
作成日時 2026年7月3日 11時30分
監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人
来週(7月6日~7月10日)のS&P500(SP500)は、強気相場の流れが続くのか、それとも高値圏でいったん調整を挟むのか、高値圏で買い材料と警戒材料が交錯しやすく、投資家の間でも見方が分かれる局面です。
米利上げ警戒の緩和や企業業績への期待は下値を支える一方、関税を巡る政策ヘッドラインや金利見通しの変化は、上値を抑える材料になり得ます。
一方向に決め打ちするより、どの材料を重く見るか、自分なりのシナリオを組み立てたい週です。
来週の想定レンジ:7,250〜7,650ポイント
SP500は高値圏で一服か、関税は上値抑制、金利と業績は下値支えと材料が豊富
来週もっとも警戒したいのは、関税を巡る政策ヘッドラインです。7月6日の米通商代表部(USTR)コメント期限、7月7日の公聴会を前に、通商政策を巡る報道やトランプ氏の発言に市場が反応しやすくなります。
株価が高値圏にあるだけに、ネガティブな材料が出れば、短期的に利益確定売りが強まる可能性があります。ただし、関税リスクだけで米株の強気地合いがすぐに崩れるとは限りません。
米雇用統計を受けて利上げ警戒はやや後退しており、金利面では株式市場を支えやすい環境が続いています。7月8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でインフレ警戒が強く示されなければ、グロース株には一定の追い風となりそうです。
また、企業業績への期待も下値を支える材料です。ただし、今週は本格決算前の期待先行の段階です。好業績期待で押し目買いは入りやすい一方、決算を確認する前に一段高を追うには慎重さも必要です。
NASDAQ100採用のSpaceX、SP500に与える影響は警戒
7月7日にはSpaceX(スペースX)のNASDAQ100採用が予定されています。SP500への直接的な指数採用ではありませんが、NASDAQ100や大型グロース株への需給変化を通じて、SP500にも間接的な影響が及ぶ可能性があります。
ハイテク株やAI関連株への資金流入期待は支えになりますが、高値圏にある銘柄では利益確定売りも出やすく、指数全体としては振れやすさが残ります。
SP500テクニカル分析:上昇基調は維持も、上値追いは慎重

SP500は、25日移動平均線の7,455ポイント付近を挟んだ推移となっており、短期的には上昇の勢いがやや鈍っています。一方、75日移動平均線は7,205ポイント付近で上向きを維持しており、中期的な上昇トレンドが崩れたとは言いにくい状況です。
相対力指数(RSI、14日)は44.3と中立水準の50を下回っており、過熱感は後退しています。ただし、強い買いモメンタムも確認しづらく、目先は25日線を明確に上回って定着できるかが、想定レンジの上限を試すための試金石となります。
上値は7,600〜7,650ポイントが目処です。この水準では利益確定売りが出やすく、材料なしに一気に上抜けるにはやや力不足とみます。下値は7,300ポイント前後、さらに7,250ポイント付近がサポートとして意識されます。
SP500に対するプロの視点と、シナリオの組み立て方
筆者のメインシナリオは、高値追いよりも押し目を慎重に見極める展開です。
強気相場の流れが崩れるというより、高値圏で買い材料と警戒材料が交錯しながらも、これから出てくる材料を見極める時間帯になるとの見方からです。
ただし、これはあくまでベースシナリオです。関税ヘッドラインを重く見るのか、金利低下期待や業績期待を重く見るのかによって、相場の見方は変わります。
ご自身の見立てに合わせて、7,455ポイントを維持して7,650ポイントを目指すのか、7,300~7,450ポイント付近のもみ合いに終始するのか、7,250ポイント割れを試すのかを確認しながら戦略を組み立てたいところです。
【あなたの見通しは?】
A . 強気シナリオ
7,455ポイント付近を維持し、7,600〜7,650ポイント方向を試す
B .中立シナリオ
7,300〜7,455ポイントのレンジ内で、材料を確認しながら方向感を探る
C .弱気シナリオ
7,300ポイントを下回り、7,250ポイント割れを試す
今後の重要イベント
- 7月6日(月) 米国 23:00 6月ISM非製造業景況指数
- 7月6日(月) 米国 USTRへのコメント提出期限
- 7月7日(火) 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(トルコ・アンカラ、8日まで)
- 7月7日(火) 米国 USTR公聴会
- 7月7日(火) 米国 SpaceXのNASDAQ100採用
- 7月8日(水) 米国 27:00 FOMC議事要旨(6月16〜17日分)
- 7月9日(木) 米国 21:30 新規失業保険申請件数
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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