本日のニューヨーク為替市場のドル円は、北京で開催中の米中首脳会談を巡るヘッドラインを注視しつつ、158円台への接近に伴う本邦当局の介入を警戒する、極めて神経質な展開が見込まれる。
経済指標では、4月米小売売上高や週間の新規失業保険申請件数が発表される。米景気の堅調さが確認されれば、本来ならドル買いを促す材料だ。しかしながら足もとでは、強いインフレや雇用を背景に米長期金利が上昇しても、ドル買いが続かない局面が見られる。本日の指標結果が良好であっても、市場の反応は限定的となる可能性があり、むしろ上振れた際に158円台乗せとなれば「介入のトリガー」として警戒する向きが強い。
為替水準を巡る日米の連携にも注目だ。今年1月、ベッセント米財務長官主導のもと、日米債券市場の混乱を抑える形でレートチェックが実施された経緯がある。現在、日米の長期金利が共に高水準で推移するなか、両国が円安抑制に向けて再び足並みを揃えるとの観測は、160円を窺うドル円の上値を重くしている。
市場のもう一つの焦点は、米中首脳会談の「落とし所」だ。トランプ大統領が通商面で一定の譲歩を見せ、イランとの戦争終結に向けた前向きな姿勢を示せば、市場には安心感が広がるだろう。原油価格の落ち着きを伴う「地政学リスクの緩和」は、ドル高・円安の勢いを削ぐ材料となる。
一方で、リスクシナリオは台湾問題を巡る衝突だ。習近平国家主席が「核心的利益」と強調するように、この問題で合意が得られず対立が激化すれば、リスクセンチメントは一気に悪化する。米中関係全体が非常に危険な状況に追い込まれれば、相場は予測困難な乱高下に翻弄されることになるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.82円(日足一目均衡表・雲の上限)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.49円(日足一目均衡表・転換線)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
