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【見通し】NY為替見通し=ドル、信認不安から上値の重さ続くか なお中東の火種は残る

本日のニューヨーク為替市場では、今週に入り相場を主導してきた「有事のドル買い」の巻き戻しが続くかが焦点となりそうだ。米イラン再協議観測が伝わり、ひとまず最悪シナリオへの懸念はやや後退している。実際、原油相場も前日に大幅反落し、過度に積み上がった地政学プレミアムをはがす動きが優勢となった。足もとでは、ドル円は上昇一服後の反落局面、ユーロドルはドル売り戻しを支えに下げ渋る展開を想定したい。

 もっとも、相場が一気に平時へ戻るとみるのは早いだろう。トランプ米大統領は交渉再開の可能性に言及する一方、停戦延長には慎重な姿勢を崩しておらず、協議進展への期待と情勢再緊迫化への警戒がなお併存している。ホルムズ海峡を巡る攻防も続いており、供給網の混乱がすぐに解消するとは見込みにくい。中東で再び緊張度が高まれば、有事のドル買いが再燃しやすいという土台も残ったままだ。

 その一方で、単純にドルを積極的に買い戻しにくい事情もある。軍事的圧力をかけてもイランは体制を維持し、ホルムズ海峡をなお揺さぶり得る立場を保っている。戦闘が最悪期を越えたとしても、米国主導で秩序を立て直せるのかには疑問が残りやすい。ドルは有事局面で買われやすい半面、その後の局面で米国の抑止力や統治力への見方が揺らげば、上値を抑えられやすい。今回も、有事のドル買いが後退するなかで、ドルの信認低下を意識した売りが重なる可能性がある。

 さらに、中東の混乱が実体経済に及ぼす影響も無視しにくい。原油が反落したあとも時間外で切り返しているのは、供給不安がなお消えていないためだろう。今晩は米NY連銀製造業景気指数、米輸入物価指数、ベージュブックに加え、G7財務相・中銀総裁会議やIMF・世界銀行春季会合に絡む当局者発言が予定されている。材料が一方向に相場を決める場面ではないが、景気や物価に慎重な見方が強まれば、ドルの戻りを抑える一因となりそうだ。

想定レンジ上限
・ドル円、昨日高値159.46円を超えると13日高値159.86円

想定レンジ下限
・ドル円、9日安値158.49円を割り込むと8日安値157.89円


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ