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金(ゴールド)週間見通し|運命の米CPIは6月10日、4,500ドルを破れるか(XAU/USD)2026年6月4日

 

金相場見通し:米CPIが最重要ポイント、中東情勢は伏線(2026年6月4日)

作成日時:2026年6月4日 10:30

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

金(ゴールド)相場は、下値を支える材料と上値を抑える材料がぶつかり合う中、6月10日の米5月消費者物価指数(CPI)を前に、強気にも弱気にも決め打ちしにくい局面です。本稿では、金相場を見るうえで何を優先して確認すべきかを整理し解説していきます。

金(ゴールド)の今後1週間の想定レンジ:4,250~4,600ドル

金相場見通し(XAU/USD)|4,500ドル回復のカギはCPI

足元の金相場は、4,400ドル台半ばで上値の重い展開です。中東情勢は安全資産としての金を支える一方、原油高を通じてインフレ懸念や米金利高につながりやすく、金には重荷にもなっています。6月10日の米CPIを控え、投資家は積極的に買い上がりにくい状況です。

今後1週間の金相場は、下値を支える材料はあるものの、上値は重い展開が続きそうです。

目先の最大の注目点は、6月10日に発表される米5月CPIです。インフレの強さが確認されれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待はさらに後退し、金相場には逆風となります。4,500ドルを回復できるか、それとも4,400ドル台で上値の重さが続くかが焦点です。

金相場のファンダメンタル要因(インフレ・金利・株式・地政学)

ここで、改めて金相場に影響する要因を見ておきましょう。今の金相場で最も重要なのは、米金利とインフレ見通しです。米国では物価上昇への警戒が続いており、FRBの利下げ期待は後退しています。インフレが再び強まれば、追加利上げを意識する声も高まりやすくなり、金を持つ魅力は相対的に下がります。

次に見るべきなのは、株式市場の動きです。米国株が堅調だと、投資家の資金は「守りの金」よりも「攻めの株式」に向かいやすくなります。株高が続く場面では、金相場の上値は重くなりやすいと考えられます。

一方で、地政学リスクと中央銀行の金購入は下支え材料です。ただし、地政学リスクは単純な金買い材料ではありません。中東情勢の悪化は安全資産需要を高める一方、原油高、インフレ懸念、米金利上昇につながれば、金の上値を抑える要因にもなります。ここが、直近の金相場を難しくしている点です。

米雇用統計・CPIが与える影響(最重要イベント)

来週に向けては、6月5日の米5月雇用統計、6月10日の米5月CPIを見極める展開となります。

米雇用統計が強ければ、米景気の底堅さが意識され、米金利が上昇しやすくなり、金相場には逆風です。反対に、雇用の減速がはっきりすれば、FRBの利下げ期待がやや戻り、金相場の支えになる可能性があります。

そして、より重要なのは米CPIです。総合CPIが+4%前後へ上振れるか、コアCPIが+3%に近づくかが焦点です。CPIが強ければ、FRBが年内利上げを視野に入れてくることになり、金相場は上値の重い展開が続きやすいでしょう。

一方で、米CPIが市場予想を下回れば、金相場には反発余地が出てきます。ただし、翌週には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているため、CPI通過後も米金利やドルの動きを見ながら、慎重に方向感を探る展開になりそうです。

金相場のテクニカル分析:4,500ドル回復が最初の関門

金スポット 日足/25日・50日移動平均線 2026年6月4日

金スポット 日足/25日・50日移動平均線/RSI(14日)(外為どっとコムCFDネクスト)

日足チャートでは、金相場は25日移動平均線の4,570ドル付近、50日移動平均線の4,630ドル付近を下回っています。短期・中期の移動平均線を下回っているため、テクニカル面では上値の重い形です。

RSIは43.0で、中立圏にあります。売られすぎではないため、すぐに大きな反発を期待するより、まずは4,500ドルを回復できるかを確認したい場面です。上値は4,500ドル、4,570ドル、4,630ドルが順に意識されます。一方で、下値は4,400ドル前後、次に4,350ドル前後、4,250ドル前後が目安となります。

金相場の売買戦略:3つのシナリオと戦略の組み立て方

筆者のメインシナリオは、短期では戻り売り優勢です。4,500ドル台前半から4,570ドル付近で上値が重ければ、戻り売りを検討しやすいと考えています。

ただし、これはあくまで現時点のベースシナリオです。米CPIの結果次第では、金相場の見方は変わります。買いを考える場合は、4,350ドル前後~4,400ドル前後で下げ止まりを確認してからの反発狙いが基本になりそうです。一方で、4,630ドルを明確に上抜けるまでは、本格的な強気転換とは見にくい状況です。

大事なのは、「金は上がるか、下がるか」を一発で当てにいくことではありません。4,500ドルを回復できるのか、4,350ドル前後~4,400ドル前後で下げ止まるのか、米CPI後に米金利とドルがどう動くのか。この3点を見ながら、ご自身の見立てに合わせて戦略を組み立ててください。

あなたの金相場見通しは?3つのシナリオで整理

今回の金相場について、あなたはどのシナリオに近いと考えますか。

強気シナリオ

米CPIが市場予想を下回り、米金利が低下。金相場は4,500ドルを回復し、4,600ドル付近を試す。

中立シナリオ

米CPIを前に様子見が続き、金相場は4,400ドル前後から4,500ドル台前半で方向感を探る。

弱気シナリオ

米CPIが強く、米金利高・ドル高が進行。金相場は4,400ドルを割り込み、4,250ドル前後を試す。

金相場に影響する今後の重要イベントスケジュール

  • 6月4日(木)21:30 米新規失業保険申請件数
  • 6月5日(金)21:30 米5月雇用統計
  • 6月10日(水)21:30 米5月消費者物価指数(CPI)
  • 6月10日(水)26:00 米10年債入札
  • 6月11日(木)21:30 米5月卸売物価指数(PPI)
  • 6月11日(木)21:30 米新規失業保険申請件数
  • 6月11日(木)26:00 米30年債入札
  • 6月17日(水)27:00 金融政策、経済見通し発表
  • 6月17日(水)27:30 ウォーシュ新FRB議長会見
    対象期間外だが、翌週最大の材料。

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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