
6月16日、豪準備銀行(RBA)は2日間開いた理事会で政策金利を4.35%での据え置きを決めた。4会合ぶりの据え置きは予想通り。今回は、今年利上げを決定した3回の理事会の声明と議事要旨を振り返りつつ、6月30日に公表される最新議事要旨の注目ポイントを探る。その読み解きが、RBAの次の一手「追加利上げか、それとも長期据え置きか」を見極める手がかりとなるはずだ。
■ 2月(3.60%→3.85%):需要超過とインフレ急伸
2025年後半、国内インフレ率が中銀目標レンジ(2-3%)を明確に超過した。旺盛な民間消費や活発なビジネス投資が経済全体の供給能力を上回り、需要超過(プラスのアウトプットギャップ)が発生。労働市場も完全雇用水準より引き締まり、賃金コストの高止まりが確認された。緩和傾向にあった金融環境がインフレを抑制できていないとの判断から、全会一致で利上げに転じた。
■ 3月(3.85%→4.10%):中東紛争による原油高の直撃
国内の需要超過が続く中、中東での紛争勃発という外部ショックが加わった。エネルギー価格の急騰がヘッドラインインフレを直接押し上げ、短期的なインフレ期待も上昇。労働市場は依然タイトで、企業の生産能力も限界近くにあった。据え置きを主張する声(4名)もあったが、インフレ長期化リスクを早期に抑え込むべきとするタカ派意見が上回り、5対4の僅差で連続利上げを決定した。
■ 5月(4.10%→4.35%):価格転嫁の広がりと見通しの上方修正
中東情勢の長期化でエネルギーコストの高止まりが続く中、企業が上昇コストを製品・サービス価格へ転嫁する動き(二次的波及効果)が顕著になった。中銀の最新予測では基調インフレのピークが従来想定より高くなり、目標回帰が2028年半ばまでずれ込む見通しへ上方修正。8対1の多数決で3回目の利上げを敢行し、2025年の利下げ分を完全に巻き戻した。
※次の②では、6月16日の据え置き決定の中身と、6月30日公表の議事要旨で何を読み取るべきかを探る。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
