
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<米国・イラン停戦合意>
本日、米国とイランが停戦合意に達したと報じられ、地政学リスクの緩和を受けてドル買いが巻き戻され、原油価格も急落する展開となった。ただし、停戦はあくまで暫定的な2週間の攻撃停止であり、「終結」ではない。イスラエルが依然としてヒズボラへの攻撃継続を示唆していることもあり、情勢の先行きには不透明感が残る。
<ドル円相場:高値から約2円の急落>
ドル円は昨日、一時160円台まで上昇する場面があったが、米・イラン停戦合意の報道を受けてドル買いが急速に巻き戻され、現状は158円台での推移となっている。高値からの下落幅はおよそ2円に達した。
テクニカル面では、158円近辺が現在のサポートとして機能している。下値の目処としては157円台後半(157円50銭前後)または157.20円台が意識される水準となる。一方、160円方向への上昇余地は短期的に縮小したとみられる。
攻撃が始まる前の水準は156円台であったが、現時点で速やかにそこまで戻るとは考えにくい。終結への不透明感が残る限り、下値も一定程度底堅く推移するのではないか。現状の基本シナリオとしては、159円程度への戻りも十分あり得る水準感であり、引き続きイラン情勢のヘッドライン次第の展開となろう。
<WTI原油:高値から約20ドル急落、ただし60ドル台への回帰は困難>
WTI原油(CFD)は高値109ドルから一時安値91ドルを記録した後、現在は96ドル台で推移している。停戦合意を受けて需給逼迫懸念が和らいだ格好だが、依然として攻撃開始前の60ドル台を大きく上回る水準にある。
ホルムズ海峡の安全通航が確保されたとしても、イラン側への攻撃による被害の実態、そしてイスラエルがヒズボラへの攻撃を継続していることを踏まえると、原油価格が短期間で開戦前の水準に戻ることは現実的ではない。原油の高止まりが続けば、世界的なインフレ懸念のにもつながり、各国の金融政策の先行きを複雑にさせる可能性もある。
<停戦合意の詳細:あくまで「暫定停戦」>
米国側(トランプ大統領)は、イランがホルムズ海峡を即時・完全かつ安全に開放することを条件として、2週間にわたりイランへの攻撃を停止することに同意した。トランプ大統領は「すべての軍事目標を達成した」と表明しつつ、イランとの長期的な平和合意が目前に迫っているとして、今後の交渉に期待を示している。
イラン側は10項目の提案を提示しており、米国戦闘部隊の地域全基地からの撤退などが含まれる。イランは、詳細が確定するまでは戦争の「終結」を受け入れないとしており、あくまで協議の入り口に立った段階に過ぎない。
4月10日にはパキスタンのイスラマバードで協議が予定されており、今後の進展が注目される。
<イスラエルについて>
停戦合意後も、イスラエルによる攻撃は継続されたと報じられている。ネタニヤフ首相はトランプ大統領の停戦方針を支持する姿勢を示しつつも、「ヒズボラは対象外」と明言しており、今後も攻撃を継続する意向を示唆した。
イスラエルの動向は中東情勢全体の不安定要因として残り続けており、市場参加者が完全にリスクオフ姿勢を解除することを難しくしている。
<本日の注目イベント:FOMC議事録>
本日深夜(日本時間27時)には、FOMCの議事録が公表される予定である。前回の会合では、次回会合において利上げの可能性について議論があったとされており、イラン情勢を踏まえた金融政策の方向性がどのように議論されていたかが焦点となる。内容次第ではドル相場に一定の反応が生じる可能性もあり、注視が必要な時間帯となる。
<まとめ>
米・イランの停戦合意はドル売り・原油安のきっかけとなったが、「終結」に至るかどうかは依然不透明である。イスラエル問題という追加リスクもあり、完全な地政学リスクの解消は見込みにくい。原油は高止まりが続くとみられ、世界的なインフレ懸念がくすぶる中、FOMCの動向も含め、引き続き市場の先行きは予断を許さない状況にある。
<ドル/円チャート 15分足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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