
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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『最新のドル/円相場を解説』
最新のマーケット情報まとめ
<米3月雇用統計の結果と市場反応>
米3月雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数は17.8万人と市場予想を大幅に上回り、失業率は4.3%へ低下。雇用の総合的な内容は堅調であり、発表直後はドル買いで反応した。
ただし、前回分が下方修正されていたことに加え、ドル円相場の159円台後半には売り指値注文が事前に積み上がっていたことから、上値は高値159.76円付近に限定され、上昇幅は20銭程度にとどまった。その後は上昇分を全て吐き出す展開となり、市場の160円突破に対する慎重姿勢が改めて確認された。
<相場の主要テーマ:イラン情勢の動向>
3月以降、ドル円相場における経済指標への反応は限定的となっており、地政学的リスク、とりわけイラン情勢が相場の主要テーマとなっている。
今週はトランプ大統領が2〜3週間以内に終結する可能性があると発言したことで終結期待が台頭し、ドル売りが進む場面があった。しかし、国民向け演説において「イランを石器時代に戻す」と表現するなど攻撃強化を示唆する発言を行ったことで、長期化懸念が再燃し、ドル買いが再び優勢となった。イラン側もAmazonへの攻撃を示唆開始するなど対抗姿勢を明確にしており、現時点で終結期待は大きく後退している。
来週も引き続きイラン情勢に関するヘッドラインが相場を左右する展開が予想される。情勢のさらなる悪化が確認された場合、ドル買い・原油高が加速し、160円突破の可能性も否定できない。
<世界的インフレ再燃と金融政策への影響>
原油価格の上昇を背景に、世界的なインフレ懸念が高まっている。
こうした状況を受け、市場の金融政策の折り込みにも変化が生じている。米国では利下げ観測が後退し、カナダ、欧州、英国、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、日本においても利上げ方向への見方が強まっている。イラン情勢の長期化がインフレを通じて各国の利上げ観測をさらに強める構図となっている。
<テクニカル分析:ドル円週足>
テクニカル面ではダブルボトムを形成した後、ネックラインである158円を明確に上抜け、サポート・レジスタンスの逆転が生じている。上方向への基調は維持されており、160円を突破した場合は今年の高値160円台半ばが次の抵抗水準となる。それを上抜ければ2024年7月高値161円台後半〜162円が次のターゲットとなろう。
<来週の注目ポイントと主なリスク>
来週の焦点は以下の通りである。第1に、米3月CPIの結果である。雇用統計が強かった中でインフレの急加速が確認されれば、米利上げ観測が浮上してドル一段高の展開となる可能性がある。第2に、イラン情勢をめぐるヘッドラインの動向であり、悪化・長期化の度合いによってドル買い・原油高の勢いが変化する。第3に、160円台突破時の為替介入リスクである。政府から連日介入に言及する発言が相次いでおり、160円台に入った場合は市場が神経質な動きとなることが見込まれる。
以上の3点を念頭に、来週も慎重な相場対応が求められる局面が続くと判断する。
<ドル/円 週足>

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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