
執筆日時:2026年4月6日 14時15分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
2026年3月の米雇用統計:反発と弱さが同居した複雑な結果
雇用統計の概要
2026年3月の米国雇用統計は、強さと弱さが混在する複雑な結果となりました。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比17.8万人増と、2月の▲13.3万人から大きく反発しました。一方、失業率は4.3%へ低下しました。
セクター別の動向
雇用者数が大きく持ち直した背景には、2月に見られた一時的な悪材料の剥落が大きく影響しています。特に医療・社会福祉分野は、3月は7.6万人増となり、なかでも外来医療サービスが5.4万人増、医師オフィスが3.5万人増と目立ちました。ストライキの収束が押し上げ要因となったとみられます。
また、寒波の影響で弱かった建設業(+2.6万人)、レジャー・接客業(+4.4万人)、運輸・倉庫業(+2.1万人)もそろってプラスに転じました。
一方で、金融(▲1.5万人)や情報通信(▲0.3万人)といったホワイトカラー分野の低迷は続き、政府部門も▲0.8万人と減少するなど、雇用回復の広がりには依然として限界が見られます。
労働市場の評価
ヘッドラインである非農業部門雇用者数が強い伸びを示したことで、2月に高まった「労働市場の急減速=景気後退懸念」はいったん後退しました。しかし、労働参加率の低下など家計調査が示す実態の弱さや、構造的な人員削減が続く業種の存在を踏まえると、「見かけ上の改善」という側面も否めません。
当日の市場反応
為替市場
グッドフライデー(聖金曜日)の祝日で市場参加者が少なく流動性が低下する中、米ドルは指標発表直後にドル円で159.760円まで上昇しましたが、その後は159.488円まで反落しました。休暇中の投資家が多かったこともあり、方向感は乏しい展開となりました。
株式市場
米国の現物株式市場はグッドフライデーのため休場でした。
- ダウ平均:休場
- ナスダック総合:休場
- S&P500:休場
金市場
米国の金先物市場もグッドフライデーで休場となりました。
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米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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