本日のNY市場におけるドル円は、為替介入への警戒感とイラン情勢を巡る不透明感を背景に、神経質な上下動が見込まれる。アジア時間に観測されたドル円の急落については、本邦当局による介入かどうかの確証は得られていないものの、仮に介入であったとしても、その効果が徐々に減衰している可能性には留意が必要だろう。
2024年のゴールデンウイークには、4月29日および5月1日の2日にわたり円買い介入が実施されており、今年も同様に複数日にわたる介入を見込む向きが多かった。当時は初回介入で高値から5.63円、2回目で4.95円の下落幅を記録した。一方、今年は4月30日に5.15円の下げを見せたものの、本日分については確認こそ取れていないが、値幅は1.53円にとどまっている。さらに、先週末の安値155.50円にも届いていない点を踏まえると、押し目では積極的な買い意欲が依然として強いことがうかがえる。断続的な介入、あるいは従来以上の大規模介入が実施されない限り、相場は徐々に下値を切り上げる展開が想定され、通貨当局にとっては極めて難しい舵取りが迫られる局面といえる。
一方、イラン情勢も引き続き市場の主要テーマである。早朝には、米国がホルムズ海峡を航行する船舶の誘導支援を開始すると発表したことで、時間外のWTI原油先物価格は一時99ドル台前半まで軟化した。しかし、この流れは長続きせず、その後は買い戻しが優勢となり、先週末終値を上回る107ドル台まで上値を伸ばしている。加えて、全米自動車協会(AAA)が公表するレギュラーガソリン価格は、1週間前の1ガロン4.111ドルから4.457ドルへと急上昇しており、米国内では燃料価格高騰への懸念が一段と強まっている。こうした状況を受け、市場ではトランプ政権によるホルムズ海峡の逆封鎖解除を期待する声も聞かれる。もっとも、これを実行すれば今回のイラン攻撃の戦略的成果が失われかねず、政権にとっては極めて難しい判断を迫られる構図となっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、1日高値157.33円を超えると、日足一目均衡表・雲上限、転換線、基準線が重なる158.11円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、1日安値155.50円を割り込むと、200日移動平均線154.15円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
