本日のロンドン為替市場では、欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表やラガルドECB総裁の定例会見が注目される。ただ、欧州午後のイベントであり、それまではイランを巡る中東の地政学リスクをにらみながらの取引となりそうだ。また、トルコでは中銀が政策金利を公表予定。
まず手掛かりとなるのは、再燃したイラン情勢の落ち着きどころだ。米軍による新たな空爆を受け、イランはホルムズ海峡を通る船舶への攻撃を警告した。アジア午前には原油先物が急騰する場面があったが、空爆はいったん収束したもようで、原油は上げ幅を縮めている。原油高こそユーロ圏の物価を押し上げてきた要因であり、足元の中東リスクはECBの政策判断を左右する重要なファクターだ。
そのECBは、本日の理事会で25ベーシスポイント(bp)の利上げに踏み切る公算が大きい。市場は利上げをほぼ完全に織り込んでおり、主要金利は2.40%への引き上げが見込まれている。背景には、イラン戦争を受けて4月に3%へ達したユーロ圏インフレと、(上昇は一服したものの)なお高止まりするエネルギー価格がある。
利上げそのものはサプライズになりにくく、市場の関心はラガルド総裁が7月以降の利上げ継続にどこまで踏み込むかに集まる。ユーロドルは8日に3月末以来の安値を記録し、利上げ織り込みが進んだ分だけ上値は重いという状況。総裁会見がタカ派色を帯びれば戻りを試す余地はあるものの、中東リスクと景気の下振れ懸念が戻りを抑えやすく、値幅の大きい展開には注意したい。
なお、日本時間20時にはトルコ中銀が金融政策を公表予定。主要政策金利は37%に据え置くとの見方が優勢だ。エネルギー高がインフレ再加速の芽を残すなか、当局がタカ派的な姿勢をどう示すかが注目される。対ドルでのリラ安になかなか歯止めがかからず、カラハン総裁の会見では、為替市場に対する当局の真剣度合も測ることになりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.1630ドル
・トルコリラ円、90日移動平均線3.53円
想定レンジ下限
・ユーロドル 3月31日安値1.1448ドル
・トルコリラ円 3.42円(先月22日早朝の流動性が枯渇しているときに記録)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
