15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時158.84円まで上昇した。ユーロドルは1.1617ドルまで下落し、欧州序盤に付けた日通し安値に面合わせした。原油高に伴うインフレ懸念を背景に米10年債利回りが一時4.6023%前後まで上昇し、ドル高が進んだ。
本日の東京外国為替市場のドル円は、原油価格や米長期債利回りの上昇を背景に159円台を窺う展開が見込まれるものの、引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
米国とイランの戦争終結に向けた協議の行方に不確実性が高まっていることで、原油価格は高騰し、米10年債利回りも4.60%台まで上昇しており、ドルは全面高の様相を呈しつつある。先週の米中首脳会談では、ホルムズ海峡の航行再開が必要との認識では一致したものの、その実現に向けた具体的な進展は示されなかった。
日本の10年債利回りは2.73%台と1997年5月以来およそ29年ぶりの水準に上昇し、30年債利回りは初めて4.0%台に乗せてきている。国債の売りは円売りに波及しており、史上最高値圏にある日本株が原油高や金利高、そしてナフサやレアアース不足などから反落に転じた場合、トリプル安・日本売りの様相を呈することになる。
日本の4月の企業物価指数は前年同月比で4.9%の上昇となっており、中東情勢の悪化による原油高が川上の価格を押し上げていることが確認された。22日に発表される4月の全国消費者物価指数(CPI)では、川下の物価上昇の程度を確認することになる。
6月15-16日に開催される日銀金融政策決定会合では、80%近い確率で利上げが予想されており、それまでは本邦通貨当局が介入により円安を抑制していくことが予想される。
先日来日して片山財務相との会談に臨んだベッセント米財務長官は「通貨市場における望ましくない過度のボラティリティへの対応において、意思疎通と協調は常時、強固に継続している」と語った。為替介入に理解を示しつつも、「植田総裁が日銀を成功に導く金融政策を進めることに大きな信頼を寄せている」と述べ、日銀利上げを優先してほしいというニュアンスだった。片山財務相は「為替政策について米国から完全な理解を得た」と示しており、1998年6月のような日米協調によるドル売り・円買い介入のサプライズにも警戒しておきたい。なお、片山財務相は本日からのG7財務相・中銀総裁会議で「世界的な金利上昇」が話題になると述べており、同会議での発言にも注目したい。
1998年6月17日にドル円が144円台まで上昇した局面で日米協調介入が行われ、高値144.14円から安値136.03円まで8.11円下落した。この時、米国が8億ドルのドル売り、日本が2312億円の円買いを行い、合計で約25億ドル規模の介入だった。1月のベッセント財務長官主導によるレートチェックが日米債券市場の下落阻止を狙ったものだったことを踏まえれば、再び協調行動が取られる可能性は排除できない。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
