については、市場では、ガソリン価格の下落を背景にインフレ鈍化を見込む声がある一方、サービス価格や企業コストに根強い物価上昇圧力が残るとの警戒もくすぶっています。テクニカル面では、中期的な上昇基調を維持しているものの、162円台後半では上値の重さが目立ち始めています。

物価指標の発表直後にドル円が動いたとしても、その後の議長発言で値動きが修正される場面は十分に考えられます。最初の反応だけで方向を見極めにくいため、焦らずにじっくり相場展開を確認したいです。

米物価指標のドル円への影響

6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利を3.50~3.75%に据え置きました。FRBは、経済活動が底堅い一方でインフレ率が2%目標を上回っているとの認識を示し、物価安定を重視する姿勢を崩していません。

もっとも、6月の非農業部門雇用者数は前月比5万7,000人増、失業率は4.2%にとどまりました。雇用は急激に崩れてはいないものの、追加利上げを急ぐほど力強いとも言い切れません。

こうしたなか、FRBは「物価が高いから利上げ」「雇用が弱いから利下げ」という単純な判断を取りにくくなっているものの、これらの結果を通じて次回(7月28~29日)のFOMCに対するヒントが出るか注目されます。

物価の実績を振り返ると、5月のCPIは前月比+0.5%、前年同月比+4.2%の上昇でした。食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%、前年同月比+2.9%。エネルギー価格は前月比+3.9%、ガソリン価格は+7.0%上昇し、総合指数の月間上昇分の6割以上を占めています。

これに対し、6月の総合CPIは前月比-0.1%、前年同月比では市場予想が+3.8%です。コアCPIは前月比+0.2%、前年同月比+2.8%が見込まれています。

総合CPIの低下は、ガソリン価格が約9.2%下落した影響が大きいとみられます。裏を返せば、総合CPIがマイナスでも、それだけでインフレ収束と判断するのは早計でしょう。

市場がより重くみるのはコアCPIです。前月比+0.3%以上となれば、米金利の上昇を通じてドル円が162.50~162.80円を試す展開が想定されます。反対に+0.1%以下にとどまれば、161.45円割れから160円台への下落リスクが高まるといえます。

企業段階の物価も確認しておきます。仮にCPIが弱くても、PPIで企業コストの高止まりが確認されれば、ドル円の下落は途中で止まりやすくなります。逆に、CPIとPPIがそろって予想を下回れば、インフレ鈍化への市場の確信は一段と強まるでしょう。

テクニカル分析(ドル円日足・抵抗帯・支持帯)

ドル円テクニカル 日足/移動平均線/RSI 2026年7月13日

ドル円 日足/10日・50日移動平均線/RSI(9日) 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

ドル円は162.03円付近にあり、10日移動平均線の162.05円付近とほぼ重なっています。短期線を明確に上抜けていないため、直近の上昇の勢いはいったん中立に戻った格好です。

これに対し、25日移動平均線は161.45円付近、50日移動平均線は160.10円付近に位置し、いずれも上向きを保っています。上から10日線、25日線、50日線と並ぶ上昇型の配列も崩れていません。

したがって現在の値動きは、本格的な下降トレンドというより、上昇相場のなかでの高値調整とみる余地があります。

直近では162.837円を付けたあと、高値を切り下げる一方で安値は切り上げてきました。値幅が収束し、買い手と売り手が拮抗しているだけに、重要指標をきっかけに上下どちらかへ大きく放れる可能性があります。

相対力指数(RSI)は54.8で、買われ過ぎの目安とされる70を下回っています。過熱感はないものの、強い上昇の勢いを示す水準でもありません。手掛かりが乏しければ、162円台前半を中心とした持ち合いが続きやすいでしょう。

上値では、まず162.30~162.50円が抵抗帯となります。その上には、直近高値を含む162.70~162.84円が控えています。162.80円前後を日足終値で明確に上抜ければ、上昇再開の可能性が高まり、163円台へ値幅が広がる可能性が出てきます。

ただし163円付近では、利益確定売りに加え、日本政府・通貨当局による円安けん制への警戒も強まりやすい水準であることも忘れてはいけません。

下値では、161.90~162.00円が最初の支持帯です。その下では、25日移動平均線が位置する161.40~161.50円が重要になります。

161.45円を日足終値で割り込めば、短期的な上昇基調は弱まり、160.80~161.00円への調整が意識されます。さらに下では、50日移動平均線と心理的節目が重なる160.00~160.10円が主要な支持帯となります。

投機筋ポジション、円売りポジションが大幅減少

シカゴ通貨先物(円)投機筋(Non-Commercial)のポジションー外為どっとコム

シカゴ通貨先物(円)投機筋(Non-Commercial)のポジションー外為どっとコム

 

7月7日時点のシカゴ通貨先物の投機筋のポジショニングは、円買いが11万2,247枚、円売りが23万6,025枚で、差し引き12万3,778枚の円売り越しでした。

前週の15万5,092枚から、円売り越しは1週間で3万1,314枚縮小しています。内訳をみると、円買いが375枚増にとどまったのに対し、円売りは3万939枚減少しました。

つまり、新たな円買いが積み上がったというより、円安を見込んでいた投資家が円売りポジションを手じまった構図です。この変化は、ドル円をやや弱気にみる材料といえます。

とはいえ、円売り越しは依然として12万枚を超えています。米物価が上振れして米金利が上昇すれば、円売りが再び積み上がる余地も残されています。

ドル円の視点と、シナリオ別のドル円予想

メインシナリオは、162円台後半で上値を抑えられ、161円台へ調整する展開です。

予想レンジは160.00~162.80円、中心レンジは161.40~162.50円です。ただし、これはあくまで一つの視点にすぎません。

162.80円超え、161.45円割れ、160.00円割れ——このうちどこで自分の見方を切り替えるのか。ご自身の相場観に合わせて、あらかじめシナリオを描いておきたいところです。

【あなたの見通しは?】

A.ドル高継続
コアCPIが+0.3%以上となり、162.837円を突破。163円台を試す展開です。

B.高値圏での持ち合い
コアCPIは+0.2%前後にとどまり、161.45~162.80円を中心に推移する展開です。

C.円買い戻しが優勢
コアCPIが+0.1%以下となり、161.45円を割り込んで、160.00~160.10円を試す展開です。

今後の重要イベント

  • 7月14日(火)12:35 日本 20年利付国債入札結果
  • 7月14日(火)21:30 米国 6月米消費者物価指数(CPI)
  • 7月14日(火)23:00 米国 ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長、米下院で半期金融政策報告
  • 7月15日(水)21:30 米国 6月米生産者物価指数(PPI)
  • 7月15日(水)23:00 米国 ウォーシュFRB議長、米上院で半期金融政策報告
  • 7月16日(木)21:30 米国 6月米小売売上高

今週は、米CPI、ウォーシュFRB議長の議会証言、米PPIが中心です。日本では、20年国債入札後の国内長期金利の反応が円相場に影響する可能性があります。