
作成日時:2026年5月26日11時30分
トルコリラ円は、依然として上値の重い展開が続きやすい状況です。外貨準備高の減少や利上げ観測が一定の支えとなる一方、インフレや政治不安がリラ買いを抑えています。この先のトルコリラ円の見通しを解説します。
今後1週間の予想レンジ:3.40~3.52円
トルコリラ円(TRY/JPY)見通し、円安がサポートも上値は重い
2026年5月26日〜6月2日
今週のトルコリラ円は、3.40円〜3.52円を中心とする、上値の重いレンジ相場を想定します。米ドル円が158円台後半〜159円台で高止まりしていることは下支えになりますが、主役であるドル/トルコリラではリラ安圧力が続いており、リラ円の上昇力も限られやすい状況です。
トルコ中銀の大幅利上げ観測も浮上
焦点は、外貨準備高と追加利上げ観測です。トルコ中央銀行(TCMB、以下トルコ中銀)は、リラ急落を防ぐために流動性を絞り、外貨準備を使った防衛も続けていると見られます。ただし、2026年5月15日時点の外貨準備高は約1,686億ドルある一方、短期対外債務も大きく、外貨準備高の総額だけで安心できる状況ではありません。
このため市場では、2026年6月11日の金融政策決定会合、またはそれ以前に、政策金利が現在の37.00%から40.00%へ引き上げられる可能性が意識されています。利上げ観測はリラの下支え材料ですが、同時に「利上げが必要なほどリラ防衛が難しくなっている」という見方の裏返しでもあります。そして、市場はどちらかと言えば、後者の懸念が高まることを警戒しています。
インフレ加速と政治リスクも悩みの種
また、インフレもリラの重しです。2026年5月4日発表の4月消費者物価指数(CPI)は前年比+32.37%となり、3月の+30.87%から再び上昇しました。高金利はリラを支える材料ですが、物価上昇が続けば、市場は「この金利で本当にインフレとリラ安を抑えられるのか」を疑いやすくなります。
加えて、最大野党(CHP)を巡る司法判断も政治不安として意識されています。トルコリラは、経済指標だけでなく、政治の安定性や中銀の独立性への信頼にも大きく左右されます。そのため、高金利でもリラ買いが続きにくい状況です。
トルコリラ円のテクニカル分析、50日移動平均線が抵抗帯

テクニカル面では、現在値は3.45円台後半で、10日移動平均線の3.47円付近をやや下回っています。50日移動平均線は3.52円付近にあり、3.50円〜3.55円は戻り売りが出やすい上値抵抗帯です。
RSI(9日)は38.2で弱い状態ですが、売られすぎを示す30にはまだ届いていません。下値では3.44円前後、次に5月安値圏の3.42円前後が意識されます。ここを割り込むと、3.40円方向への下押しリスクが高まりやすくなります。
売買戦略
売買戦略としては、現時点では強気に買い上がるより、3.40円台を維持できるかを確認する局面です。3.42円〜3.44円で下げ止まり、10日移動平均線の3.47円を回復できれば、短期的に3.50円台前半への戻りを試す可能性があります。
反対に、3.42円を明確に割り込む場合は、買い目線をいったん弱める判断が必要になります。
今後の重要イベント(日本時間)
- 5月28日(木)米国 21:30 4月個人消費支出、1~3月期国内総生産(GDP)改定値
- 5月29日(金)日本 08:30 5月東京都区部消費者物価指数(CPI)
- 6月1日(月)トルコ 16:00 1~3月期国内総生産(GDP)
- 6月2日(火)トルコ 20:30 週次外貨準備高(5月22日報告分)
- 6月4日(木)トルコ 20:30 週次外貨準備高(5月29日報告分)
- 6月11日(木)トルコ 20:00 トルコ中銀 金融政策決定会合
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