
豪ドル円は、6月中旬にかけて112円台後半から113円台前半で方向感の乏しい展開が続いていました。しかし、6月24日時点では111円台後半まで下落しており、レンジ下限を試す動きとなっています。

背景にあるのは、豪州準備銀行(RBA)の利上げ一服です。RBAは2026年2月・3月・5月と3会合連続で利上げを行い、政策金利を4.35%まで引き上げました。しかし、6月16日の会合では政策金利を据え置きました。これにより、豪ドル買いを支えてきた追加利上げ期待はいったん後退しています。
一方、日本銀行も6月16日に政策金利を0.75%から1.00%程度へ引き上げました。ただ、市場では追加利上げペースが急速に早まるとの見方は限られており、円買いは一方向には進んでいません。そのため、豪ドル円は「RBAの利上げ一服による豪ドルの上値の重さ」と「円安基調の残り」がせめぎ合う形になっています。
RBAは利上げ一服も、インフレはなお高い
豪州の4月消費者物価指数(CPI)は前年比4.2%となり、3月の4.6%から鈍化しました。インフレ率はピークアウト感が出ていますが、RBAの目標である2〜3%はなお上回っています。
そのため、RBAは「利下げを検討する局面」ではなく、「追加利上げの必要性を見極める局面」にあるといえます。今後発表される豪州5月CPIや雇用統計でインフレの粘着性が確認されれば、追加利上げ観測が再び強まり、豪ドルの支援材料となる可能性があります。
逆に、CPIや雇用統計が弱ければ、RBAの追加利上げ観測は後退し、豪ドル円は111円台前半、場合によっては110円台後半を試す展開も考えられます。
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米PCEと中東情勢も豪ドル円の材料
米国では、FRBが6月のFOMCで政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。ただし、インフレは2%目標を上回っており、FRBは利下げよりも物価安定を優先する姿勢を維持しています。
今後発表される米PCEデフレーターが強い内容となれば、米金利の高止まり観測が強まり、豪ドル米ドルの上値を抑える可能性があります。豪ドル米ドルが下落すれば、豪ドル円にも下押し圧力がかかりやすくなります。
また、中東情勢にも注意が必要です。6月中旬以降、米国とイランの停戦延長や協議進展を受けて地政学リスクはいったん後退しました。ただし、ホルムズ海峡を巡る不透明感は残っています。再び緊張が高まれば、リスク回避の豪ドル売りにつながる可能性があります。
中国景気と為替介入リスクにも注意
豪ドルは中国経済の影響を受けやすい通貨です。豪州は鉄鉱石や石炭などの対中輸出が大きいため、中国景気への不安が強まれば、資源国通貨である豪ドルには売り圧力がかかりやすくなります。
また、ドル円が高値圏で推移していることから、日本政府・財務省による為替介入への警戒感も残っています。仮に円買い介入が実施されれば、豪ドル円を含むクロス円全体に下押し圧力がかかる可能性があります。
今後の注目イベント
今週は、豪ドル円の方向性を左右する材料が多く予定されています。
・6月24日(水)10:30 豪州 5月消費者物価指数(CPI)
・6月24日(水)15:40 氷見野日銀副総裁講演(植田日銀総裁の代読)
・6月24日(水)23:00 米国 5月新築住宅販売件数
・6月25日(木)10:30 豪州 5月雇用統計
・6月25日(木)21:30 米国 5月PCEデフレーター、1-3月期GDP確定値
・6月26日(金)8:30 日本 6月東京都区部CPI
豪ドル円見通し:112円回復か、111円台前半への下落か
短期的には、豪ドル円が112円台を回復できるかが焦点です。
豪州CPIや雇用統計が強ければ、RBAの追加利上げ観測が再び意識され、112円台回復から113円台前半への反発が視野に入ります。
一方、豪州指標が弱く、米PCEが強い内容となれば、豪ドル米ドルの下落を通じて豪ドル円にも下押し圧力がかかります。その場合、111円台前半、さらに110円台後半を試す展開も想定されます。
豪ドル円は、RBAの利上げ一服で上値が重くなっています。ただし、インフレが再び強まれば追加利上げ観測が復活する余地もあります。
目先は、豪州CPI、米PCE、中東情勢、中国景気、そして為替介入リスクを見ながら、112円台を回復できるかを確認したい局面です。
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