19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ベッセント米財務長官の発言「過度な為替変動は望ましくないと考えている」を受けて158.67円まで急落したものの、米10年債利回りが昨年1月以来の水準となる4.68%台まで上昇したことで一時159.25円まで上昇した。ユーロドルは、米長期金利の上昇を受けて1.1592ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、引き続きイラン攻撃再開警戒のドル買いと本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感のせめぎあいが継続する展開が予想される。
トランプ米大統領は、19日に予定されていたイランへの攻撃再開を中東3カ国の要請受けて延期していた。しかし、昨日には数日以内にイランへの攻撃を再開すると警告した。大統領は「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」と記者団に語り、いつまで待つのかと問われると、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」と答えている。
ドル円は1月23日の日米協調のレートチェックの時の高値圏159円台に乗せ、4月30日の円買い介入の時の高値圏160円台を窺う展開となっており、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が高まっている。
G7会議の共同声明では、為替政策について、G7が長く掲げてきた為替レートを人為的に操作しないことや、過度な為替変動が経済に悪影響を及ぼし得ることに言及した「2017年5月の為替相場についてのコミットメント」について再確認するとの文言が盛り込まれた。片山財務相はこれを受け、4月末の大規模介入など日本の為替政策の姿勢について、「総じて理解された」との認識を示し、為替動向に「断固たる措置を取るときは取る」と改めて警告している。
また、ベッセント米財務長官は植田日銀総裁との会談の後、「過度な為替変動は望ましくない(excess volatility in foreign exchange rates is undesirable)」「日本経済のファンダメンタルズは強固」「日銀の独立性確保なら植田総裁は必要な措置を講じると確信」と述べている。
植田日銀総裁は中東情勢を背景にしたインフレ懸念の高まりや、国内の物価情勢の見通しなどが影響しているとの見方を改めて示した上で、「政府と緊密に連携していきたい」と述べ、6月日銀金融政策決定会合での利上げの可能性を示唆している。なお、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場によると、6月会合での利上げ確率は80%前後となっている。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
