
ドル円レポート:地政学リスク後退のドル売りと円買い材料浮上で、上値重く161円台へ下落
ニューヨーク市場:地政学リスク後退のドル売り vs 本邦財政懸念の円売り
前日のドル円は、方向感を欠く神経質な値動きとなった。トランプ米大統領が対イラン全面戦争の可能性を否定したほか、パキスタンによる米イラン和平基本合意(MOU)維持への楽観見通しが伝わり、原油先物価格が下落。これに伴うドル売りが先行した。一方で、米株の底堅い推移や、本邦の財政悪化懸念に伴う円売りも根強く、欧州時間に一時162.510円まで上昇。しかし、NY時間には162.253円まで押し戻されるなど、明確な方向感は出なかった。
本日10日のアジア時間:片山財務相発言と「骨太」報道で円買い加速
本日のアジア時間に入ると、潮目が変わり「円買い」が優勢となっている。片山さつき財務相が「GPIFなどの年金基金による国内金融資産へのさらなる投資を後押しする」と発言。さらに、7月中旬に閣議決定予定の「骨太の方針」案において、市場で懸念されていた金融政策への強い介入意図を否定すべく、日銀の「独立性」に言及する方向で調整に入ったとの報道が伝わった。これらを受けて過度な円安牽制や警戒感が交錯する中、ドル円は一時161.620円まで下落し、一段と上値の重い展開となっている。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
