「円安はどこまで続くのか」「日本株はまだ上がるのか」「インフレで現金は目減りするのか」
2026年、日本経済は大きな転換点を迎えています。本記事では、経済アナリスト・朝倉慶氏の見解をもとに、ドル円相場・インフレ・日本株の今後を整理します。
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インフレが続く本当の理由|需要よりも「供給制約」が問題

現在の物価上昇は、景気回復による需要の増加だけが原因ではありません。朝倉氏が強調するのは、日本社会が直面している「供給不足」という構造問題です。
建設資材の不足、人手不足、熟練労働者の高齢化、物流制約——これらは景気の波で解決できる問題ではなく、少子高齢化と人口減少が絡んだ構造的な課題です。
特に建設業界では、団塊世代の引退が進む一方で若い担い手が不足しており、職人不足が深刻化しています。供給が増えない限り、物価への上昇圧力は続きます。
補助金政策はインフレを止められないのか
政府の補助金は短期的な家計支援として有効です。しかし財源が赤字国債であれば、長期的には通貨価値の低下を招き、インフレをむしろ助長するリスクがあります。根本的な解決にはならないというのが朝倉氏の見方です。
日銀の利上げはインフレに追いつけるか?

日銀は金融政策の正常化を進めていますが、朝倉氏はその対応について「後手に回っている」と指摘します。
インフレ局面では、企業は原材料調達・在庫確保・設備投資のために多くの資金を必要とします。そのため金利が多少上がっても資金需要は減らず、むしろ増える可能性があります。デフレ時代の「利上げ=需要減少」という教科書的な常識が、そのまま通用しない局面が来ていると朝倉氏は分析しています。
2026年ドル円見通し|円安が続く3つの理由

朝倉氏は2026年も円安継続シナリオを示しています。背景には以下の3つの要因があります。
①金利差
日米の金利差が続く限り、資金は高金利のドルへ向かいやすくなります。
②財政拡張
補助金や財政支出の拡大は通貨供給量を増やし、長期的には円の価値を押し下げる要因になります。
③実需によるドル買い
日本はエネルギーや資源を輸入に頼っており、円売り・ドル買い需要が構造的に発生し続けます。
為替介入で一時的に円高へ動く場面はあっても、政策の方向性が変わらなければ円安トレンドの転換は難しいとみられています。
日本株上昇の背景|AI需要とインフレが牽引

日経平均株価の上昇について、朝倉氏は「インフレ時代の株高」と捉えています。主な要因は2つです。
AI投資の拡大
半導体・電子部品・データセンター・通信設備など、AI関連需要が急増しています。供給不足が重なって関連企業の利益が拡大しており、これらの銘柄を多く含む日経平均株価がTOPIXを上回る展開(NT倍率の上昇)が続いています。
今後は、AI関連から銀行・建設・不動産などへ物色が広がるかどうかが注目点です。
現金よりも実物資産へ
インフレが進むと現金の実質価値が低下するため、株式・不動産・金(ゴールド)といった実物資産に資金が向かいやすくなります。ただし「株高=全員が豊かになる」わけではなく、資産を保有する人とそうでない人との間で格差が拡大する可能性があります。
現金だけを持つリスク
物価が上昇すると、現金の購買力は低下します。預金は安全に見えても、インフレ局面では実質的に目減りします。
朝倉氏は、株式・不動産・金・自己投資など、インフレに対応しやすい資産を持つ重要性を繰り返し指摘しています。ただしいずれもリスクを伴うため、自身の状況に合わせた判断が必要です。
まとめ|「インフレ時代」への適応が鍵
- ・インフレは供給不足という構造問題が原因であり、長期化する可能性が高い
- ・日銀の利上げはインフレの上昇に追いついていない可能性がある
- ・金利差・財政拡張・実需ドル買いが重なり、円安は継続しやすい環境
- ・日本株上昇の背景にはAI需要とインフレがある
- ・現金の実質価値は目減りするため、資産を持つ重要性が高まっている
朝倉慶(あさくら・けい)
1954年、埼玉県生まれ。1977年、明治大学政治経済学部卒業後、証券会社に勤務するも3年で独立。顧客向けに発行するレポートが、この数年の経済予測をことごとく的中させる。船井幸雄氏が著書のなかで「経済予測の超プロ・K氏」として紹介し、一躍注目される。 2008年に初めて著書を出版し、以降、ベストセラーとなる本を次々と出版。
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