本日のロンドン為替市場は、序盤は植田日銀総裁の定例会見を受けた円相場が主流になる。インフレ進行を受けたタカ派度合いがどの程度かに注目したい。昼頃に公表された政策金利は、予想通りに据え置きだったが、9人の委員中3人が利上げを主張した。市場は円買いで反応したものの、円高への振れ幅は限定的とも言える。植田総裁が想定内の受け答えに留まった場合、反動による円売りには注意をしておきたい。
日銀イベント関連の動き一巡後は、イラン情勢やそれに伴う原油相場の動きを見極めながらの値動きとなる。米国とイランの和平協議を巡る不透明感は強まったままだ。イランは昨日、核問題を先送りしてホルムズ海峡の封鎖解除を優先する新提案を米側に提示した。しかしながら、一部通信社が米当局者の話として「トランプ大統領はイランの提案に不満を持っている」と伝え、早期進展への期待はそれほど高まっていない。
また、プーチン大統領がイランのアラグチ外相と会談し、和平支援を表明しつつイランの立場に同調する姿勢を示したことも、交渉構図の複雑さを印象づけた。最悪の事態は逃れられたとはいえ、中東情勢の不安定さは続いているため、エネルギー供給への懸念は消えていない。WTI原油先物相場は高止まりし、各国・地域でインフレ懸念はくすぶり続けている。このところ反応は鈍いものの、「有事のドル買い」は依然として意識すべきだろう。
なおポンド絡みでは、英石油大手シェルによるカナダの石油ガス生産会社ARCリソーシズの大型買収が発表されており、資金フローへの思惑が相場の話題として浮上している。買収総額は負債を含めて164億ドルに上るが、支払いの大部分はシェル株での充当となる見通しで、直接的なポンド売りフローが生じるかどうかは定かでない。買収完了も年後半が見込まれており、実需面での影響が出るとすれば先の話になる。市場の反応を見極めながらの対応となろう。
米国の話になるが、本日から連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長にとって最後となるだろう会合は、政策金利の据え置きがほぼ確実視されている。しかしながら、原油高を背景としたインフレリスクへの警戒から、声明や会見でタカ派的なニュアンスが示されるかどうかに市場の関心が集まっている。利上げを示唆する観測報道が出た場合にはドル買いが強まり、欧州通貨にとっての一段の逆風となり得るだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、21日高値1.1791ドル
・ポンドドル、2月17日高値1.3635ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、23日安値1.1669ドル
・ポンドドル、23日安値1.3448ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
