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【見通し】株式明日の戦略-後場に上げ幅を広げて4桁上昇、日銀6月利上げの織り込みが進む

 9日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は1392円高の65416円。米国株は3指数がまちまちも、ハイテク株が買われたことが安心材料となり、寄り付きから600円を超える上昇。開始早々には上げ幅を4桁に広げて65000円台に乗せた。その後、いったん急失速してマイナス転換。ソフトバンクグループが買い先行から値を消すなど、AI関連の一角にさえない動きが見られたことが警戒された。ただ、下げたところではすかさず買いが入って盛り返すと、前場を600円を超える上昇で折り返した。

 後場は前引けから水準を切り上げて始まると、改めて上を試しにいく展開。14時台では1400円超上昇して65400円台に乗せる場面もあり、4桁の上昇で取引を終えた。一方、大型優位の中で新興銘柄は蚊帳の外となっており、グロース250指数は下落した。

 東証プライムの売買代金は概算で10兆9300億円。業種別では電気機器、保険、証券・商品先物などが上昇した一方、石油・石炭、鉱業、倉庫・運輸などが下落した。キオクシアホールディングスが後場に入って強く買われており、6%を超える上昇。半面、アストロスケールホールディングス、QPSホールディングス、Synspectiveなど、宇宙関連の弱さが目立った。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり842/値下がり670。東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテストなど半導体株の多くが大幅上昇。電子部品株の動きが良く、太陽誘電がストップ高。村田製作所が11.3%と急騰した。T&D、MS&AD、SOMPOなど保険株が全般堅調。証券会社のリポートを手がかりに、雪印メグミルク、キッコーマン、森永乳業など食品株に資金が向かった。

 一方、日立、富士通、NEC、ソニーGなど電機株の多くが下落。ファーストリテイリングやイオンなど小売の一角がさえなかった。証券会社が投資判断を引き下げた日東電工や日本航空電子が大幅安。三井金属や住友鉱山など非鉄株が売りに押された。

 日経平均は4桁上昇。前日の下げ分(2563円安)の半分近くを戻した。太陽誘電のストップ高に象徴されるように、AI関連は急落を経ても、動きが良くなってくればすぐに追随買いが入ってくる。後場に上げ幅を広げたキオクシアHDも強く、今後もこういった動きが各所で見られるようなら、8日の大幅安はクールダウンに過ぎなかったとの見方が強まるだろう。

 日経新聞電子版が、日銀が6月の金融政策決定会合で政策金利を1.0%に引き上げるとの観測を報じている。確度の高いニュースと考えられるが、きょうの日本株の売り材料とはならなかった。3日の植田総裁の講演で早期の利上げが意識されていただけに、織り込みも進んでいたとみられる。先の不透明な要素が一つ減ったことは、日本株にはプラスの材料。あすは米国で5月の消費者物価指数が発表されることから、これを前に上値追いには慎重になると思われる。きょうの後場の動きは良かっただけに、25日線(63819円、9日時点)を支えに下値を固めることができるかに注目したい。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ