
ドル円レポート:地政学リスクと米景気指標の交錯
6月1日(月)NY市場:米製造業の力強い回復
イランが米国との交渉停止およびホルムズ海峡の完全封鎖を宣言し、バブ・エル・マンデブ海峡の封鎖も警告したことで原油先物価格が上昇。市場の警戒感が強まりました。
その後発表された米5月ISM製造業景況指数が54.0と市場予想(53.0)を上回り、約4年ぶりの高水準を記録。米長期金利の上昇とともにドル買いが加速し、ドル円は一時159.759円まで上値を伸ばしました。
NY終盤、「レバノンの親イラン組織ヒズボラが全面停戦の準備を完了し、トランプ米大統領に合意を伝えた」との報道が伝わりました。さらに、トランプ大統領が自身のSNS(Truth Social)に「ヒズボラ・イスラエル双方が攻撃停止で合意」「イランとの協議は急速に進展しており、来週中には停戦延長とホルムズ海峡再開の合意に達する見込み」と投稿。これを受け、一転して地政学リスクが後退し、ドル円は159.649円まで急速に押し戻されました。
6月2日(火)アジア市場:材料の消化と高値圏での揉み合い
早朝にトランプ大統領が改めて「来週中には停戦を延長し、ホルムズ海峡を再開するためのイランとの合意に達する見込み」と発言(昨晩のSNS投稿を追認)したものの、すでにNY時間で織り込みが進んでいたことから市場の反応は鈍いものとなりました。
東京時間に入ってからは新たな手がかりを欠き、ドル円は159円ミドルレベルを中心とした、大台手前での高値揉み合い・様子見の推移が続いています。
黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
