
本記事のサマリー
来週のドル円相場(7/13〜7/17)は、6月消費者物価指数(CPI)や6月小売売上高など米インフレ・消費関連の指標が相次ぐ週となります。
7月14日(火)の6月CPIとウォーシュFRB議長の発言、7月15日(水)の6月PPI・ベージュブック、7月16日(木)の6月小売売上高、7月17日(金)のミシガン大学消費者態度指数(速報値)が注目されます。とりわけ14日のCPIは、FOMC議事要旨で示されたインフレ高止まりへの懸念を裏付けるかどうかの試金石となり、結果次第でFRBの利上げ観測が一段と強まる可能性があります。円買い介入への警戒感は根強く残るため、ドル円は上値の重い展開が続きやすい一方、インフレ指標が強ければ40年ぶり高値の更新に向けた動きも意識されそうです。
来週(7/13~)のドル円相場重要イベント
7/13(月)
特段の重要指標は予定されていません。中東情勢や介入警戒感を巡るヘッドラインに振らされやすい展開が想定されます。
7/14(火)
〖アメリカ〗6月消費者物価指数(CPI)
〖アメリカ〗ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
7/15(水)
〖アメリカ〗6月卸売物価指数(PPI)
〖アメリカ〗米地区連銀経済報告(ベージュブック)
7/16(木)
〖アメリカ〗6月小売売上高
7/17(金)
〖アメリカ〗7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
特に注目度が高いのは、7月14日(火)の米6月CPIと7月16日(木)の米6月小売売上高です。
7月14日(火)には、米6月CPIが発表されます。9日公表のFOMC議事要旨では、多くの参加者がAI関連需要や中東情勢の影響でインフレ率が高止まりするリスクを指摘しており、CPIがこうした懸念を裏付ける強い結果となれば、FRBの利上げ観測が一段と強まりドル買いにつながりやすいでしょう。逆に鈍化が確認されれば、利上げ観測の後退からドル売りが優勢となる可能性があります。同日のウォーシュFRB議長の発言も、インフレと金融政策運営に関する当局トップの見解を確認するうえで重要です。
7月15日(水)には、米6月PPIとベージュブックが発表されます。PPIは川上段階の物価動向を確認する材料となり、CPIの結果と合わせて今後のインフレ基調を見極める手掛かりとなります。ベージュブックでは各地区連銀が報告する足元の物価・雇用情勢が示され、次回FOMCでの金融政策運営の方向性を占ううえで参考になります。
7月16日(木)には、米6月小売売上高が発表されます。個人消費は米GDPの7割近くを占めているため、堅調な結果が続けば景気の底堅さが確認され、FRBが政策金利を引き上げやすい環境が整っているとの見方につながります。弱い結果となれば、消費減速懸念から早期利上げ観測が後退する可能性があります。
7月17日(金)には、7月ミシガン大学消費者態度指数の速報値が発表されます。同指数に含まれる期待インフレ率は、家計のインフレ予想を測るうえで市場の注目度が高く、CPI・PPIの結果と合わせてインフレ動向を総括する材料となりそうです。
今週の振り返りと来週(7/13~)のポイント
今週の振り返り
今週のドル円は161円台後半〜162円台後半で底堅く推移しました。週前半は、米6月ISM非製造業景況指数が節目の50を上回ったことやウォラーFRB理事の「インフレ加速」発言、日本の財政悪化懸念に伴う長期金利上昇を背景に円売りが進み、162円台に到達。週半ばには、米国のイラン産原油制裁緩和撤回を受けて中東情勢が急速に緊迫化し、原油高とともにドル円は一時162.7円台まで上昇しました。9日公表のFOMC議事要旨で一部当局者が追加利上げの妥当性に言及したこともドルを下支えする材料となりました。週末にかけてはトランプ大統領の発言で早期停戦期待が浮上し原油が下落、ドル売りがやや優勢となり162円台前半〜半ばのレンジで着地しています。総じて、中東情勢とFOMC議事要旨のタカ派的な内容がドル円を支える一方、円買い介入への警戒感が上値を抑える一週間となりました。
来週(7/13~)のポイント
来週のドル円相場の最大の焦点は、6月CPIをはじめとする米インフレ関連指標が、FOMC議事要旨で示されたインフレ高止まり懸念を裏付けるかどうかです。
FOMC議事要旨では、AI関連の強い需要や中東紛争の影響でインフレ率が高止まりする場合、追加の引き締め策が必要になる可能性が指摘されました。14日のCPI、15日のPPIがこうした懸念を裏付ける強い結果となれば、9月以降の利上げ観測が再び強まり、ドル買い材料となるでしょう。一方で、鈍化が確認されればFRBの早期利上げ観測は後退し、ドル売りが優勢となりやすいと考えられます。
16日の小売売上高も、米個人消費の底堅さを確認するうえで重要です。堅調な結果が続けば、インフレ指標の結果と合わせてFRBの利上げ観測を支える材料となる可能性があります。
中東情勢を巡る不透明感は引き続きくすぶっており、原油価格の変動を通じてインフレ期待や金利動向に影響を与え続けそうです。また、円買い介入への警戒感は根強く残っているため、ドル円が約40年ぶり高値圏に接近する局面では上値を抑える圧力が強まりやすいでしょう。
来週は、インフレ指標が強ければドル買い、弱ければドル売りという構図が想定されます。加えて、中東情勢の緊迫化や介入リスクにも引き続き注意が必要な週となりそうです。
