
【先週末の振り返り】米雇用統計は強弱入り混じる結果に
注目された5月米雇用統計は、労働市場の底堅さと賃金インフレの鈍化が同時に示される結果となりました。
非農業部門雇用者数は11.5万人増となり、市場予想の6.2万人増を大きく上回りました。失業率は4.3%と市場予想通りでした。一方、平均時給は市場予想を下回り、インフレ圧力の緩和を示唆する内容となりました。
【値動き】雇用者数上振れ後、平均時給の弱さで押し戻される
ドル円は、雇用者数の上振れを受けて一時156.797円まで上昇しました。しかし、その後は平均時給の弱含みを受けて米長期金利が低下し、ドル売りが優勢となりました。結局、156.430円まで押し戻されるなど、方向感の定まらない展開となりました。
【本日の動き】中東情勢緊迫化で「有事のドル買い」
週明けのアジア市場では、地政学リスクの再燃が相場を牽引しています。
トランプ大統領の反発
10日、イランは米国の和平提案に対して回答を送付しました。しかし、トランプ米大統領がSNSで「全くもって受け入れられない」と拒絶したことで、交渉進展への期待が後退しました。
原油価格の急騰
情勢の不透明感から、WTI原油先物価格はオープン直後に98ドル台後半まで急騰しました。これを受けて、資源国通貨の下落やコストプッシュ型インフレへの懸念が意識されました。
ドル円の推移
ドル円は「有事のドル買い」が優勢となり、本日午前に一時156.977円まで値を切り上げています。
【今後の注目点】日米要人会談と通貨政策
市場の関心は、明日12日に予定されているベッセント米財務長官と日本政府要人(高市早苗首相、片山さつき財務相)との会談に移っています。
円安牽制や通貨政策への踏み込みに注意
ベッセント氏は、かねてより「過度な円安」や「日銀の対応」について言及しています。そのため、今回の会談で円安牽制や通貨政策に関する具体的な踏み込みがあるかが焦点です。
発言内容によっては、これまでのドル高トレンドにブレーキがかかる可能性があります。ドル円は引き続き、米金利動向、中東情勢、日米当局者の発言に振らされやすい展開が続きそうです。
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黒川健(くろかわ・たける)
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
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