
来週の予想レンジ
S&P500: 6,200~6,700
「4月は株高」アノマリー健在、ながら自律反発の域を出ない
4月2日のS&P500は6,582.69で引け、週間で3.4%上昇しました。米国株市場は、中東情勢の緊張が続く中で、4月は季節的に底堅さが意識されやすいとされる株高アノマリーを背景とした自律反発が入りやすい局面にあります。しかし、原油高を通じたインフレ再燃懸念が上値を抑える構造は変わっておらず、相場は強気転換というよりも、悪材料をいったん織り込み直す過程とみるのが妥当です。米調査会社によるS&P500の2026年1-3月期利益成長率見通しは10%超と企業業績は底堅いものの、原油高と金利の高止まり懸念が残る状況下で、反発局面を買いで追うのはリスクがあるように感じます。
ホルムズ海峡、完全閉鎖よりは良いか...中東情勢に好転と悪化の両方向の兆し
ホルムズ海峡の「通航料」制度による最悪シナリオの後退
中東情勢に関しては、市場の評価が一部変化しています。報道によると、ホルムズ海峡において、イラン側が一部の船舶に対して人民元や暗号資産で通航料を要求し、許可を出したうえで通航させる構想が広がっています。
これは海峡の全面封鎖でも全面正常化でもなく、政治的条件と追加コストを伴う通航状態を意味します。株式市場にとっては最悪のシナリオ(供給の完全断絶)が後退したことで短期的な安心感につながる反面、地政学リスクが形を変えて存続している状態と言えます。
コスト上昇圧力は残り、原油高の懸念は継続
この通航料の仕組みは、仮に1バレル当たり1ドルの負担であれば、物流が完全に停止するよりは実務的に許容されやすい水準です。
しかし、通航の可否はイラン側の裁量に依存する可能性があることに加え、米国のトランプ大統領が4月2日に厳しい攻撃を加えることを示唆する発言を行っています。米国の軍事的な対応によって緊張が再び高まれば、こうした実務的な努力の均衡は容易に崩れます。
また、サウジアラビアやUAEによる迂回ルートの活用も進んでいますが、世界の海上石油取引を担う要衝である同海峡を代替することは困難です。最悪の事態は避けられたとしても、原油の調達コスト上昇圧力は残り、株式市場の重しとなり続けます。
米雇用統計とCPI:市場はマイルドな結果を切望
雇用統計は結果にかかわらず上値を重くする要因
来週前半の材料は、4月3日発表の米3月雇用統計です。当日はグッドフライデーで米国株式市場が休場となるため、市場の反応は翌週6日(月)に持ち越されます。
市場予想では、非農業部門雇用者数はおおむね6万人増、失業率は4.4%前後が見込まれています。結果が下振れれば景気不安が意識され、上振れればFRB(連邦準備制度理事会)の利下げ後退が意識されるため、いずれにしても株価の明確な押し上げ要因にはなりにくい構図です。
最大の焦点は米3月CPI(4/10)
来週の最大の焦点は4月10日の米3月消費者物価指数(CPI)です。直近でWTI原油価格が終値ベースで111ドル台まで上昇しており、エネルギー価格を通じたインフレの再燃が警戒されています。
CPIが強い結果となれば、4月高アノマリーを背景とした買い戻しは続かなくなる可能性が高まります。逆にCPIが落ち着いた結果となればショートカバーがもう一段進む余地はありますが、事前に強気シナリオを見越して買うよりも、戻りの鈍さを確認してから売り場を探す方が論理的です。
テクニカル分析:上値には複数の抵抗線、戻り売りの水準を見極める

日足チャートを確認すると、直近の自律反発によって10日移動平均線(6,520)を上抜けて推移しています。オシレーター系のRSI(9日)も48と、売られすぎ水準から中立域まで回復しており、短期的にはもう一段の戻りを試す余地を残しています。
しかし、その上には長期的なトレンドを示す200日移動平均線(6,660)と、中期の50日移動平均線(6,770)が控えています。これらが強いレジスタンス(上値抵抗線)として機能しやすく、予想レンジの上限(6,700)とも整合的です。
一方、下値の目途としては、昨年4月安値からのフィボナッチ・リトレースメント38.2%押しにあたる6,168が強力なサポート(下値支持線)として意識されます。ここを下抜けた場合は警戒が必要ですが、当面はこの水準(予想レンジ下限の6,200近辺)が底堅さを発揮するとみています。
来週のトレード戦略
来週の基本シナリオとして、週前半は4月高アノマリーとショートカバーにより戻りを試す展開が予想されます。ただし、この反発は中東リスクの根本的な解消によるものではなく、悪材料の一時的な織り込み直しにすぎません。ホルムズ海峡の通航料制度は相場に一定の落ち着きを与えますが、原油高懸念や米国の軍事対応リスクを完全に払拭するものではありません。
したがって、テクニカル的な上値の節目となる200日移動平均線(6,660)近辺への上昇局面や、CPI発表前に買いが続かなくなったタイミングは、「戻り売り」の好機と判断します。4月のアノマリーを考慮したうえでも、今週に限っては買い場探しよりも売り場探しを優先する戦略が妥当と考えます。
今後の主な経済指標・イベント(米国時間)
- 4/3(金) 米3月雇用統計(※グッドフライデーのため米株式市場は休場)
- 4/8(水) FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨(3月17-18日開催分)
- 4/10(金) 米3月消費者物価指数(CPI)
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
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