
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<東京市場のドル/円>
ドル円相場は昨日、米国とイランによる停戦合意を受けてドル売りが強まり、159円台後半から157円台後半まで急落する展開となった。しかしその後は徐々に値を戻し、本日は158円90台まで持ち直す動きとなっている。この背景には、停戦合意をめぐる双方の解釈の相違が表面化し、先行き不透明感が再燃したことがある。
<イラン情勢、停戦合意破棄の可能性も>
停戦合意の内容を整理すると、まず米国側はホルムズ海峡の完全かつ即時の安全な解放を条件に、2週間の攻撃停止を表明した。一方のイラン側は10項目の提案を提示しつつも、その詳細が確定するまで終戦(終結)には応じない姿勢を崩していない。問題となっているのは、イスラエルは停戦の対象にヒズボラは含まれないと主張し、レバノンへの空爆を継続していることだ。これに対しイランのガリバフ国会議長は「レバノンは停戦合意に含まれる」として、イスラエルの攻撃が続く場合には合意を破棄すると警告した。一方、米国・イスラエル双方はレバノンは合意対象外であるとの立場を維持しており、双方の認識が根本的にかみ合っていない状態だ。さらにトランプ大統領は、万一合意が成立しなければ「これまでに誰も見たことのないほど大規模で強力な戦闘」を開始すると言明しており、地政学的リスクの高止まりが続いている。
<テクニカル分析>
テクニカル面では、直近高値・安値を基準にフィボナッチ・リトレースメントを引くと、現在値の158円90台付近は概ね半値戻し(50%)に相当する。また159円付近でもあり、上値抵抗として意識されやすい水準だ。足元の値動きはダブルボトムに近い形状を形成しており、海外市場での159円突破は十分あり得るシナリオと見られる。ただし160円の突破となると、停戦合意が維持されている限りは上値が重く、現状では「遠のいた」感がある。
<今後のシナリオは>
今後のシナリオを整理すると、大きく二つに分かれる。停戦が維持される場合には、ドルの買い戻しは続いても160円突破は難しく、159円台を上値とした推移が中心的なシナリオとなりそう。一方、イランが停戦を破棄し、トランプ大統領が大規模攻撃に踏み切る事態となれば、原油価格が急騰しドル買いが再燃することで160円突破も視野に入ってくる。当面は米イラン双方のヘッドラインに一喜一憂する展開が続くと見ておくべきだろう。
<本日の経済指標>
21時30分にPCEデフレーター(2月分)と新規失業保険申請件数が発表される。PCEはイラン情勢が本格化する前のデータであるため、相場への影響は限定的と見られる。むしろ注目すべきは雇用関連指標で、FOMCの議事録でもイラン情勢が労働市場の下振れリスクとして言及されており、雇用への影響が出始めているかを確認する意味で失業申請件数が重要となる。また明日は3月分の米CPI(消費者物価指数)が発表予定であり、イラン情勢の影響が初めて反映される可能性があるインフレ指標として、市場の注目度は高い。引き続き地政学リスクの動向と経済指標の両軸を注視したい。
<ドル/円チャート 15分足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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