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金(ゴールド)週間見通し|下落の波から抜け出せない...4,000ドルの攻防、買い目線だけではキツイ 米CPIや金利動向に注目(XAU/USD) 2026年7月9日

 

金相場見通し:4,000ドルの攻防(2026年7月9日)

作成日時:2026年7月9日 12:00

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

2026年7月9日〜7月16日の金相場は、4,000ドル近辺をめぐる攻防が焦点になりそうです。

中東情勢の悪化は本来、安全資産としての金買いにつながりやすい材料ですが、地政学リスクそのものよりも、原油高によるインフレ圧力米金利上昇への警戒が強く意識されていることが、現在の金相場を難しくしています。

こうした局面は、プロの間でも見方が分かれやすく、「4,000ドルを守れるのか」「戻りがどこまで続くのか」を、自分なりのシナリオに落とし込んでおきたいところです。

金(ゴールド)の今後1週間の想定レンジ:3,900ドル〜4,200ドル

金相場見通し、4,000ドルの攻防が焦点

中央銀行の買い需要が下支え

中国人民銀行(PBOC)は6月に48万トロイオンス、約15トンの金を買い増し、金準備の積み増しは20カ月連続となりました。価格が大きく下落する局面でも中銀買いが続いている点は、金相場の下値を支える材料です。

背景には、脱ドル化や外貨準備の分散があります。中央銀行の金需要は、短期的な価格変動だけで大きく変わるものではないとみられます。そのため、投機的な売りが強まった場面でも、現物需給面では一定の下支えが残りそうです。

この点は、短期的な値動きだけを見ていると見落としやすい部分です。チャート上では弱く見えても、中央銀行買いという中長期の支えが残っているため、下落が一方通行になるかどうかは慎重に見極めたいところです。

中東情勢リスクとインフレ圧力が綱引き

中東情勢がさらに悪化すれば、安全資産として金が買われる場面も想定されます。特に、軍事的緊張が一段と高まる場合や、金融市場全体でリスク回避姿勢が強まる場合には、金への逃避買いが入りやすくなる期待はあります。

しかし、現状の市場環境では、地政学リスクがそのまま金高につながるとは限りません。原油高を通じてインフレ懸念が強まり、米金利上昇やドル高が進む場合には、安全資産買いの効果が相殺される可能性があります。

重要なのは、地政学リスクそのものではなく、それが「安全資産買い」「インフレ・金利上昇」のどちらに強く反映されるかです。足元では後者の影響がやや優勢で、金相場は上昇材料を受けても戻りが鈍くなりやすい地合いです。

米利上げリスクとETF資金流出の金相場への影響

そのため、インフレ率が高止まりするなかで、原油高が重なれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が引き締め姿勢を強めるのかがより重視されます。

来週は米6月消費者物価指数(CPI)と米6月生産者物価指数(PPI)が発表されます。

CPIやPPIが市場予想を上回れば、米利上げ観測が一段と強まった場合、金は4,000ドル近辺で下げ止まったとしても、上値を追う展開にはつながりにくくなります。一方、インフレ鈍化が確認されれば、米金利上昇への警戒が和らぎ、金が4,000ドル近辺から反発するきっかけになる可能性があります。

また、7月28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているため、今回のインフレ指標は単なる月次データにとどまらず、FRBが利上げリスクをどの程度意識するかを見極める材料としても注目を集めます。

また、金ETFからは6月も資金流出が続いており、需給を悪化させる要因となっています。金を買う意欲が低水準にとどまっている様子を示す指標も散見されており、金反発に対する見通しは描きにくい状態です。

つまり、金相場が反発するには、米金利の低下、ドル安、またはETF資金の流出一服といった追加材料が必要になりそうです。

金(XAU/USD)テクニカル見通し:4,000ドル攻防、戻りは25日線が上値目処

金価格見通し XAU/USD 4,000ドル攻防 テクニカル分析(2026年7月9日)

金スポット 日足/25日・75日移動平均線/RSI(14日) 外為どっとコム「CFDネクスト」

テクニカル面では、金スポットは上値を切り下げる流れが続いています。25日移動平均線は4,155ドル付近75日移動平均線は4,470ドル付近に位置しており、価格は主要な移動平均線を下回っています。特に、25日線が下向きで推移していることから、短期的には戻り売りが出やすい地合いです。

一方で、RSI(14日)は43.6と、過熱感はありません。売られすぎを示す30を大きく下回っているわけではないため、強い反発シグナルは出ていませんが、下値を一方的に売り込むほどの極端な弱さでもありません。目先は4,000ドル近辺で下げ止まれるかが焦点となりそうです。4,000ドルを明確に割り込む場合は、投資家心理が悪化し、3,900ドル近辺まで下値余地が広がる可能性があります。

また、チャート形状としては、一気に下落が加速しやすいとして警戒されるディセンディングトライアングルの形成が見えています。こうした状況が直ちに来ると考えていないものの、4,000ドル割れの時間帯が長時間続けば、底割れに対する警戒も高まりやすくなります。

一方、4,155ドル付近を明確に上抜ければ、4,200ドル方向への戻りを試す可能性がありますが、75日移動平均線は4,470ドル付近とかなり上にあり、中期的なトレンドが上向きに転じたと判断するにはまだ距離があります。

金見通しのプロの視点と、ご自身のシナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、金相場が4,000ドル近辺で下げ止まりを試しながらも、4,155ドル付近の25日移動平均線から4,200ドルにかけては売り仕掛けを考える局面と考えます。

また、ディセンディングトライアングルの形成が遠くに見える中で、3,900ドル付近を割り込んだ場合に売り仕掛けできる心構えもしておきたいです。

4,000ドルを守れるか25日移動平均線の4,155ドル付近を超えられるか米CPI・PPIを受けて米金利がどちらに動くかを軸に、下方向に走った場合の対処も含めて、ご自身の見立てに合わせ、シナリオを組み立てたいところです。

金CFD(ゴールド)の特長と投資のコツ

【あなたの見通しは?】

A.4,000ドル近辺で下げ止まり、4,155ドル付近の25日移動平均線を試す

B.4,000ドルを割り込み、3,900ドル近辺まで下値を探る

C.米CPI・PPIの結果を見極めるまで、3,900〜4,200ドルのレンジ内で方向感を欠く

相場に正解を求めすぎるより、複数の可能性を並べておくことが、次の判断を落ち着いて行う助けになります。

今後の重要イベント

  • 7月14日(火) 米国 21:30 6月消費者物価指数(CPI)
  • 7月14日(火) 米国 23:00 ウォーシュFRB議長、発言
  • 7月15日(水) 米国 21:30 6月生産者物価指数(PPI)

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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