
作成日:2026年5月25日 11時00分
今週のドル円相場は、米金利の高止まりや中東情勢の不透明感を背景に下値が支えられる一方、160円接近では介入警戒が強まり上値が重くなる展開が予想されます。米PCEや米・イラン交渉、原油価格など複数の材料が交錯する中、今週のドル円戦略について解説します。
今週(5月25日〜29日)のドル円見通し:158円後半は追わず、158円割れを待って押し目買い
今週のドル円の予想レンジ157.50円~160.30円
今週のドル円は、157円台後半〜159円台後半を中心とした、やや上向きのレンジ相場を想定します。米金利の高止まりや中東情勢の不透明感が下値を支える一方、160円に近づくと政府・日銀による円買い介入への警戒が強まりやすく、上値も素直には伸びにくい局面です。
基本的には、下値を少しずつ切り上げながら159円台を試す展開を想定します。ただし、現在の158円後半で追いかけて買うよりも、158.00円割れまで待ち、157.50円を損切りラインとして押し目買いを狙う方が、今の相場には合っていると考えます。
米金利高止まりがドル円の下値を支える
米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを急ぎにくい状況が続いています。4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+3.8%上昇し、食品とエネルギーを除くコア指数も+2.8%上昇しました。インフレ鈍化はまだ十分とは言えず、米金利が下がりにくい背景になっています。
米10年債利回りも4.5%台で推移しており、金利差を意識したドル買い・円売りは残りやすい環境です。そのため、ドル円は大きく下げた場面では買いが入りやすく、下値は支えられやすいと考えます。
ただ、160円接近では日本政府の介入警戒高まる
一方で、上値には政府・日銀による円買い介入への警戒があります。4月末にドル円が160円台へ上昇した後、急落したことで、市場では日本当局の介入が強く意識されています。
そのため、159円台後半から160円に近づく場面では、買い上がるよりも利益確定を優先する参加者が増えやすいと考えます。上昇余地は残っていますが、160円付近では値動きが荒くなるリスクに注意が必要です。
中東情勢、米国とイラン交渉の行方が原油と米金利に影響
今週は中東情勢も重要です。米国とイランの交渉が進展すれば、ホルムズ海峡や原油供給への不安が和らぎ、原油価格の上昇圧力は低下しやすくなります。その場合、米インフレ懸念がやや後退し、ドル円の上値は重くなる可能性があります。
一方で、交渉が停滞すれば、原油高を通じて米インフレ懸念が強まり、米金利高止まりからドル円が再び159円台後半を試す可能性があります。日本はエネルギー輸入国であるため、原油高は円にとっても負担になりやすく、円売り材料として意識されやすい点にも注意が必要です。
シカゴ通貨先物:円ショートが増加、巻き戻しには警戒

シカゴ通貨先物市場では5月19日現在、円買いポジションは前週比で +6,448枚となり、円売りポジションは前週比で +25,251枚。これに伴い、投機筋ポジションの売り越しは前週比で +18,803枚となっています。
前週からはロングも増えていますが、ショートの増加幅の方が大きく、円売り方向のポジションは小幅に積み増されています。これは、米金利高止まりや円安基調を見込む投資家がなお多いことを示しています。一方で、円ショートが残っている分、政府・日銀による介入警戒や米金利低下、中東情勢の急変があれば、円ショートの巻き戻しによってドル円が急落しやすい点には注意が必要です。
ドル円テクニカル分析&売買戦略:157.60円を守れるかが焦点、引き付けて押し目を拾う

テクニカル面では、現在のドル円は10日移動平均線の158.65円付近、50日移動平均線の158.75円付近に近く、短期的な分岐点にあります。RSI(9日)は54.7で、買われ過ぎではありません。
ただし、現在値の158円後半から追い買いするには、160円接近時の介入警戒を考えるとややリスクがあります。むしろ、158.00円割れまで引きつけて買い場を探る方が、損切りラインを明確にしやすい局面です。
重要な下値目処は、100日移動平均線がある157.50円付近です。157.50円を守れる限り、5月安値155.03円からの戻り相場はまだ崩れていないと判断できます。反対に、157.50円を明確に割り込む場合は、押し目買いはいったん撤退したいところです。
売買戦略
基本方針
今週の売買戦略は、158円後半では追い買いせず、158.00円割れを待って押し目買いを検討する形です。157.50円を損切りラインとして意識し、157円台後半で下げ止まりを確認できれば、再び159円台を試す展開を狙います。
売買の目安
- 買い場:157.80〜158.00円
- 損切り:157.50円割れ
- 第一利食い:158.65〜158.75円
- 第二利食い:159.50円前後
- 最終利食い候補:160.00〜160.30円
今週の重要イベント
- 5月25日(月)米国 終日 メモリアルデーで米債券市場・株式市場が休場
- 5月28日(木)米国 21:30 1〜3月期米国内総生産(GDP)改定値
- 5月28日(木)米国 21:30 4月米個人所得・個人消費支出、米個人消費支出(PCE)価格指数
- 5月28日(木)米国 21:30 4月耐久財受注
- 5月28日(木)米国 21:30 新規失業保険申請件数
- 5月29日(金)日本 08:30 5月東京都区部消費者物価指数(CPI)
まとめ
今週のドル円は、下値は米金利高止まりと中東リスクで支えられやすい一方、上値は介入警戒と米イラン交渉の進展期待で抑えられやすい相場です。
高値を追うよりも、158円割れを待ち、157.50円を背に押し目買いを狙う週と見ています。ただし、159円台後半では深追いせず、段階的な利益確定を優先したい局面です。
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