
基準日:2026年7月1日/対象期間:2026年7月
2026年6月のハンガリーフォリント円(HUF/JPY)は、0.52円台を中心に底堅く推移しました。5月から続くフォリント高と円安が支えとなり、月中には0.53円台も意識されました。
ただ、6月23日にハンガリー国立銀行(MNB)は政策金利を6.25%から6.00%へ引き下げ、バルガMNB総裁は夏の間にさらに2回、各0.25%ポイントの利下げ余地があるとの考えを示しています。このため7月相場の焦点は「利下げがあるか」ではなく、「利下げを織り込んだ後もフォリント高を保てるか」に移りつつあります。上昇を強く追うより、HUF/JPYが0.52円台を維持できるかを見極める方が大事になりそうです。
想定レンジは0.505~0.540円、中心は0.515~0.530円です。
ハンガリーフォリント円(HUF/JPY)、利下げペース加速なら警戒
HUF/JPYを見るうえで最も重要なのは、対ユーロでのフォリントの強さです。6月末時点でユーロ/フォリント(EUR/HUF)は350フォリント台半ばで推移し、これがHUF/JPYを下支えしています。
一方、6月の利下げで金利面の支援はやや弱まりました。インフレ低下に伴う自然な利下げなら大きな悪材料ではありませんが、追加利下げのペースが速いと受け止められれば、フォリント買いは鈍りやすくなります。7月は「EU資金期待」と「利下げペースへの警戒」が綱引きする展開になりやすいでしょう。
EU資金の解放、計画から実行へ
政治面で最大の支援材料は、EU資金の凍結解除に向けた進展です。2026年5月末、EUはハンガリー向け凍結資金のうち約164億ユーロの解放に向けた方針を示しました。親EU路線や反汚職改革への期待が、フォリント買いにつながっています。
ただし重要なのは「計画」より「実行」です。司法改革・反汚職制度・財政再建が順調に進めばフォリントの支えになりますが、手続きが遅れれば、期待先行で買われた分が巻き戻されかねません。財政赤字の大きさも引き続き要注意で、財政再建の道筋が見えなければHUF/JPYの上値は重くなりやすいです。
また、ユーロ導入をめぐる発言もフォリント相場の中期テーマとして意識されます。マジャル首相は、ハンガリーが2030年ごろまでにユーロ導入条件を満たす可能性に言及しています。これは親EU路線を市場に印象づけ、フォリントを支える材料となりますが、2026年の財政赤字がGDP比6.8%に達する可能性がある点が、後々、フォリント相場を苦しめる可能性もあります。ユーロ導入に必要な財政赤字3%基準からはまだ距離があり、フォリント高継続には、EU資金の解放だけでなく、財政再建の実行力も試されます。
ハンガリーのインフレと金融政策、緩やかな下げなら歓迎
2026年5月のハンガリー消費者物価指数(CPI)は前年比+1.8%、コアインフレ率は+2.0%へ低下しました。物価の落ち着きが、MNBの利下げを後押ししています。
実際、6月23日の利下げに加え、バルガMNB総裁は夏の間に追加2回・各0.25%ポイントの利下げ余地を示唆し、声明文でも「良好な環境が続けば夏の間に追加利下げの余地がある」と明記されました。市場はすでに7月の0.25%ポイント利下げをかなり織り込んでおり、7月21日会合の焦点は利下げの有無そのものより、その後の説明です。すなわち「8月以降も同じペースで続けるのか」「為替や物価を見ながら慎重に進めるのか」が問われるでしょう。
MNBが慎重姿勢を保てば、インフレ低下と高めの実質金利がフォリントの下支えになりやすい一方、夏場の連続利下げが既定路線として強く意識されれば、金利差縮小への警戒からHUF/JPYの上値は重くなりやすいです。
円買い介入への警戒心は続く
市場心理は、まだフォリントに前向きです。EU資金解除、親EU政権への期待、インフレ低下、円安が重なっているためです。
ただし好材料はかなり織り込まれていて、HUF/JPYの0.53円台では利益確定売りが出やすく、7月は上値を追うより、下げた場面で買いが入るかを確認したい局面です。
なお、円安が続けばHUF/JPYの支えとなる半面、日本当局による円買い介入への警戒もあります。円高が急に進めば、フォリント自体が強くてもHUF/JPYは下押しされやすい点に十分注意が必要です。
フォリント相場を動かす!7月の重要為替イベントカレンダー
2026年7月7日|6月消費者物価指数(CPI)
CPIの低下が続けば追加利下げ観測が強まりやすく、フォリントには支援材料と上値抑制材料の両面があります。
2026年7月8日|6月23日会合の議事要旨
2026年6月23日のMNB会合で、理事会内に慎重姿勢がどの程度残っていたかが焦点です。
2026年7月21日|金融政策会合
2026年7月最大の注目イベントです。0.25%利下げは相当織り込まれており、焦点は声明文とバルガMNB総裁の発言です。2026年8月以降も連続利下げを示唆すればHUF/JPYの上値は重くなりやすく、慎重姿勢が示されれば利下げ後でもフォリント売りは限定的になりやすいです。
2026年7月中|EU資金・改革・財政再建の報道
改革が順調ならフォリントの支援材料、遅れが見えれば期待先行分が調整されやすくなります。
テクニカル分析(HUF/JPY 日足)、0.53付近は利食いポイント

短期の中心価格帯は0.520円前後です。主要な価格帯は以下の通りです。
- 上値抵抗:0.530円。明確に上抜ければ0.535~0.540円が次の目標。ただし0.53円台は直近の高値圏で、利益確定売りが出やすい水準です。
- 下値支持:0.515円。これを保てば上昇基調の中の調整とみなされ、同水準では押し目買いが入りやすいです。
- 0.515円を明確に割り込めば、0.505円付近まで目線を下向ける必要があります。
戦略としては、0.510円台前半で押し目買い、0.535円前後で利益確定を意識したい局面です。2026年7月21日のMNB会合前後は振れやすいため、高値追いより会合後の押し目を待つ姿勢が現実的です。
ハンガリーフォリント円(HUF/JPY)7月見通しまとめ:EU資金とユーロ導入期待は支えだが、財政赤字が大きく、期待先行の相場になりやすい
基本的には「底堅いが、上値を追うには追加材料が必要」とのスタンスです。EU資金解除や親EU政権への評価、円安がHUF/JPYの支えとなる一方、MNBが利下げ局面に入ったことで金利面の支援は弱まっています。
したがって2026年7月は、大きく上昇するかどうかより、利下げを織り込んだ後も0.52円台を保てるかが重要です。
投資判断は「押し目買い寄りの中立」が妥当です。高値追いより0.510円台前半への調整を待つ方がリスクを抑えやすく、0.505円を明確に割り込む場合は、フォリント高と円安が同時に支える構図が弱まった可能性があるため、買い目線を見直す必要があります。
ハンガリーフォリント/円(HUF/JPY)の注文情報
| Sell | Rate | Buy |
|---|---|---|
| 0.72 | ||
| 0.70 | ||
| 0.68 | ||
| 0.66 | ||
| 0.64 | ||
| 0.62 | ||
| ■ | 0.60 | |
| ■■■■■■■■■■ | 0.58 | |
| ■■■■■■■■■■ | 0.56 | |
| ■■■■■■■■■■ | 0.54 | □ |
| 0.52 | ||
| □ | 0.50 | ■■■■■■■■■■ |
| □ | 0.48 | ■■■■■■■■■■ |
| □□□ | 0.46 | ■■■■■■■■■■ |
| 0.44 | ■■■■■■■■■■ | |
| 0.42 | ■■■■■■■■■■ | |
| 0.40 | ■■■■■■■■■■ | |
| 0.38 | ■■■■■■■■■ | |
| □ | 0.36 | ■■■■■■■■■ |
| □ | 0.34 | ■■■■■■■■■ |
| 0.32 | ■■■■■■■■■ |
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