27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米国とイランの交渉を巡る不透明感が根強い中、原油先物相場の持ち直しや米金利上昇に伴うドル買いで、日本時間夕刻の安値159.10円から159.46円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは、1.1755ドルから1.1719ドル付近まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領のイランの暫定合意案に対する見解に警戒しながら、金融政策の現状維持がほぼ確実視されている日銀金融政策決定会合での利上げ主張の委員数を確認。その後は、15時30分からの植田日銀総裁の記者会見に注目することになる。
昨日、イランはホルムズ海峡再開と引き換えに米国も海上封鎖を解除するという暫定合意と、核開発計画を巡る交渉を先送りする条件を提案した。トランプ米大統領は、イランの提案を協議するため国家安全保障担当の高官らとの会合を開き、まもなく言及するとのことで警戒しておきたい。
本日発表される日銀金融政策決定会合の金融政策は、現状維持がほぼ確実視されており、注目ポイントは、植田総裁の据え置き提案に対して、何名の委員が反対して利上げを主張するのか、そして、植田総裁の6月会合に向けた見解となる。タカ派の高田日銀審議委員は利上げを支持し、田村日銀審議委員も利上げを支持する可能性があることで、7対2での据え置きが見込まれるが、もう1名が利上げを主張して、6対3になれば、「タカ派的な据え置き」となり、ドル円の上値は抑えられることになる。
2024年4月26日(金曜日)の日銀金融政策決定会合では、金融政策の現状維持が決定され、声明文からは「現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」が削除された。その後の植田総裁の会見では、「金融政策は為替レートを対象にしていない」との立場を明確にし、「円安で基調的な物価上昇率に無視できない影響が発生すれば政策の判断材料になる」と述べた。一方で、最近の円安について「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと判断した」と述べたことで、ドル円は、円安阻止のために日本銀行が早期に追加利上げを行うとの観測が後退し、158円台まで上昇した。
4月29日(月曜日)、東京市場が休場だったアジア市場で、ドル円は160.17円まで上昇したが、13時過ぎに本邦通貨当局による覆面でのドル売り・円買い介入(5兆9185億円※過去最大)が断行され、154円台まで反落した。
片山財務相は、2024年の連休中の為替介入には効果があったと評価した上で「フリーハンドで投機的な動きに断固たる措置をとる」「大型連休中を含めた米国との緊密な連携」に言及しており、2024年4月末の再現には警戒しておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
